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斜め上のダンジョンマスター  作者: ぴっぴ
第3章 戦うダンジョン編
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第27話 マスターVS勇者 その1

 俺が平和に暮らしていたら勇者が攻めてきた、俺は平和を愛する心優しい人間なのだが、降りかかる火の粉は払わねば成らない。そこで俺は渋々戦うことを選んだのだ。だがいきなり相手に襲いかかっては沽券に関わる、俺は親切な人間だから相手に警告してあげることにした。


「邪神の下僕のクソ変態野郎~!! 何しに来やがった~!」


「何だと~! ジジイ!」


 勇者の顔を見たらムカついたのでつい地が出てしまった、ここは少し冷静になるべきだな。うん。先ずはよく相手を見なくては、そして相手の戦力を冷静に分析して隙を突いて倒すのだ。

 

 す~は~す~は~・・・・・・深呼吸して血圧を下げて、相手を分析っと。


 ふむふむ、5人でチームを組んでる様だ。あれか? ラノベのダンジョン攻略チームって奴か? 愛と勇気と合体パワーでダンジョンを攻略するっていうチームなのか! クソ~俺なんかボッチで穴の中に捨てられたと言うのにあの変態野郎は仲間とか持っていやがるのか~クソっ! 羨ましいぜ。いやいやイカン! 冷静になるのだ、分析するのだ! す~は~す~は~ 先ずは勇者のクソ野郎、後は魔道士と僧侶、それに壁役の重騎士、そしてハンターか盗賊っぽい奴だな。ごくオーソドックスな攻略チームだ。


 地下2階層で睨み合う俺と勇者チーム、それを住民が見守っている。相手はバル子とコア子より強いチームだ俺がここで戦えば秒殺だな、勿論俺はこんな所で戦う気は無い。先ずは先制口撃で相手の出鼻を挫くのだ、相手は引きこもりのニート野郎だ、俺が口で負ける訳は無いのだ。


「平和を愛する我の町に何をしにきたのだ! 邪悪なる者共! 早々に立ち去るが良い」


「貴族軍を殺して住民を奴隷にしている癖に何を言う! 貴様こそ魔王の配下だろう!」


「くくくく、邪神に騙された愚かなる者共、周りを見てみるが良い、人も獣人も平和に暮らしてる様子を。そして邪悪なる貴様らに向けられる憎悪の目が分からんのか! この引き篭もりのロリコンニート野郎!」


「お、お、お、俺はロリコンじゃね~!!!」


 まずは町の住民の前でレッテル張に勤しむ、俺が正義で相手は悪っていう事を印象づけるのだ。そしてついでに相手を挑発して冷静さを失わさせる作戦だ。しかしまあ、こんな安い挑発に乗るとは馬鹿な奴だ、おれなら相手が喋ってる途中に全力で攻撃するのだがな。


「魔導士も僧侶もつるペタの餓鬼ではないか! 戦いにロリ少女を連れて来ているのが貴様のロリ変質者の証拠だ! この変態ニートめが!」


「違う! お、俺は変態じゃねー! 勇者なんだぞ。偉いんだぞ!」


 おほ~、この餓鬼一々反応しやがる、からかうと面白いぜ。よし、変態をもっと怒らせてみようかな。周りの人間やチームの人間も勇者が焦るので、だんだん勇者を疑う様な感じになってきた。こういう場合は悠然と構えて笑っていれば良いのだが・・・・・・もしかして過去の行動が悪いので以前から疑われていたのかな?


「ふっふっふ、これを見てみろ!」


 ボイン!ボイン! ぷるん!プルン!


「な! 貴様~!!」


 コア子の立派な胸を掴んで揺らしてみる、ついでにバル子の引き締まったお尻もパチパチ叩いてみる。うむ、両方とも素晴らしい弾力だった。


「これが良い女って奴だ! 所詮変態童貞野郎には分からないだろうがな! ウエッ~ヘッヘッ!!」


「クソ~!!!」


 完全にクソ勇者が怒った様だ、言葉が出なくなったから本物だな、ここらが潮時だろう。いま攻撃を受けたらやばそうなので逃げる事にする。だが逃げるにしてもスタイリッシュに逃げなくてはな! おれは偉大なる正義の大賢者様なのだ。


「ククククク、我と闘いたくば、最深部。地下10階層に来るが良い! 邪悪なる童貞勇者よ!」


「き!き!き!!!!!!!」


 いきなり勇者から攻撃魔法が飛んできたので、2人を連れて地下11階層に転移する。あいつが呑気な性格で助かった、まあ冷静だったり有能だったら引きニートなんかに成って無いのだから、ここは予測通りってやつだな。


「マスター、どうするんですか?」

「勝ち目は有るのか? 私達2人でも勝てないのだぞ!」


「それを今から考えるんだよ、そもそも何でお前ら勝てないんだ?」


 勿論俺に勇者をやっつける方法なんて分からない、第一何故コア子やバル子が勝てないのか分からないからだ。一番困るのが相手のレベルが非常に高くてこちらが手も足も出ないって事だ、その場合正面から戦わずに逃げ回るしか生き残る方法は無い。


「それが、私たちの魔法が阻害されるのですわ。威力が無くなると言うか、相手に吸収されるというかんじですかね」

「そうなのだ、魔法が効かないから接近戦で勝負をつけようとしたのだが、勇者に近づくと力が抜けてしまうのだ」


「ふ~ん、魔法攻撃を吸収もしくは無効化、そして近づくとバル子の力が抜けるのか・・・・・・」


「バル子って身体強化魔法って使ってるのか?」


「当然使っている、戦う時の基本だな、それに防御魔法も同時に使って戦ってるぞ」

「私も、強化魔法と防御魔法を使って戦っていますわ」


「多分魔法を阻害するか吸収する能力を持ってるんだろうな、あいつも俺と同じ異世界人だから変な能力を持ってるハズだ」


 相手を鑑定とか出来れば良いのだが、そんな便利なものは無いから状況から推測するしかない。ここにネットが有れば世界中の連中に聞けば色々な意見が聞けるのだが、ここはネットに繋がっていないのだ。あ~ネットが欲しい! 頭の良い人達カモン!


「魔法関係が使えなくなると私、戦力がガタ落ち、多分1割位の力しか残らないと思います」

「私も魔法関係を全て封じられると戦闘力は1割あるか無いかって所だな」


 俺の最大戦力が魔法頼みだったとは意外だったが納得だ、そもそも小柄なねーちゃんが強いのがおかしいのだ、魔法でも使わなければ大型の魔物等に勝てる訳ないのだ、つまりこの世界は魔法って奴に強くなる秘密が有る訳だ、だから魔法を吸収したり阻害する勇者の能力がチート級になる訳だな。


「どうするマスター、何か良い方法はないのか?」

「このままでは負けてしまいますマスター」


「今から考える」


「え~!! 今から~! とっくに勝算が有ると思っていたぞ」


 勝算なんて有る訳ない、大体相手の能力を今知ったのだ、チート能力を持ってる事は予測出来たがどの様な能力かは知らなかったのだ。


「取り合えず、地下4階層の罠で様子見してみよう、見ながら勝てそうな方法を考えよう」


「落とし穴で死んでくれれば良いのですが」

「まあ無理だな、あんな罠に引っかかるのは魔物だけだろうな」


「お前達も真面目に考えろよ、俺が負けたらお前達2人はあの変態の玩具だからな、毎日変態に奉仕させられるぞ。彼奴は奴隷が好きそうだから強制奉仕だな!」


「うわ~! 想像しただけで気持ち悪いです。私負けたら舌をかんで死にますから」

「私も負けたら腹を切って潔く死ぬとしよう」


 俺達3人は地下最深部で悲壮な覚悟を持って勇者と戦う方法を考える事にした。状況的には非常にやばい感じだった。





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