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斜め上のダンジョンマスター  作者: ぴっぴ
第2章 笑うダンジョンマスター編
13/45

第13話 アーサー達がやって来た

 アーサーを助けてから3日後、俺は暇をしていた。具体的にはする事が無いのでダンジョンの最奥でモン○ンをしてたのだ。


「わ~畜生! 全然良い護石が出ね~」


 火山地帯で採掘をしまくっているのに碌なものが出てこないのだ、最初の頃は良い物が素直に出てきたのに後に成程出なくなるのだ。物欲センサーと言う人も居るが俺はプログラムに仕込んでいるのでは無いかと思っていた。


「なあコア、次の階層は洞窟にしようか? 採掘する階層にしようぜ、石ばっかり出てくる嫌な階層にな」


「ひねくれてますね、マスター。そんなんじゃ客は来ませんよ、良い宝石やオリハルコンとか出ないと」


「良い物が出る採掘ポイントってお高いんだろ?」


「高いですね、1000ポイントガチャの採掘ポイントは最高で鉄鉱石ですね、1万ポイントガチャの採掘ポイントなら最高で銀鉱石、10万ポイントガチャなら毎日掘ってれば1年に1回位オリハルコンが出るかもって感じです」


「宝くじ並に希望がね~な、嫌なシステムだぜ」


 採掘ガチャの嫌な話を聞いた俺は気分転換の為に2回層の畑に水やりに出かけた。ここの畑では薬草や毒草を育てているのだ、育てた薬草でポーションを作ったり、狩りに使う毒薬等を作っている。これもポイントを節約して生活する為なのだ。


「マスター、侵入者です! アーサーが来ています」


「もう来たのか早いな。そう言えば街からここまで1日位の距離って言ってたな。そうすると距離的には20~40キロ位なのかな?」


 取り敢えず様子を見に行ってみる、冒険者とかを連れてダンジョンの攻略に来たのなら迎撃しなくてはならないのだ。出来る事なら俺に人間を殺さないようにさせて貰いたいものだ。


「こんにちわ~! 賢者様~! 居ませんか~!」


「よお、大声出さなくても良いぞ。来たら分かるからな」


「ほえ~流石は賢者様」


 薬草の水撒きを止めて、1階の洞窟へと歩いてゆく。手にはジョウロを持っているがまあ良いだろう。危険を感じたら直ぐに地下に逃げ込む為に警戒は一応している。スケルトンmarkⅡとmarkⅢも階段を降りてすぐの所に待機している。


「で? どうしたんだ」


「俺ゴブリン持って来たッス。賢者様、カレーと替えて下さい。お願いします」

「お願いします!」


「ほえっ!」


 いきなりもう一人が現れた、何時のまにかアーサーの隣に立っている。手にはゴブリン2匹を縛った紐を持っている。腰に剣を差していてアーサーより強そうだ。


「誰だ此奴!」


「あっ、こいつは俺の妹ッス。冒険者ッス」


「お初にお目にかかります、アーサーの妹のグロリアです。冒険者してます、ランクはCです」


 アーサーの妹のグロリアは兄貴よりも大きかった、身長は165センチ位で金髪、引き締まった体だが胸は大きかった。兄貴のアーサーは160センチ位で痩せて頼りない感じだったので意外だった。


「妹の方が大きいんだな」


「そうっす、俺は冒険者ランクFなんすけど、何故か妹は俺より強いっす。ゴブリンも妹に捕まえて貰ったッスよ。俺にはゴブリンを捕まえるのは無理っすから」


 俺の中ではアーサーの妹は小さくて弱くて守るべき存在って勝手に考えていたのだが、実際は兄より大きくて強い存在だった。又もや俺の予測は盛大に外れた。しかし、異世界だけは有る、引き締まった体だが手足が長くて抜群のスタイルに巨乳とは・・・・・・もしかしたら、異世界は良い所かも知れんな。


「来いよ、カレーと替えてやろう。ついでにお茶を出そうではないか」


「良いんすか? 流石賢者様、太っ腹ッス!」

「有難うございます、賢者様」


 久しぶりに見た女の子に癒された俺は大変機嫌が良い、誰も居ない殺伐とした穴の中に綺麗で巨乳のネーチャンが来たから。いや~癒されるな、俺は人間は嫌いだが綺麗なネーチャンは大好きなのだ。


「まあ飲めよ、食えよ」


「何すかこれ? この間の奴と違うッス」

「不思議な食べ物ですね」


「これはエクレアって言う甘い食べ物だ、疲れた時に良いのだ」


 俺は綺麗なネーチャンには甘いのだ、特に巨乳は大好きだ。だからエクレアを出して俺の好感度を上げるのだ、生活の知恵って奴だ・・・・・・チョット違うかな?


「ヒヤ~! 甘いっす! スゲー高級品ッス」

「うわ~! お貴族様の食べ物ですね!」


「喜んで貰えた様で何よりだ。遠慮せず食うと良かろう」


「賢者様って貴族様だったんですか? 高級品ばかり食べてますよね」


「いや全然、俺は質素な平民だったぞ」


「ハハハハ、又々。平民がこんな高級品知ってる訳無いっすよ。カレーとか大貴族の食べ物ですから」

「アタイの見立てでは賢者様は伯爵様位偉かった様に見えるね! 何となく育ちが良さそうだもの」


「はははは、そうか。もっと食え、もっと飲め!」


 この兄弟の目は節穴だった、底辺生まれで天邪鬼の俺を貴族と間違えるとは馬鹿に違いない。でもまあ、良く言われると中々気持ちの良いものだった。そのせいなのか、はたまたグロリアの揺れる巨乳のせいなのか、気がついたら又宴会になっていた。今回はグロリアが居るので風呂まで使わせる大判振る舞いだ。


「ひや~、快適な洞窟っすね! 俺の宿屋より設備が良くって食物が美味いッス!流石は賢者様っす!」

「もう最高! アタイこの洞窟に住みたい位」


「そうか? 気に入ったら又遊びに来ると良いぞ。今日は泊まって行くが良い」


 風呂に入っていい気分になった俺はビールを飲んで飯を食ったら眠くなってきた、そこでアーサー兄弟もダンジョンに泊めてあげたのだ。ここで兄弟に悪意が有ったなら俺は殺されていたかも知れない、だがその時は良い考えだと思っていたから怖いものだ。


「おはよう、ございます賢者様。泊めて下さって有難うございます。静かでよく眠れたっす」

「あはようございます賢者様、洞窟って外より涼しくて快適です、虫も居ないし最高の夜でした」


「うむ、そう言われてみればそうだな。又来るが良かろう」


 アーサー兄弟に約束通りゴブリン2匹分、カレーを2個お土産に持たせてやった。そして更にオマケとしてグロリアに食パン1斤をやったらとても喜んでいた。ピョンピョン飛び跳ねるとぶるんぶるん揺れて凄かったので、次に来たら食パンをもっと上げようと思った。


「儲かりましたねマスター」


「色々食わせすぎたかな、大して儲からなかっただろ?」


「2人が泊まったから、2人分のポイント1500ポイントが入りましたよ。それにゴブリン2匹分で6000ポイントです」


「人間が泊まるとポイントが入るのか?」


「人間がダンジョンに入ると徐々に体力や魔力を消費して24時間で本来のポイントの1割が入手出来ます、因みにグロリア嬢が1200ポイント、アーサー君が300ポイントでした」


「ということはアーサーってゴブリン並の強さで、グロリアちゃんはオークより強いって事なのか?」


「その通りです、この入手ポイントから侵入者の強さが分かります」


「へ~、色々な決まり事が有るんだな。あいつ等泊めて良かったな。その内このダンジョンで宿屋でもするか? 色々儲かりそうだ」


 アーサー兄弟を泊めた事で、ダンジョンポイントの別の貯め方が分かった。上手くいけば生き物を殺さずにダンジョンポイントを貯めて生活出来るかも知れない。ほんのチョットだけ未来が明るく成った様な気がする。

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