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私は戦う!おっぱい大きくするために!  作者: 鶴
第一章「ラザレス王国動乱」
9/20

「少女は穢れてもなお美しく」

 昔々そのまた昔、この島には可憐でか弱く、容易く手折(たお)られてしまうはかない花のような美少女が暮らしておりました。

 けれど神様から祝福を与えられた少女は懸命に生き延びて、頑張って、頑張って、そして―――




 -*-




 ―――転生してから三年が経過。私はこのモンスターだらけの島で逞しく成長いたしました!


 いやー、最初はゴブリン相手にひいひい言わされていた私ですが――いや、エッチなことされてひいひい言わされたわけじゃなくてね? 戦闘で勝てなくてね? そういう意味でのひいひいだから誤解しないようにね!? 私まだ乙女だからね!?


 ともかく! 今の私はマッチ棒とか爪楊枝とか揶揄されていたころの私じゃない!

 見るがいい、このBカップの膨らみを!

 ぷりんで! ふにゅんで! ぷにゅんぷにゅんなのです! しかもお尻もキュッと切れ上がって、ウエストもキュッとくびれてて、はっきり言って超銀河級スーパー美少女の爆誕です!!!


 ………うぐっ、ひっく、あぐっ、あうぅぅぅ……長かった、辛かった、こんな逃げ場のない場所に転生させやがって、神様を何度恨んだことか……!

 何度も何度も死にそうになって、ごはんも満足に食べられなくて、食べても大丈夫か判らない草や木の根を齧って飢えを凌いで、いっそ死にたくなるほどの腹痛に苦しみながら雨に打たれ、寒さとひもじさで動けなくなっている私にモンスターが何度も襲い掛かってきて……なんで生きてるんだろう私。とりあえず叫ぶ。創造神様の馬鹿野郎――――!!!


 最初の二ヶ月なんて眠る事すらできなかったけれど、木の上で眠ることを覚えてからは少しだけ回復できるようになり、昼間の活動がしやすくなった。だけど猿のようなモンスターが集団で襲い掛かってきて、組み伏せられて〇〇〇されかけた時は舌を噛もうかと思った。

 もっとも、その猿の魔物どもを一匹一匹罠にかけて我が身の糧にした私も相当の外道だと思うけど。


 そう、逆境こそが私を強くした。

 極限状態に陥って綺麗ごとが言っていられなくなり、罠を使う事を覚えて弱いヤツや弱ってるヤツから確実に仕留めていく。

 岸壁から岩を落として割り、先端の鋭い破片でナイフや槍を作ったら“作業”も幾分楽になった。

 蔦を集めて紐にして、住処を作っては襲われて破壊され、やり返しては次を考え、トライ&エラーで少しずつ、少しずつ、強くなりながら島の環境に適応していったのだ。


 そして今日、私は長年の宿敵だったティラノザウルスもどきを遂に討ち果たした。


 うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ! バストが一気に2.5センチ増量! 念願のBカップに、遂に! 遂に遂に遂に到達したのだ! よっしゃあああああああああっ!

 やったよひゃっほー! 創造神様ありがとー!

 さすがこの島で生き残った最強のモンスターだけあって、私に吸収されたリソース量もかなり多かった。身長も伸びたし、腰回りも一段と丸みを帯び、憧れの魅惑的な女性にまた一歩近づけたのです♪


 ………今、淑女は半裸で巨大武器なんて振り回さねーよとか思ったヤツ、ちょっと一歩前に出てきなさい。

 その台詞はこの島でモンスターを狩りつくすのがどれだけ大変か理解して言ってる?

 最底辺と思っていたゴブリンたちですら盾や鎧で防御固めて陣形整えて襲ってくるし、ほとんどの魔物が木の棒に尖った石を括り付けた槍程度じゃどうにもならないヤツばかりだったんだからね!?


 だから私は攻撃力に極振りした。

 生活拠点ができると、体力や疲労の回復が速いのをフル活用し、昼夜ぶっ通しで筋トレに励んで素振りをし、くそマズい滋養強壮の薬草を毎日食し、より効率的に()れる武器の開発に専念したのだ。

 一にパワー、二にパワー、三四もパワー、五にパゥワァアアア!!!

 ……我ながら、か弱い女子の考えることじゃないとは思ったんだけどね? 生きてくために仕方なかったんよ? おっぱいをおっきくするためには仕方なかったんよ!?


 こうして最低限の攻撃力を手に入れた私が嬉々としてモンスターを狩り始めると、戦闘系スキルのレベルが上がる上がる。

 虐殺して成長して虐殺して成長して……ああ、なんて素晴らしき正のスパイラル♪

 虐殺した後はいつも創造神様に感謝のお祈りを欠かしません。毎日おっぱいの成長を感じられる毎日のなんてすばらしい事か! どぞ、お供えはモンスターの丸焼きです!


 でも順風満帆な生活も半年ほどで終わってしまった。

 強敵をあらかた狩りつくしてしまったせいで、この三か月ほどは胸がなかなか育たなかったんです。

 おっぱいの成長に必要なリソース量も、大きくなるほどに増えていく。手ごろなモンスターを虐殺するだけじゃ微々たる成果しか得られなかった。先月なんて()()()()()()()()()()()()のに0.1ミリしか大きくならなかったんです……

 しかも頑張った弊害で、モンスターたちが私を見るとすぐさま逃げ出すようになったんです。ねえ、もっとこっちにおいでよ、私たちマブダチでしょ!? 一方的に搾取する関係だけど!


 この時点で私のお胸もAカップに到達していて、それはそれで感涙ものだったけど……少し先にBカップが見えたら、ヤるよね?

 そこで一発逆転を狙い、いつも私から逃げ回るティラノもどきを仕留めたのである。

 いったい島を何周したことか…まあ、それに見合うだけの成果も得られたけど。みゅふふふ♪ BカップBカップ♪


 まだ小学生高学年ぐらいの身長だけど、それだけにBカップの膨らみは数値以上に大きく見える!

 どうしよう、今日はティラノザウルスもどきのお肉でハンバーグでも作っちゃおっかな♪

 けどこれ、Cも目前じゃない? たしかカップがひとつ違うと2.5センチ違うんだから、あとちょっと頑張れば私も巨乳の仲間入りなのかな!?




 ―――などと考えるのは拠点に戻ってから考えればよかったんです。

 ティラノもどきを倒した直後に、まさか三年過ごしてきて一度も出会う事の無かった変質者に声をかけられてしまいました。やだー!


 ああ、この世界に転生されて初めて出会った第一島人(?)が、息を荒げて汗だくで迫ってくるちょっぴり格好いい金髪の変質者。神は私に18禁な展開を望んでいるのか!

 しかも胸まで見られた! 急激に成長した膨らみを確認してるところを見計らって近づいてきて、声を掛けられて思わず振り向いたら……なんて計画的な犯行。私はいつから狙われていた!? これが噂に聞くストーカー!? 

 ちょっぴりワイルド格好よくて私の好みに近いけど……あ、服に手を掛けた! 嫁入り前の乙女の前でもろ肌晒すなんてどこの露出魔だハレンチがぁああああああああああああああ!!!








 というわけで張り倒したら、見事に錐揉みしながら放物線を描いて地面に顔からダイブした。

 起き上がってこないんだけど……ダイジョウブダヨネ?

主人公再登場!

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