表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

たぶん、好きだよ

作者: たわし
掲載日:2026/01/06

冬の寒空の下で、二人の少年が歩いていた。

「俺はさ、お前の好きなものを知らねえんだけど?」


 幼馴染が真剣な眼差しで僕を見つめる。だから僕も幼馴染を見つめ返してやるんだけど、鼻先を赤くして白い息を吐きながら目を逸らしもしない。そういえば今日の最高気温は一桁だっけ?


「なんだよ、急に。僕は別に、君に隠した覚えはないけど。」


「じゃあ、好きなものは何だよ。」


 幼馴染はやけに食いついてくる。なんかあったっけ?好きなものを気にしなきゃいけないイベントって。うーん。思い出せないなあ。そういや、前に幼馴染と遊んだから、お財布が寂しかった気がする。


(かね)


「そういうのじゃないんだよなあ。」


「じゃあ、何を聞きたいんだよ?」


 本当に訳が分からないんだよな。ふむ、好きな食べ物って聞かれたら、ハンバーグって無難に返しておこうかな。


「俺、お前と遊びに行ったとき、買うものも食うものも全部合わされた気がするんだよ。」


「別に、してないと思うけど。君が好きなものが僕も好きだっただけでしょ。」


「違うだろ。真剣に返せよ。」


 声を荒げて、幼馴染が言う。息の白さでこぼれた熱量が伝わった気がする。でも、それでも、返せる答えって存在しないんだよ。


「じゃあさ、好きって何?」


「は?」


「嫌いはわかるよ。やりたくないこと、したくないこと。僕にとって嫌な事物を挙げればいい。」


 幼馴染は、ハトが豆鉄砲を食らったような顔をしていた。ちょっと笑いそう。ま、笑わないけど。


「君曰く、好きは嫌いじゃないことではないんだよね?」


「ああ、うん。」


「じゃあ、僕は好きが分からない。」


「そうか。」


 空を見上げた。白く、少々灰がかった雲が一面を覆う。隣で空を見上げる幼馴染の顔を僕は見えない。


「わかった。じゃあ、一緒に探そうぜ。」


 僕から幼馴染の顔は見えない。何を思って言っているのだろうか。わからない。









 僕と幼馴染は二人で歩く。きっと、多くの出来事を共有する。


 

「なあ、これはどうだ?これは好きか?」


「ああ、うん。


たぶん、好きだよ。」

恋愛未満の関係性が好きです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ