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白き大英雄と白銀の守護者  作者: 澤中雅
第六章 兆しの精霊祭編
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うかつ

本日は少し短いです……すみません。

でもアクセスありがとうございます!



 学院終了後、ルビラとグリードは企画説明と参加を打診するべく学院生会室でアヤト、リース、ユースと向き合っていた。

 ちなみにリースとユースには講師から呼び出すことも、ロロベリアが直接伝えることも出来たがアヤトは別クラス。しかも実技訓練は気分次第、受けることもあれば学食の仕事が終わるなり帰宅する。

 故にマヤ伝手で学院生会室に来るようお願いしていたので面倒気ながらも姿を見せて内心安堵を。

 二人とは初対面というのもありロロベリアにレイド、カイルも同席して円卓からソファで向き合い説明を受ける三人を見守っていた。


「――見世物になる趣味はねぇよ」


 予想通りというべきか打診するなり速攻でアヤトは拒否。

 まあロロベリアらとしても断ってもらう方が都合は良かったりする。

 そもそもロロベリア以外の序列保持者はカナリアの開き直りからアヤトの実力を知ったが、あまりに強すぎて妙な噂が立ちかねないと合同訓練で見たことを広めないようクギを刺された。

 万が一序列保持者が住居を訪れていると知られても親善試合の繋がりからロロベリアらと交流が深まったからで、アヤトの訓練に参加しているのは秘匿と決めている。


 そして選抜戦で学院生が注目する中、ロロベリアを圧倒したことでアヤトの実力を受け入れることになったがあくまで学院生レベル。つまりこのまま学院生レベルと勘違いされている方がいい。

 にも関わらず精霊祭のような舞台でエキシビションなどしようものならアヤトのことだ、誰が相手でも遊び感覚で圧倒するだろう。いくら相手と同等か、少し上程度の実力に押さえても充分悪目立ちしてしまう。それが序列一位のレイドなら尚更だ。

 なのでレイドやカイルも今回の企画をルビラやグリードが乗っても、アヤトならまず参加しないだろうと踏んで提案したりするのだが。


「見世物じゃないよ~。楽しいイベントだよ~」


 代表メンバー全員に協力してもらいたいルビラは食い下がるもアヤトはため息一つ。


「楽しいイベントにしたいなら、なおさら俺はお呼びじゃねぇな」

「どうして~?」

「模擬戦にしろ、競技にしろ、競い合う者同士の実力が拮抗しているからこそ盛り上がる。逆に実力差がありすぎれば白けるだろ」

「えっと~……つまりアヤトくんが参加しちゃうと差がありすぎて白けちゃうの?」

「他にどう聞こえる」

「それって上すぎて? それとも下すぎて?」

「さあな」


 相づちで交わすがその態度が前者だと訴えているのは明確。

 この返答もレイドらはもちろん予想済み。元よりアヤトの発言は上から目線、実際に圧倒的に上なのだがそれはさておき。今さらなので実力を知られることもないだろう。


 しかし精霊士だが体格や武芸の才に恵まれず仕官の道を選んだルビラは、仕官クラスの代表を務めているだけあり頭脳面は優秀。そして仕官に必要な能力の一つは他人の能力を正確に計ることで。

 持たぬ者のアヤトが精霊術クラスや精霊騎士クラスの学院生を秒殺し、降参したとはいえ序列十位のロロベリアを圧倒した選抜戦はもちろん観戦している。信じがたいが実際に見たものを否定せず、ラタニの弟子という情報も考慮した結果ルビラは序列上位四名とほぼ同格と評価していた。


 だがアヤトの言い分は自信過剰が過ぎる。

 なんせ序列上位四名は頭一つ抜けているが、残り六名も相当の実力者。戦い方次第では充分食らいつけるだけのポテンシャルを秘めている。白けるような企画にならないからこそレイドの提案から今回の企画を練ったわけで。

 謙虚とはいえないも、愚かしい印象もないアヤトが今のような自信を見せることに妙な違和感を抱き考え込むルビラに変わりグリードが説得を試みる。


「カルヴァシアが参加してくれれば俺たち騎士クラス、延いては持たぬ者にとっての可能性になる。是非とも再考してくれんか」

「どこぞの後輩構ってちゃんと同じことを言うんじゃねぇよ」


 今度は意味不明な言い分にキョトンとなる。

 その後輩構ってちゃんがまさか帝国の第三皇女と夢にも思わないだろうと先輩構ってちゃん(ロロベリア)が嘆息するもアヤトはグリードを見据えて続けた。


「つーか可能性とやらを示したいのならあんたが示せ。騎士クラス代表なんだろう」

「……だが」

「話は終いだな」


 一方的に切り上げたアヤトは席を立ちそのまま退室。

 とりつく島もなしな態度にグリードはうな垂れてしまう。


「噂に違わずとはこのことか……」

「まあまあ、グリードくん元気だそうよ~」


 微妙な空気を振り払うべくルビラはアヤトについての考察を中断、残りの打診をするべく呆れている二人に視線を向けてニッコリ。


「リースちゃんとユースくんはどうかな~」

「序列同士のエキシビションにオレが出るのもお門違いでしょ。代表最弱なんで」

「興味ない」


 しかし二人とも同じく拒否、だがここでも説得を試みる。


「そんなことないよ~。ユースくん凄かったもん」

「いやいや、オレなんて全然っすよ」


 笑顔で手を振り振りとユースから参加の意思は全く感じられない。


「リースちゃんも、ロロベリアちゃん以外の序列保持者と戦えるんだよ? 興味ワクワクだと思うけどな~」

「戦おうと思えばロロ以外とも戦える」


 リースからもやはり後ろ向きな答えが返ってくるも返答に違和感が。

 ロロベリア以外の序列は二、三学生で接点はなく手合わせする機会などまずない。でなければ序列入れ替え戦が意味を成さないからで。

 それとも代表入りから親密になり、私的な時間を過ごすようになったのか。


「基本アヤト相手に共闘だけど、空いてる間に手合わせお願いしてもいいし――」

「リース……っ」


 などと予想する中、口を滑らせるリースを慌ててロロベリアが両手をクロスさせてバッテンで訴える。

 更にレイドとユースは苦笑、カイルも額に手を当て肩を落とすが既に遅し。

 広めないようにとクギを刺さされ、訓練のことも秘匿にしていたのに致命的な発言をしてしまえば当然――


「アヤトくんを相手に()()~?」

()()()()()とは……どういうことだ?」


 真実を知らないルビラとグリードは疑問を抱くわけで。


「……言っちゃダメだった?」


 落胆するロロベリアの様子にリースは自身のミスに気づかず首を傾げていた。




まあアヤトくんが参加するわけありませんよ。


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