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川辺の祭  作者: nats_show
憑霊
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m05-2


 人混みの中を歩く毎日だ。

 いつも変わることのない、雨すら降らない通路を歩かされる毎日だ。

 「そこしか歩いてはいけません」とは誰も言わない。なのに、そこしか歩けない。おかしな話だ。



 目の前を通り過ぎるのは、少しだけ偉くなった人々。虫けらのような俺たちを一瞬見下しながら、猛スピードで去っていく。

 俺たち…か。

 所詮、仲間だったような気がするだけの人々に、俺はそれでも束の間の連帯感を求め続けなければならないのか。

 普段は顔を見るのも嫌な人々に。



 俺は誰かを待っていた。

 まるでイメージの湧かない存在を待っていた…らしい。

 今も待っている。誰かを。

 遮るものを破壊する誰かを待ち、見下す者を殺す誰かを待ち、仮の仲間を追い払う誰かを俺は待っている。

 薄汚いアーケードの屋根が吹き飛ばされ、世界を切り取るビルが崩れ落ちて、見渡す限りの車が炎上した時、ここに俺と誰かの住む、地上のユートピアが誕生するだろう。




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