表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水無瀬さんの告白  作者: 佐渡
6/15

第六話

 家に帰った俺は、近藤に電話をかけることにした。ボーリングは四人くらいいないと面白くならないだろう。決して近藤個人と遊びたいわけではないのだが、こいつ以外に誘えるほど仲の良い友達がいないというのが少々悔しい。


 「もしもし?」


 『あ?俺やけど何?』

 お前に電話したんだからお前が出て当たり前だろうが。そもそも俺やけどって何の情報もない言葉を吐くな。


 「今度、ボーリング行くんだけどお前も行くか?」


 『あーあの玉転がしか。どうも性に合わなくてな。俺はパスさせてもらいますわ。』

 そう言うと思ったぜ。


 「そうか。一組の女子二人も来るしちょうどいいかなって思ったんだがな。」

 思ったんだがな、と言い終わらないうちに彼は言葉を発していた。


 『なんやお前。それを先に言えよ。ボーリング大好きやねん。しゃーないから行ったるわ。』


 聞いたら関西人が憤慨しそうなエセ関西弁を聞かされた俺は、日程の希望を聴取して電話を切った。全く調子のいいやつである。

 

 その後俺は、机に座ってパソコンを立ち上げたところであることに気づいた。水無瀬さんに日程を聞き忘れてしまったのだ。


 近くの携帯を睨みつける。電話するしか手はないのだろうか。彼女、携帯自体をあまり手に取らないだろうから、ショートメールだと気づかないかもしれない。であれば……。


 俺は、携帯を手にとり、登録したてホヤホヤの彼女の連絡先を選択する。そして受話器のマークを押した。

 プルプという最初の呼び出し音に続けて、三回ほどコールが繰り返された後カチッという音がした。


 「もしもし水無瀬さん?」

 『はい。』

 雑音と勘違いしてしまうような小さな声が聞こえた。


 「あのさ、ボーリングの話なんだけど、いつがいいかな?」

 少しの時間を経た。カレンダーを確認してるのかもしれない。


 『学校ない日ならいつでも』


 「そっか。わかった。決まったら連絡するね。」


 『わかった。』


 「じゃあね。」と言うと、彼女からも『うん』と返事があった。


 そこで受話器を置くボタンをタップだ。


 なんとなく、切るタイミングで迷ってしまうんじゃないか、と不安だったが、難なく終えて俺はほっと一息つくのだった。


 その後、三枝にも電話をしてみると、『周りに合わせるよー』と言っていた。一番忙しそうな人間がそういう反応なのは非常に助かる。日程希望を出したのは最不要の近藤だけであった。


他の作品見てとてもニヤニヤしています。やっぱり小説っていいですね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ