台湾の有名な武器名を使ってみてどうですか ~ファンタジーの武器名で悩んでる貴方に~
ファンタジー小説を書く時、技名や武器名について悩んだことがありますか?
私はあります、それも何度も。
小説においてオリジナリティは肝要、既に使い古したものは使いたくありません。
しかし歴史のある名前はその分だけ、分かりやすいカッコよさがある。
エクスカリバーはビーム兵器。バーサーカーは死ぬ。
如意棒は伸びる。私の小説も伸びればいいな。
ロンギヌスの槍は聖遺物、貫けぬものはない。
といった感じで、たとえカタカナの羅列でもその歴史があるからどういう武器か一目で分かるのです。
そのため、物書き達はギリシャ神話、聖書、ケルト神話、インド神話など、世界中の色んな伝説から強そうな武器を引っ張り出します。
しかしやっぱり他の作品と被るのが嫌なのが物書きの性です。
もうギリシャもケルト神話ネタは飽き飽きだっていう方も居るのではないでしょうか?
そこで、台湾、もしくは中国の有名な武器名を使ってみてどうですか、と。
私自身は台湾人であり、折角のバックボーンですから活かせない理由はないかと、いつもどうやって自分の小説に台湾の要素を入れるのに腐心しています。
世界的にから言えば中国や台湾の伝説は知名度において、ギリシャやケルト神話に劣るかもしれませんが、二つ大きなメリットがあります。
まず一つ目、何といっても、漢字があります!
たとえ元ネタなど知らなくとも、漢字を見れば大体どういう武器か分かりますし、カッコよさも感じられます。
良い例として、《Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀》という作品があります。これは日本のニトロプラスと台湾の人形演劇制作会社の合同映像企画です。
脚本である虚淵玄さんは日本人ですが、作中で使われた武器名、技名は実に中国風で、しかも日本人でも分かるようなカッコよさがあった。
たとえば「天刑劍」、「丹輝劍訣・飛霞行月」、「天霜・煙月無痕」など。
同じく虚淵玄さんが執筆したアドベンチャーゲーム《鬼哭街》も同じです、「六塵散魂無縫剣」に痺れる人も少なからずいるのでしょう。
勿論これらはすべて虚淵玄さんのオリジナルですが、知らない人から見ても、漢字の羅列だけでカッコよさを感じられませんか?
そして二つ目のメリットは、異文化感があります!
ハイファンタジー小説の多くは、中世ヨーロッパをモチーフにしています。
そこにアジア元素を入れれば、キャラクターのいいアクセントになります、黒髪黒目しかり、日本刀しかり、そして中国風な名前もまたしかり。
故に、この場を借りて台湾もしくは中国の伝説、フィクションに出てる有名な武器を紹介したいと思います。
勿論前述の通り、如意棒など元は中国神話だけど、すでに日本では慣れ親しんだ武器名の一つでもあります。
干将・莫耶と方天画戟を知ってる人も多いでしょう。そういうのは、省略します。
少しマイナーかも知れませんが、漢字がカッコよくて、異文化感があるのを(私見的に)ピックアップします。
ちなみに一部はすでに私の小説に使われていますので悪しからず。
屠龍刀
【極めて重い片刃の大剣】
持ち主に武林(武人の社会)を統べる力を齎す武器。
倚天剣
【切れ味が凄いの長剣】
屠龍刀と対抗できる唯一の武器と言われる。
乾坤弓、震天箭
【巨大な弓矢】
伝説の帝「黄帝」が作りし、上古の妖魔蚩尤を射殺す兵器。
山河社稷図
【壮麗な風景が描かれた掛け軸】
呪文を唱えれば、どんな相手でも閉じ込める。
無字天書
【何も書かれてない本】
最上位の神仙である鴻鈞老祖が作りし、万物の理が記されて、選ばれしものだけ読める本。
混元拂塵
【掃除道具】
鴻鈞老祖の得物。
無極鐲
【金色の腕輪】
鴻鈞老祖が作りし、全ての宝具の効能を封殺できる腕輪。
誅仙劍
【翡翠の長剣】
神仏を殺すために作られた剣。
化血神刀
【血の色の片刃の大剣】
傷つけられた者は死ぬ。
盤古斧
【人では持ち上げられないほどの巨大な斧】
天地開闢の神、身長数万キロの大巨人盤古の得物。
血滴子
【外見は箱の上に鎖がついてる兵器】
鎖で箱を飛ばし、人の首を捥ぎ取る。
とある皇帝の特務機関が愛用していると言われる。
軒轅劍
【とにかくデカい剣】
伝説の帝「黄帝」の愛剣。
九龍神火罩
【鐘の形をしてる兵器】
九つの龍を呼び出し、全てを焼き尽くす炎で閉じ込められた者を消滅させる。
七星龍淵剣
【北斗七星の模様がある長剣】
干将・莫耶と並ぶ名剣。
金糸手套
【プラチナの糸で編み出した手袋】
どんな武器でも傷つけず、逆に握り潰せる手袋。
詳しく紹介したらキリがない、何よりこれはあくまで「台湾の有名な武器名を使ってみてどうですか」というエッセイであり、資料集ではありませんので一旦ここまで。
もっとこういう類の武器を知りたいっていう方は、もしよければ《Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀》、《封神演義》という漫画、それと徳間書店出版の《金庸武俠小説》について調べれば良いかと。
勿論、著作権の問題もありますので、《金庸武俠小説》と《Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀》に出てる名前は、自分の作品に合うように改変してから取り入るのが良いかと。(《封神演義》とここで紹介させていただいだものはそのままでも問題ありません)
もうギリシャやケルト神話ネタを使いたくない、英語やドイツ語で武器名を綴るのも飽き飽きっていう貴方、台湾の有名な武器名を使ってみてどうですか?
では、キリタニでした。