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斜め上のダンジョンマスター  作者: ぴっぴ
第1章 ダンジョンマスターボッチ編
5/45

第5話 ゴブリン釣り?

 全員集合~!


 「番号~!始め!」


 「・・・・・・」


 「良し全員そろったな、只今より作戦を開始する。総員戦闘配置につけ!」


 「何してるんですかマスター、ゴブリンに噛まれて狂ったんですか」


 「狂ってね~から、今日から真面目に異世界で戦っていこうと思ってやっただけだ。因みに部下はスライム1匹だけなので俺を入れて総員は2名だな。いや1人と1匹なのか? まあいいや、どうせ勢いだけでやってるだけだしな!」


 昨日ゴブリンに噛まれて痛い目をみた俺は心を入れ替えたのだ、現実逃避をしていると又痛い目を見てしまう、治るならかまわないが手や足が吹き飛んだりしたら大変困るのだ、だから俺はポイントを貯める。しかも出来るだけ安全にだ。良く考えたら・・・・・・嫌、よく考えなくても分かるがここは異世界だ、オマケに俺は洞窟から出られない、つまり自分より強そうな相手が来ても逃げられないのだ。あの性格の悪い邪神が強い魔物でも送り込んで来たらそこで俺は終わりなのだ。だから俺は強くなるしかない、ゴブリンに噛み付かれただけであんなに痛いのだから、ワニみたいな奴に噛まれたらショック死するかもしれん。


「よ~し、コア! さんまを3匹出してくれ」


「3匹もなにするんですか? 食べすぎです」


「こいつを焼いてゴブリンをおびき寄せる、多分煙と匂いのせいで昨日のゴブリンはこの洞窟に来た様な気がする」


「いやいや洞窟じゃありませんから!ダンジョンですから!」


 ここの所ろ平和に暮らして居たのだが、昨日サンマを焼いた所にゴブリンが来たのは偶然では無いような気がする。特にゴブリンは俺を全く無視してサンマばかりを見ていたのだ、腹が減っていたのかも知れないがゴブリンは焼いた魚が好物なのかもしれないと思ったのだ。そうなれば早速実験だ、気になることは直ぐに実行、失敗すれば次の手段に移行すれば良いのだ失敗って奴は成功するためには重要な事なのだ。


「うへ~、煙い!」


 6畳の広さの洞窟で焼くサンマは強烈だった、直ぐに周りが見えない程の煙を出すのだ。今回は団扇を100ポイントで手に入れているのでパタパタ仰いで煙を洞窟の外に扇ぎ出す。


「換気扇が欲しいぜ」


 換気扇って昔の人がサンマを焼く煙を何とかしようとして考え出したのかも知れないな~等と下らない事を考えて居たら早速お客さんがやって来た。


 ぐぎゃ!


「敵侵入! 敵侵入! 直ちに迎撃して下さい!」


「へへへへ、釣れたぜ! 予想どお・・・・・・あれ~?」


 ゴブリンが釣れたのだが、予想に反して3匹一度に釣れた! 昨日が1匹だったから今日も1匹だと思い込んでいた自分が情けない。


「ポヨポヨ! ゴー!」


 小さくて動きの早い相手3匹に一人ってのは辛いので、散々贅沢させて大きくなったポヨポヨにも戦って貰う事にした。あいつは最近では大きく成って抱えるのが大変な位重くなっているのだ。

 ポヨポヨがゴブリンと戦っている隙に俺は事前のシュミレーション通りに棍棒でゴブリンをぶっ叩く。手加減なしの棍棒は凶悪な破壊力で一撃でゴブリンの頭を粉砕する、さらに雑魚キャラらしく、仲間がやられていてもサンマにしか興味を示さないのでたやすく次のゴブリンもぶっ叩けた。


 グギャ!ググギャ!


「頑張れポヨポヨ!負けるな!」


 もう1匹の方を見ると何とポヨポヨがゴブリン相手に健闘していた。ゴブリンを食おうとしてゴブリンの体を半分位取り込んでいるのだ、ゴブリンは必死になって逃げようとしているが、スライムには打撃は殆どきかないので苦戦している様だ。


「ほいよっと」


 ゴブリンの頭を殴って気絶させる。そのまま応援していても良かったが、俺のサンマが焦げてしまうのでて早く片付けたのだ。


「ポヨポヨ! 確かスライムの最凶攻撃って奴は相手の口の中に入って窒息死を狙うって書いてたぞ」


 ネットの情報では確かそんな事を言っていた様な気がするのでポヨポヨに教えてやった。すると俺の言うことが分かるのかポヨポヨは気絶したゴブリンの口を塞ぐ様に移動していった。後は見ているのが結構えぐいので省略する。


「マスター、そのスライムの名前はポヨポヨじゃなくてブルーなんじゃないですか?」


「まああれだ、ブルーから進化してポヨポヨになったんだ。人の話が分かるみたいだから良いんじゃないか」


「しかし一度に3匹も来るとはな~、想定外が続くとヤバイよな。常に最悪を想定してないと危険なんだなこの世界」


 どうも俺の見込みって奴は甘い様だ、この世界の事を知らないのだから正確に予測する事が不可能なのは当たり前だが、自分の安全に直接影響が有るのだから最大限に安全策を取る必要が有るようだ。例えばさっきのゴブリン3匹の代わりにオークが3匹だったら俺は負けいたかもしれないのだ、さらにあれがオーガだった場合は確実に俺は死んでいたハズなのだ。そしてあれがドラゴン3匹だったら・・・・・・な~んてな。入口が狭くて大型の魔物は入ってこれないからそこまで心配する必要は無いのだが、熊が入って来ても大丈夫な位には準備する必要はあると思う。


「お~いコア、部屋を1個増やすのは何ポイントだ?」


「1階層なら1万ポイントで増やせます、地下に広げる場合は10万ポイントになります」


「よ~し、後少しだな。おじさん頑張っちゃうぞ~」


 その日俺はひたすらサンマを焼いてゴブリンを11匹撲殺した、ポヨポヨも意外と健闘して2匹のゴブリンを仕留めてレベルアップしていた。大量に出来たサンマの塩焼きはポヨポヨが全部食べてしまった。魚を食べたせいなのかポヨポヨは更に賢くなった様な気がする。


「お~いポヨポヨ、寝るぞ」


「・・・・・・」


 ポヨポヨはすかさず地面に広がってマットレス状態になってくれた。魚とゴブリンを食って更に大型化したポヨポヨの寝心地は素晴らしかったが少し魚臭かった。

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