ぷろろーぐ
え〜、ほかの小説が停滞気味なのに新しく執筆を始めてしまいました。^^;
もしかしたらこっちも更新遅くなるかもしれませんがよろしくデス。
第0話 ぷろろーぐ
キンッキキンッ!
ズバッ!
刀の鍔迫り合いの音の後、確かな手ごたえと共に多量の血飛沫が虚空に舞う。
また一人、目前の敵を切り倒した男は殺した男には目もくれず、ただ前方を睨む。
目の前には幾千もの敵の姿。
今までに切り殺した数は五百はくだらず、そして目前に迫る敵は千はくだらない。
周囲に援軍はなく、ただ一人立つ男と多数の敵の姿があるのみである。
絶体絶命、まさにその言葉がピタリ当てはまる光景である。
「「「はあぁっ!」」」
周囲の敵達は個々の実力では敵わないと悟ったのか、人海戦術に切り替える。
それは古来より最も確実に相手を葬り去るための戦術である。
人的被害を考えず、その相手を倒すことのみに特化した戦術。
ゆえにこの状況でのその戦術は最も適したものであるといえるだろう。
たとえその相手が、たった一人で五百という人間を切り殺した男であったとしても、である。
キンッ!
カンカンカンッ!
ガキャッ!
数多の金属音を鳴らしながら、それでも男は猛然と敵を切り殺していく。
どれだけ時が立っただろう・・・。
人海戦術を取った者たちに動揺が走りだす。
なんと自分達の数が千から七百までその数を減らしていたのである。
なんという戦闘力であろうか。
カカァーンッ!
一際大きな音が止むと、今まで襲い掛かってきていた敵が動きを止め後退する。
そしてその中心あたりより、真っ赤な鎧を身に纏った大男が顔を見せるのだった。
この部隊の隊長のお出ましである。
「くっくっく、まさか俺の部隊がここまで崩されるとは思っておらなんだわ。」
隊長は愉快そうに笑みを浮かべる。
その双眸は、殺しを生きがいとする者の眼をしているのだった。
「礼といっては何だが、我が貴様に引導を渡してやろう」
そう大男は言うと、
「死ね」
その一言とともに手に持った大剣を振り下ろすのだった。
ガキッ!
男は辛うじて自らの刀でそれを受け止める。
そう、自らの全体重を使ってその一太刀を受け止めた。
それがただのフェィントであることも知らずに・・・。
「ふっ、残念だったな!こっちが本命さ!」
大男はそういうと左手に持っていた大きな斧を男に向かって振り下ろしたのだった・・・。
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チャララララーン・・・
そう、敗北を知らせる効果音が流れる。
目の前には GAMEOVER の文字が。
俺は一つ溜息をつき、ゲームのコントローラーを置いた。
俺の名前は 駆流 神耶 (くりゅう しんや)
目下の目標はこの『ヴァルハラ』をクリアすることである。
『ヴァルハラ』は先月発売されるや否や1ヶ月で10万ヒットという、前代未聞の超大ヒットを記録した作品である。
主人公は各々能力を持つ人間となって、目の前の敵をなぎ倒していく。
最終目的は未だ不明。
このゲーム、超難易度でも知られる作品なのである。
「ちぇ、いいところまでいったんだけどなー。」
そういいながら俺はテレビの電源を落とし、部屋の電気を消しリビングへと降りていくのだった。
王道の異世界迷い込み小説が書きたくなったんです。
それ以外とくに理由はありません。^^;