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既に手は

直江兼続「越後への道を切り開く手筈は整えています。此度のいくさは、我らが先年まで居城としていた堀秀治の讒言によるもの。決して許す事は出来ません。幸い越後の中には我らと繋がりの深い方々が多く、堀の行いに不快を感じています。」

本庄繁長「越後の方々は、堀のどのような点を不快に思っているのでありますか?」

直江兼続「検地の実施による実質的な増税並びに、これまで我らが無税としていました商品作物にも課税した点であります。」

本庄繁長「元に戻す事を条件に?」

直江兼続「はい。我らが行っていた税制に戻す事を条件に、堀秀治による会津侵入を阻止するべく。そして海への道を切り開く先兵として活躍していただける約束を取り付ける事に成功。実際に活動を始めています。勿論この作戦に……。」


 会津からも派遣しています。


直江兼続「ただその中で懸念すべき材料も存在していました。それは……。」


 藤田信吉。


本庄繁長「藤田は新発田攻略に多大な貢献を果たし、領内最西部の要衝津川を託していた……。」

直江兼続「はい。その藤田でありますが……。」


 徳川家康に買収されてしまいました。


直江兼続「今年の正月。殿の代理として上洛。そこで家康から少なくない金品を受け取っています。」

本庄繁長「ん!?全て自分の物に?」

直江兼続「そのような事はありません。ただそれが全てであったかどうかも定かではわかりません。」

本庄繁長「それだけで買収と決めつけるのは乱暴に過ぎないのでは無いか?」

直江兼続「ただその後の藤田の言動は、弁明のため殿に上洛を促す等全て家康寄り。この事を私が追及した結果、藤田は……。」


 江戸へ出奔。


直江兼続「同じく逃げ出そうとした栗田国時を討ち果たす事は出来たのでありましたが、藤田を仕留める事は出来ませんでした。藤田がいつ、殿が任せていた船の中継地津川で良からぬ事を仕掛けて来るかわかりません。その前に越後を制圧し、藤田が何も出来ない状況に追い込む必要があります。」

本庄繁長「……成果の程は?」

直江兼続「現状は散発的なものに留まっています。しかし下野から家康が去りました。これまで白河に集中させていた人と物を越後に振り向ける事が出来ます。この状況下にあっても、個々の戦闘では勝利を収めています。これに

『越後奪還』

と言う目的を持たせる事により、大きな勝利へ繋げる所存であります。その間、本庄殿には……。」

本庄繁長「伊達への備えだな?わかった。」

直江兼続「お願いします。」


 そこへ……。

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