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斜め上のダンジョンマスター  作者: ぴっぴ
第3章 戦うダンジョン編
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第40話 戦闘準備

 魔族の国を攻撃した俺は現在絶賛仕事中なのだ。相手を攻撃したので当然反撃される、そこで迎撃準備って訳だ。殴れば殴り返されるのは当たり前の事なのだ、自分だけが有利とか自分だけは安全と思うほど俺は夢想家ではない。ということでダンジョンの主力メンバー達と会食中なのだ。


「マスター、私もそれ食べたいです」

「私にもくれ! 何だそれ、何時ものハンバーグと違うじゃないか」


「何言ってるんだ、お前達は肉が良いって言うからステーキやっただろ!」


「邪王様、こやつら邪王様に口答え等生意気です、消し飛ばして宜しいですかな」


 俺とコア子とバル子、そして新参のキングにダンジョン防衛軍の将軍グロリアの5人で会食中なのだが、皆で同じものを食べるのも面白く無いので、それぞれが好きな物を作ってやったのだが、コア子とバル子が俺が食っていたデミハンバーグを見て欲しがるのだ。アイツ等は見た目は凄く美人なのに食い意地が張っていて何でも食いたがるから困っているのだ。因みにコア子とバル子はステーキ、キングはお好み焼き、グロリアはエビフライを希望したのだ。


「聖者様、このエビフライは最高です、白いソースがおいしゅうございます」


「その白いのはタルタルソースって言うんだ、エビフライや魚のフライに良く合うんだよね」


「ところで、何か大事なお話が有るのではございませんか?」


「うむ、それなんだが・・・・・・」


 姫将軍のグロリアは非常に賢い、会食の意味をちゃんと分かっているのだ。やはり生まれつきのチート能力持ちは頭も見栄えも俺とは違う様だ。


「魔族の国を攻撃して来たから警戒してくれ、スゲ~怒って攻めて来るからな!」


「エ~!いきなり何やってるんですかマスター」

「へ~やるな!」

「素晴らしいです! 聖者様」


 グロリアは身内や国民を虐殺されている上に今でも魔族の襲来を受けているので、魔族の国を攻撃した事に大喜びだった。そしてコア子はダンジョン内で魔族を殺さなければポイントに成らないので外部で魔族に攻撃をするのは反対の立場なのだ。そしてバルキリーは元々オーディンの部下、オーディンと言えば戦神、つまり脳筋の部下なので同じく脳筋なのだ、派手な事と闘いが3度の飯と同じ位好きな奴だった。そしてもう一人の相棒キング、こいつは何故か俺の事を尊敬していて俺のする事には何でも賛成、協力するのだ。そして俺が何を言いたいかと言うと・・・・・・こいつらの意見は全く役に立たないのだ。冷静に状況を判断して助言してくれる様な奴はゼロだった。

 なので俺は簡単に報告して、これから魔族に用心するようにいう事しか出来なかったのだ。そして俺は俺なりにダンジョンを強化して魔族に備える。具体的には階層を深くするぐらいしか使用が無いのだ。


「マスター、どう強化しますか?」


「そうだな・・・・・・」


 地下2階層と地下3階層は人間と獣人・亜人達に任せているので、後で強力な武器でも渡せば直ぐに戦力の強化が出来る。そしてそこが突破された場合は、俺はとても困ってしまうのだ。だからダンジョンを深く広くすることにした。


「マスター、マジですか?」


「マジ! やっちゃってくれ」


 ダンジョン21階層、ここは砂漠にした。一面の砂、生き物無し。気温50度・湿度0%。魔物が居ないので経験値も食料も得る事が出来ない、人間でも魔物でも砂に足を取られて歩きにくい事この上ない。そして移動するには暑くて大量の水が必要なのだがこの階層には水は1滴も無いのだ。そして俺はジャンジャンポイントをつぎこんでこの砂漠を出来るだけ大きくしたので、入り口から出口までは300キロ位ある極悪な部屋になったのだ。ここを渡るには昼しか無い砂漠を300キロ横断するしか無いのだ、そして横断しても魔物もいないし、宝箱も当然無いのでここは疲れるだけで経験値は無しという挑む者には損しかない非情な部屋だった。


「凄い階層ですね、苦労するだけで全く儲からないとか」


「うむ、名付けて『ブラック・階層』。疲れるだけで金に成らない会社みたいなところだ、こういう所には関わり有ったら負けなのだ、近づいたら酷い目に合うのだ」


 そして次の地下22階層は海にした、見渡す限りの海。そして生き物ゼロ!果てしなく広い海が広がってるだけ、泳いで渡るしかない階層だ、ここまで船を運んでこれたら大したものだと思う。


「ここも酷いですね、塩水が広がってるだけとか」


「うむ、ブラック企業に係わると次もブラック企業に引っ掛かるので、こういう風に創って見たのだ」


 そして俺はダンジョンレベルが上がる度に、ただ広くて進むだけ無駄な階層を創り続けていた。俺が冒険者だったら疲れるだけで全然儲からないどころか、使った物資と時間が損をする階層に嫌気がさして帰ると思う。


「マジ嫌な階層ですね、メリット0です!」


「いやいや、ゼロどころかマイナスだからな! 来るだけ無駄!」


 俺とコアはこうしてダンジョンの戦闘力を上げていっていた。勿論、最深部には俺の部屋。そして俺の部屋の前にはキングが守る守護者の部屋が有る。幾ら強くても無駄、だって敵が居ないダンジョンだからね。そして最初の階層で防衛しているのはダンジョンに居候している人間と獣人達で、俺には関係無い人達なのだ。そして俺の身内はダンジョンの最深部、地下24階に住んでいた。


 ダンジョンを強化し続け1週間目、とうとう魔族が大挙してダンジョンに押し寄せて来た。やっと俺の攻撃に気がついたというよりも、他に攻撃する目標が無いのだろう。地上にまとまった数の人間や獣人達の街や村はすでに全て破壊されていたのだ。


「マスター、敵襲です。凄い数の魔物と魔族がダンジョン入り口に着ています」


「やっぱり来たか、迎撃準備だ!」


「「「了解!」」」


 今回の魔族は本気でここを攻撃するつもりみたいなので、俺達も地下2階層にあがりグロリア将軍の手伝いをする、ただしキングとポヨポヨ達は人間達に見せられないのでボス部屋で待機してもらう事にした。


「キング、ポヨポヨ、留守番頼む。危なくなったら逃げて来るからな」


「吾輩も邪王様と一緒に闘いたいのですが、仕方有りませんな」


 さてどうやら魔族と決戦の様だ、どっちが強いか勝負だ。


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