父奏司の贈り物
昨夜は、帰ると由良姫がグッタリしていたので、眴は慌てて常世の眼で視ていた。ケガレやモドキをもらってはいないが、目の前で血みどろを見たのが原因のようだった。
「目が合うたん。生きとった。おじいさんもおばあさんも」
「由良、いつも言ってますよね。そういうのは引きずって良いことなんて一つもないんです。忘れなさい」
眴はいつも由良姫のナイーブさが心配でならなかった。父親の奏司によく似ていた。その点、宇羅彦は誰に似たのか、御子姫だろうか豪鬼だろうか、一切動じなかった。
「由良ちゃん、ケガレもモドキも、生身の周りの人たちに影響するのんは、わかってはるやろ。もっと気ィしっかり持たな。
お母さん、御子姫様みたいになりたいんでっしゃろ。しっかりしいや」
由良姫は御子姫の名が出ると、いつも歯をくいしばる。それだけ、数回しか会ったことのない母に憧れを抱いていた。
眴は、御子姫から、18歳になったら渡すように、預かっているものがあった。由良姫と宇羅彦と、それぞれに勾玉のネックレスを預かっている。二人の祖母にあたる洋巳の出産祝いだ。それを御子姫はいたく気に入っていた。
あとは父である奏司と豪鬼から頼まれて、値は張るがブレスレットも作ってある。数珠に勾玉がついている。
奏司は病で亡くなったが、御子姫と豪鬼には会おうと思えば会えなくはなかった。ただ、奏司の死去で、実質表向きのことをする者がいなくなった。
そこに入り込んだのが、神守の者だった。
由良姫の回復を待って、宇宙依が話を始めた。
今夜のことは、よくある家庭内の揉め事の延長で処理をされそうだということだった。宇宙依は二人に強く言った。
「もし万が一、人としての遺体が残りそうな場合には、何があってもすぐにケガレを祓ったら立ち去ること」
ネックレスは御子姫から預かったものなので勝手には渡せない。奏司からは、眴の一存に任すと言われてブレスレットを預かった。奏司は自分の苦しさを知っていた。必ず近々出会うだろう、二人の心の拠り所を作ってあげたいと、眴にそう言っていた。
万理依と宇宙依が、続けて明日の学校で起きるだろう事件の話をする前に、眴は少し時間をもらった。
「由良、宇羅、今夜はいろいろ思うことがあったろうと思います。二人へ奏司さんから預かった物があります。奏司さんが亡くなる前に、自分がいなくなったらいつでも渡してくれと預かっていました。今、渡すことにします。その方が、いいでしょう」
眴は二人に、それぞれに一つずつ箱を渡した。
「わあっ!」
由良姫は紫翡翠でできたブレスレット、宇羅彦には縞瑪瑙の中でも黒い部分でできたブレスレットだった。
それを見た万理依が、見た瞬間にうわあっ!と感嘆の声を上げた。それもそのはず、石の細工の見事さだけでなく、紐までがすべてが鹿野神と猪野神の細工の物だった。
「眴ちゃん、これってつけててええの?」
眴はにっこり笑って、つけるのを手伝ってやっていた。
「二人とも、奏司さんがついてますからね。気持ち強く持って下さい」
その様子を視ていた宇宙依が、少しホッとしたように微笑んだ。
「今日の明日で、ちょっとキツいと思うけど。頑張って。夏休み入ったら、鹿野神のと猪野神のと、二人ずつ、来るから」
翌日、由良姫と宇羅彦とは朝から学校へ向かった。
今日は午前中に、科学部のロボコン班の手伝いで、普段は使えないが、日曜だけは体育館を使ったロボコンのシミュレーションができるため来ている。
ただ、体育館は冷房がないので、昼間は地獄だった。
今日、部活動の届け出を出しているのは、水泳部と音楽部だが、音楽部は個人レッスン的なものだった。それも昨夜、宇宙依から聞いていた。今日の学校での事件の予定は頭に叩き込んでいた。
大事になるのは水泳部のシャワー室で、昼頃だった。
二人はロボコン班のシミュレーションに熱中していた。
その頃、音楽準備室では、樋口めぐみんと安田美咲が個人レッスンをしていた。めぐみんは声を出す時の筋肉の動きが直接見たいからと、美咲の上半身を裸にしていた。
「ブラも外しちゃおっか。女同士だから、いいよね」
美咲は戸惑いながらも、後ろホックをめぐみんに外され、有無もなくブラを外されていた。
めぐみんは何をするでもなく、ただ音をとって、課題の歌曲を歌わせていた。確かに、上半身裸の方が、横隔膜の動きなど、見やすいのがわかって美咲は安心して歌っていた。その合間に、少し休憩しましょうと言われ、美咲はめぐみんに乳房をもまれて乳首を吸われたり、ディープキスをされたりしていた。
「ねえ、いいでしょう?だって、たまらなく好きなんだから、美咲のこと」
めぐみんは、そう言いながら、どんどん美咲を脱がしていった。とうとう全裸になって恥ずかしがる美咲に、めぐみんは自分も脱ぎ始めた。
「ねえ、今日は私たちしかいないから、脱いじゃいましょ」
そうするとめぐみんは、美咲を抱きしめた。そうして美咲の張った乳房を揉みしだきながら、乳首をチロチロ舐めて回った。乳首を責めている間に徐々に割れ目から指を入れ始めると、ヌルッとし始めている。
「ああ、もう、すっごくかわいいっ!」
めぐみんは、いつもは佐藤が寝そべっているリクライニングシートに美咲を寝そべらせた。そうして、やさしくあちこちにキスをし始めた。
「ねえ、ここ舐めさせて…」
めぐみんはぷっくりした割れ目につながる丘を指差して、美咲にお願いした。
美咲が恥ずかしそうに頷くと、めぐみんは片方の太ももを持ち上げて、ペチャペチャ音を立てて舐め始めた。その傍らで、めぐみんはローションでガーゼをタンポンのように作ると、美咲のあそこに奥へ奥へと入れていった。美咲のアソコの奥の途中のちょうどいい部分に当たると、美咲は声を上げて喘ぎ始めた。
「あああんっ!あああああーっっ!!めぐみん!いいいーっ!いくうっ!いっちゃうぅ!!あああーっっ!!」
めぐみんは楽しそうにレズプレイをエンジョイしていた。
そうすると、まるで頃合いを見計らったように佐藤が音楽準備室へ入ってきた。佐藤は、裸のめぐみんの後ろから抱きつき、アソコを指でこすり始めた。めぐみんはすぐに喘ぎ声を漏らし始めた。
「ダメぇ、そんなんじゃ。先生の大っきいのくれなくっちゃ」
佐藤はやれやれという感じで、めぐみんが突き出したおしりに、バックから一物をぶち込んで激しく出し入れしてやった。
めぐみんはもっともっとという感じに、自ら尻を振っていた。めぐみんはローションを胸に塗ると、それで美咲の胸と擦り合わせて、乳首を責めていた。同時にローションガーゼで美咲のクリッとした部分も責めていた。
同じ頃、別の場所でも、構内で激しいセッ○スが始まっていた。




