29、ダンジョン攻略①
北の森のはずれに着くと、そこはすでに乱戦となっていた。
思った以上にスケルトンが多い。
先行していた騎士団の連中は、ダンジョンから湧き出したスケルトンを近隣の村に行かせないよう周囲から順に掃討している。
「私たちも行くぞっ!」
ギルド長のアシュリーさんが他の冒険者たちに声をかける。
「おおおおっ」とみんなが森の外に広がったスケルトンたちに向かっていく。
「君とリーダーは私のあとについてこい!」
「はいっ!」
「了解です!」
俺とリーダーさんは、漆黒の大剣を振りぬいて駆けだしていくアシュリーさんの後を追う。
「いいかっ、アンデッドモンスターには光魔法しか効かない! 一番は回復魔法を直接かけることだが、それをやってたらあっというまに魔力が枯渇するぞ。各々、自分のできる範囲の光魔法攻撃をしていけッ!」
「「はいっ」」
なるほど。
俺は村で雷魔法や炎魔法を剣に付与させていたが、そうじゃなく光魔法を付与させれば良かったのか。そういえば、グレッグ神父も言ってたな……そんなこと。
見ると、リーダーさんは己の拳や足を強く光らせて、スケルトンをたたきのめしていた。まさか……自分の体にも魔法を付与させられることができるとは。
「シャイン・ナックルッッッ! シャイン・キックッッッ! シャイン・ソニックブームッッッ!」
リーダーさんの動きが、目で追いきれないくらい速い。
以前のアシッドドラゴン戦ではあそこまで速くなかった気がする。なんでだろうと思っていたら、勝手にリーダーさんが語りはじめた。
「前回と動きが違って驚いたか? アレックス! 俺はな、攻撃をしているときが一番動きのキレが良くなるんだぜ。それが格闘士ってもんだ!」
そうなのか。
たしかに、以前の戦いではひたすら逃げ回ってるだけだった。でももし攻撃もできてたら、今のようになっていたのかもしれない。
とにかく、リーダーさんは次々とスケルトンを塵にしていった。
「シャイン・トリプルスラッシュ! シャイン・トリプルスピア!」
一方、ギルド長のアシュリーさんはというと、その剣技がものすごかった。
一度に複数の斬撃を放っている。同時に三回攻撃するものが多く、三体を同時に倒したりしていた。
俺も見様見真似で光魔法を付与させた剣技を放ってみる。
「シャイン・スラッシュ! シャイン・ダブルスラッシュ!」
一回目は普通に一度だけ斬りつけて。二回目はアシュリーさんのように回転しながら素早く連続で斬りつけてみた。
両方とも、目の前のスケルトンには効果的だったようで、みるみるうちに崩れていく。
「やった!!」
「おっ、やるなアレックス!」
「いいぞ、その調子だ。アレックス君!」
視界の端で見てくれていたのか、リーダーさんもアシュリーさんも、そんな言葉を俺にかけてくれる。
自信がついた俺は、その後もスケルトンをたくさん倒していった。
ギルドの冒険者たちが加わったことで、ダンジョンの外に出てきたスケルトンたちはどんどん数を減らしていった。
あとは――これ以上出てこなくなるまで押し返すだけだ。
けど、それは難しいだろう。いまだダンジョンの入り口からは大量のスケルトンが湧き出してきているのだから。
「これじゃキリがないな……」
そうつぶやいていると、アシュリーさんが近づいてきて言った。
「いや。もうこれだけ外のスケルトンがいなくなってきたら、あとはダンジョン内に突っ込むだけだ」
「え?」
「ダンジョンの最奥にある、ダンジョンコアというものを破壊すれば、ダンジョンは消滅する」
「でも、どうやって……」
「入り口付近は騎士団の人たちに任せよう。あとは……レナが戻って来てくれるのを待つばかりだ」
「レナさん? そういえばレナさんがいないですね」
「ああ、ちょっと野暮用があるとか言ってな、昨日からいないんだが……この件を連絡したからもうすぐ来るだろう。お、噂をすればだ」
アシュリーさんが北の森の方へ視線を向けると、そこからはレナさんと、他二名が歩いてくるのが見えた。
レナさんの後ろにいたのは……賢者ナインさんと、シルヴィアだった。
次回、ドSパーティー結成です。




