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斜め上のダンジョンマスター  作者: ぴっぴ
第1章 ダンジョンマスターボッチ編
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第7話 オーク対ダンジョンマスター

 毎日サンマばかりだと飽きて来たので、サバやアジ等を焼いてみた。アジは美味かったが煙と匂いが少ないせいか魔物は寄ってこなかった、鯖は煙と匂いが結構したので珠にゴブリンがやって来た。やはり魚はサンマに限るようだ。と言う訳で今日も俺はサンマを焼いている、そしてスケルトンが団扇係りなのだ。


「来ないな」


 パタパタパタ


「・・・・・・」


 1人と2匹でゴブリン討伐をしていたのだが1週間程たつとゴブリンが来なくなってしまった。乱獲したせいで近くのゴブリンは居なくなった様だ。つまりサンマ作戦は終わりって訳だ。


「仕方無い、第二作戦に移行する」


「何をするんですマスター?」


「強烈な奴を投入する、使いたくなかったんだがな・・・・・・」


「コア君、ク○ヤの干物を出してくれ」


「ク○ヤの干物ですね、了解です」


 パタパタパタ


「う~ん、やはり凄いな。ダンジョンに匂いが付きそうな位強烈だな!」


 物凄い匂いが干物から出ていた。会社で焼くことが禁止される位凄い最強の干物なのだ、多分こいつならダンジョンから1キロ四方位に匂いが届くはずだ。


「警告! 警告! 侵入者です! オークを迎撃して下さい!」


「オ~ク来た~!!!!」


 流石は最強の干物半端ない偉力で魔物を呼び寄せるようだ、因みに俺は臭い奴は苦手なので食えないのだがな。そして俺はオークを待ちわびていたのだ、オークと言えば人型で俺と同じようサイズなのだ、つまり俺の対人戦闘能力が使えるハズなのだ。素人相手なら柔道の技は掛け放題、受身を取れないように投げてぬっ殺してやるのだ~。


「行けスケルトン1号!」


 ガシャ~ン!!!


 スケルトンはオークの一撃で吹き飛ばされてバラバラになってしまった。なに平気だ、最初からスケルトンには期待をしていないのだ。


「行け!ポヨポヨ!」


 天井から巨大になったスライムがオークに襲いかかる、面白がって餌付けしていたら物凄く大きく重くなったのだ、現在の重さは100キロ位有る巨大スライムなのだ。


「ブキィ~!!・・・・・・」


 ポヨポヨがオークの頭に落ちてきた、そのままオークを押しつぶし口や鼻を塞いで取り込もうとしている、見ていると凄くエグい攻撃なのだ。オークがジタバタしているがスライムに打撃は効かないので無駄な抵抗なのだ。


「マスター! 次が来ます!」


「ほほう、もう1匹居たのか、では私が相手になってやろう」


「ブモオおおお~!」


「行くぞ下等生物! 俺様の柔道が炸裂するぜ!」


 向かってきたオークの顔面に左のジャブを当て懐に潜り込む、そしてそのまま相手を投げて首から落として仕留めるベトナムホイップを決めてやるのだ~!


「あれ~」


 ここで俺は勘違いしていた事を又思い知らされた。オークは服を着ていない、そして帯やマワシも身に付けていない。つまり持つ所が全然ないのだ。そして裸のオークは汗まみれで滑って益々投げる為に捕まえられなかった。


「ブモ~!!!!」


「うわ~! 痛え~! チクショウ~!」


 またまた噛み付かれてしまった、オークは人間サイズなのでゴブリンに噛み付かれた時より遥かに痛かった。お互い掴み合って倒れこむドロ試合へと突入する。


「クソ!クソ!」


 またまた計画が外れてパニックに陥るかと思ったら、死ぬ危険が有るので逆に冷静になって来た。昔から普段は手抜きで逆境に陥った時にしか本気を出さない省エネな性格が本性を現した様だった。


 ブス


「ブキィィ~!!!!」


 オークの目に親指を差し込む、そのまま目の奥に差し込みながらオークを押しのけた俺は素早く立ち上がる、そして目を押さえて転げまわるオークの首にストンピングを繰り返す、手や足を狙っても相手は死なないのだ、無力化する事が目的ではない、俺はこいつを殺すのだ、それに右手はオークに噛み付かれて血だらけで上手く動かない、骨までダメージを負った様だ早くこいつを殺して治療しないと出血死や2度と動かなくなるかも知れないのだ。この世界で片腕になれば戦闘力が落ちて直ぐに死ぬことに成るだろう。


 ボキ


「オークの殲滅確認、1万ポイント入りました」


 やっと死んでくれたらしい、ゴブリンが1匹3千ポイントだったからオークはゴブリン3匹分ほど強い魔物の様だ、戦った感じだとほぼ人間と変わらない力が有る感じだった。噛まれた時の痛みは3倍以上で命の危険を感じる程だった、首を噛まれていたらそのまま死んでいたと思う。


「更にオークの殲滅確認、1万ポイント入りました」


「ポヨポヨも殺ったか、強いなアイツ」


 その後ポーションをコアに出してもらい治療する、低級ポーションでは骨折や骨へのダメージは回復しないので中級ポーション5千ポイントだ、折角の1万ポイントも怪我をするとドンドン減ってゆく、毒消しポーションも飲んだので今回の儲けは4千ポイントしか無かった。

 どうやら又々計画を修正する必要が有るようだ、先ず自分の身の安全の為には防具が必要だ。革製の防具でもかなり防御力が有るので装備したかったが、革製の防具でも全身揃えると10万ポイント、現在の手持ちでは足らなかった。


「コア、毒スライムを召喚してくれ」


「ポイズンスライムは1匹3000ポイントですが宜しいですか」


「構わない、頼む」


 ダンジョンマスターが育っても戦闘力は上がらないが魔物は育てば強くなる、ポヨポヨはスライムなのに既にオークよりも強いのだ、これに毒を使うスライムが加われば大きく戦力が上がハズだ。


 毒スライムは紫色の毒々しい色をしていた、ポヨポヨの最初の時の様に大きさは拳位だ、こいつを育てて巨大化させればノーマルスライムのポヨポヨよりも強くなるかも知れない。


「頼むぞ、ポヨポヨ2型!」


「あれ~、マスター。何か洒落た名前を付けるんじゃないのですか」


「洒落た名前は呼びにくい、咄嗟の時でも直ぐに呼べるように名前は単純な方が言いのだよ」


「意外とマトモな言い訳ですね、マスター」


「うむ、以前から必死で名前を覚えない言い訳を考えていたのだ」


 俺は戦闘の仕方を大幅に変えることにした、戦術レベルはなく戦略レベルで修正したのだ。ダンジョンマスターは戦闘向きではない、レベルアップで戦闘力が上がらないからだ、ダンジョンマスターの戦い方はダンジョン全体を使った戦い方、配下の魔物やトラップを使って相手を仕留めるのが正しい方法なのだ。なまじ自分の戦闘力がある事で俺は勘違いしていたのだ。これからは俺は危険の無いところで指揮を執ることにするのだ、痛い思いはまっぴらだ。


「さて部下を増やさねばな! コア君今召喚出来る魔物は何かな?」


「マスターのレベルが5に上がったのでオークが召喚出来ます、他には角兎ですね。オークが1万ポイント角兎が3千ポイントです。召喚しますか?」


 ここが悩みどころだ、俺は使い捨てって奴がきらいなのだ。大事に育てて戦力にするのが無駄が少なくて良いと思う、日本人だから勿体無い精神が染み付いているのだ。

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