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斜め上のダンジョンマスター  作者: ぴっぴ
第3章 戦うダンジョン編
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第26話 ダンジョンマスター目覚める

 なんでも上の方は住民が増えて大変なんだそうだ、人が増えれば不満も増えるしストレスも増えてくるのだから当然なのだが、ダンジョンマスターのコアは人間達に泣きつかれて大変らしい。

 人間や動物は単位面積当たりの許容量が決まっていて、それを越すと増えなくなったり互いに殺し合ったりして数を調節するように出来ているのだがコアはそんな事は知らない様だ、だんだん荒んでゆく町に困ってるようだ。

 まあ俺には関係無い話だな、俺は最下層でスケルトンと今日も遊んでいるのだ。今日はボーリング大会なのだ、ダンジョンレベルが上がったせいなのか俺も土魔法が使える様になったのでボーリングのピンやボールが造れる様になったのだ、色々造って遊んでいたのだが折角なら遊び道具を造ろうと思ってボーリング場を造ったのだ。


「マスター、人間や獣人達が増え続けて居ます。良いのですか?」


「良いんじゃないか、ポイントが儲かるからな」


「最近人間達が荒れてきてる様ですが、いかが致しましょう?私の指示も聞かない様になりました」


「そりゃあそうだ、人間は群れると無秩序になるのだ、カリスマを持ったリーダーがいない限りまとまらないからな。予測の範囲内だな」


「カリスマ? 何ですそれ」


「人の上に立つべき資質って奴だ、珠に存在する能力の事だ。これがない人間は上に立っても人が着いてこないのだな」


「マスターなら出来るのですか?」


「当然だな、色々なやり方が有るのだ。誰でも出来る簡単な方法から難しい方法まで色々な」


「では・・・・・・」


「嫌だ! やらないからな、メンドくさい!」


 今現在も俺は絶賛引き籠もり中だ、スケルトン達と遊ぶのも飽きてきて前より更に世界を爆破したく成って来ているのだ。今なら女神に誘われたら勇者にでもなって、国の金を持ち逃げして遊びまくるか、魔王に寝返って人類滅亡の手助けをした事だろう。


「しかしまあ、そんなに何時までも怒れるもんだな、感心するぞマスター」


「ふふん、俺の心には怒りの無限増殖炉が有るのだ。何時までも怒ってやるのだ!」


 まあ実際のところ最下層でスケルトンと遊ぶのも飽きてきたし、面白く無いので益々世界を爆破したいのだ。早い話が面倒なのだ、生きるのに疲れたって感じだ、生きるって奴は努力しなけりゃならないからめんどくさくなるのだ、努力しなくて生きられると楽そうだが、今度はそれはそれで面白くないから余計ややこしい問題なのだ。知能が激低でご飯を食べてTVを見るだけで満足出来れば幸せなんだがな、あれはあれで才能かも知れんが俺には無理だ。


 警告! 警告! 全住民は家に入って下さい! 敵襲です! これよりデフコンⅢに入ります!


 ダンジョン内に警報が鳴り響き内部が赤く照明されている、敵襲みたいだ。前回の貴族軍との戦闘から約2カ月、随分のんびりした報復攻撃だなって思った。相手も人材不足か金が無いのかも知れないな、余裕が有れば直ぐに貴族軍壊滅の報復戦を仕掛けてたはずだ。


「マスター、どうする? 指示は?」


「お前が行けば良いんじゃね? 殲滅してこいよ」


「分かった! 行って来る」


 バルキリーとホルムンクスがこのダンジョンの最大戦力なので、あの2人に任せておけば良いのだ。裏を返せばあの2人が負ける様ならこのダンジョンは終わりって事だ、実にシンプルな作戦だった。俺とスケルトンは最深部で2人の活躍を応援しておく事にしよう。


「全員集合~!!! 皆でバル子とコア子が敵を蹴散らす所を見ようぜ~!!」


 ピ~!ピ~! パフパフパフ!!!ドンドンドンドン!!


 最下層で俺達は彼女達が敵を蹴散らす所を見て楽しむ事にする、節約を辞めた俺は最下層に発電機と40インチのモニターを置いて、地下2階層に取り付けた監視カメラの映像を見れるようにしていたのだ。


「おやつはポップコーンな! ポヨポヨも合体を解いて良いぞ」


 普段はスケルトンに合体しているポヨポヨ達、ご飯の時間には合体を解いて俺の周りに集まって来るのだ、池の鯉やカモメなんかに餌をやるのと同じだな、沢山集まれば集まるほど楽しいのだ。

 普段はスケルトンに合体しているせいで分からないが、ポヨポヨは分裂を繰り返して大変な数に成っていた、元は1000ポイントで出したテニスボール大の魔物だったのに、今では床を埋め尽くす程の数なのだ、大きさも50キロ位有るのが100匹位居るので合わせれば5トン、像並みの重さだった。


 テレビを見ながらポヨポヨ達とポップコーンを食べてコー〇を飲んでいる、気分は映画観賞だ。画面に出て来る登場人物達も金髪やら銀髪はたまた赤毛だったりするので外国のファンタジー映画を見てるような気分だった。


「うほ~! バル子は性格は悪いが、身体だけは良いな!」


 パフパフ!!


「あとは音だな、画像だけじゃ面白くないな! 音が無いと面白さが半減してしまうな~」


 ドンドンドン!!パフパフ!!


 律儀に俺の話に反応してくれるスケルトンやスライムと共に画面を見ていたのだが、何やら様子がおかしい。バル子とコア子が居るのだから一瞬で勝つと思っていたのだが、何やら苦戦している様な・・・・・・


「いやいや、まさかな。ワザと苦戦している振りをして客受けを狙ってるんだよな! アザトイ奴らだぜ」


「・・・・・・パフ?」


 何だか益々押されている様な気が、気のせいかコア子とバルキリーが魔法を使っていない様な。その癖相手は魔法をバンバン撃ってる様な気がする・・・・・・いや気がするんじゃなくて、見た通りだわ。


「やばいじゃ~ん、4千6百万ポイントが負けるとか計算外だよね。俺達が幾ら頑張っても勝てないよな!」


「・・・パ・・・フ・・・」


 地下でテレビを見ていた俺達は2人が苦戦している画像を見てお通夜状態になっていた。俺達全員で掛かっていっても3分で負けてしまう相手が勝てないのだ、俺達にどうにか出来る相手じゃなかった。


「どうするかね~? 遺言状でも書くかな、逃げる? 逃げられないしな~」


 警告! 警告! 現時刻を持ってデフコンⅣを宣言します! デフコンレベルⅣです!


 いよいよヤバく成って来たらしい、相手を脅威と認めて、デフコンレベルを上げたようだ。まあ俺に出来る事なんて知れてるから慌ててもしかたないな。何もかも面倒なので大人しくやられてやろうかと思っていたのだが、モニター画面に映っていた相手の顔を見て考えを変えた。


 そこには半年前一度だけ会った異世界人の中の一人が映っていた、名前は知らないし覚えても居ないが顔だけは覚えていたのだ。


「あのクソ野郎が居るって事は、この侵攻は邪神絡みって事か!」


 俺は今いる不満の原因を再び思い出した、こんな地下に閉じ込められた事、魔物に噛まれて痛かった事、変なレトルトばかり食ってた事、ネットも見れない事、好きな音楽も聞けなく成った事、大金を掛けて押し入れに集めたプラモを見れない事・・・・・・今まで不自由してきたり、頭に来たことの全ての元凶の子分を今見つけたのだ。俺の胸のエンジンは再び回りだしたのだ。


「絶対に負けてやらね~からな、女神の子分をぶち殺す!」


「野郎共! 総員戦闘準備! あのクソ野郎をぶちのめすぞ!!!」


 パフパフパフパフ!!!ドンドンドンドン!!!


 俺は再び攻撃目標を見つけてしまった、すべての能力を使って邪神の子分をぬっころすのだ。


「直ちに戻れコア! バルキリー! これはマスター命令だ!」


 2人に勝手に死なれて貰っては困るので呼び戻す、無駄に戦力を減らす事はない。力で勝てないならば違う方法で勝てば良いのだ。







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