表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/43

33、ダンジョン攻略⑤

 俺はシルヴィアたちの横を通り過ぎ、ラミアへ一直線に突撃した。

 そして、ありったけの魔力を込めて、剣を振り抜く。


「ギャアアアアアアッ!」


 胴体に当てると、上半身と下半身がまっぷたつに分かれた。

 ラミアは苦悶の表情を浮かべながら倒れる。


「なぜっ、わらわが……貴様のような者……に……」


 俺は、そうつぶやきながら絶命していくラミアの最期を見届けた。

 全く動かなくなってから、みんなの元へ戻る。


「わ、私はいったい……」

「あ、アレックス……? あんたが、あいつを倒したの……?」


 誘惑の解けたギルド長とシルヴィアが、目を覚ました。

 もう元に戻っているようだが、過度の補助魔法をかけられた反動からかまだ起き上がれないでいるようだ。

 レナさんも同様に床に寝ころんだままだった。


「アレックスくーん。ありがとうねえ。まさかあたしたちも誘惑(テンプテーション)にかかっちゃうとはね~失敗失敗!」

「レナさん! みんなも元に戻って良かったです!」

「まだギリ、魔力が残ってるから……みんなを回復させないとー。オール・ヒール!」


 魔石のついた杖を高く掲げ、レナさんが全体回復魔法を唱える。

 すると、みんなが徐々に体を起こしはじめた。


「くっ、完全に回復はしたわけじゃねーか……。だが、なんとかいけそうだな。ありがとよ、レナ!」

「リーダー。そういうのいいから。とっととダンジョンコアを探してー」

「おっ、そうだった」

「ダンジョンコア?」


 聞きなれない言葉に首をかしげる。

 ギルド長のアシュリーさんが来て、俺に丁寧に教えてくれた。


「ダンジョンコアというのはな、ダンジョンの制御装置となっているものだ。ダンジョンを破壊するにはそれを壊さないといけない。たいていそのダンジョンの主が持っているとされているんだが、さっきのラミアが主なら……」


 そう言いながら、アシュリーさんは広場をうろうろとしはじめる。

 どうやらそのダンジョンコアとやらを探しているようだ。リーダーさんや他の冒険者たち、騎士団の人たちも加わる。

 しばらくすると、ラミアの遺体の下に小さな扉があるのが見つかった。


「おーい、みんな来てくれ!」


 リーダーさんの掛け声で、みんながその場所に集まる。 

 俺も見に行ってみたが、まるで床下収納のような小さな扉だった。


「この中にあるのか……?」

「罠かもしれないな」

「だが、これを確認しないことにはクエストは終わらない」


 みなの意見が一致して、せーのでそれを開けることになった。

 リーダーさんがその扉の取っ手を引く。すると中には小さな青い球が浮いていた。


「ビンゴ!」


 誰かがそう言うと、それはふよふよと上に浮き上がってきた。

 透き通った青空のような美しい球だ。

 だがそれを、騎士団の団長さんが破壊すると言いはじめた。


「いいか、これを破壊したら一気にダンジョンは崩壊する! 自分以外の者は、先に退避してくれ!」


 しかし、誰も動かない。

 どころか――、


「……いや、それは俺がやる。あんたじゃそんな鎧だから、素早く上に行けないだろ」

「リーダー、いや、やはりこれは私がやる。剣聖・賢者以上の力がなければこれは破壊できない」

「だったら俺がやる。あとのやつらは脱出に手間取りそうだしな。俺なら瞬間移動もできるから適任だろう」


 リーダーさんとアシュリーさん、それにナインさんまでもがなぜか急に「破壊役」に名乗りを上げはじめる。誰も引こうとはしないのに俺はげんなりした。


「うーん。ダンジョンコアを破壊すると、わりとたくさんステータスアップするからねえ。強くなりたい人はやりたがるんだよー。てことでー、はいはーい! あたしもやりたーい」


 レナさんも立候補したことで、俺は一層げんなりする。

 だがそうこう言っている間に、どこからともなくスケルトンたちが出現しはじめた。見れば床という床から湧き上がってきている。


「まずい。早く壊さなければ」

「ええい、仕方ない。ここはジャンケンで決めよう。最初はグー、じゃんけんっ……」


 ポン、で出そろったのは、四人がパー、二人がチョキという結果だった。

 チョキを出したのは……俺と。なんとシルヴィアだった。


「な、なんでお前らも出してんだよっ!」

「いいでしょう。俺だって強くなりたいんですから!」

「そうよ! わたしだって。もうレベルだけだったら剣聖レベルになってるの。壊せないことはないわ!」


 むむむ、と負けた面々は黙り込む。

 ということは……俺とシルヴィアの一騎打ちということか。


「いくわよっ、アレックス!」

「おう、シルヴィア!」


 最初はグー。

 じゃんけん、ポンッ! 


 俺はその場において、唯一ヘイストがかかった状態の人間だった。

 よって、結果は――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ