9話 やりすぎ
初めて小説を書いていきます!拙い文章ですが満足していただけるととてもうれしいです!
指摘等ありましたらコメント欄にお願いします!
「、、ん?あれ、ここは?」
ここはどこだと周りを見渡すと、そこは宿のベットだった、寝ていたのだろう
ゴブリンを何体か倒してとどめを刺そうと思ったとき、倒れたんだっけ?
そう考えているとガチャリとドアが開く、クミンだ
「無事だったのね!」
「ああ、ええっ」
「うん、もう、心配したんだから」
クミン俺を見ると俺のベットに座ってこっちを見つめる
俺の無事を喜んでいた、心配かけちまったな
いままでクミンは冷たくて不愛想な人と勘違いしていたけど
こうやって真正面から改めて見るとかわいい
俺の心配なんてしない人だと思っていたけど勘違いをしていた
俺は彼女が愛おしく感じて頬を撫でようと右手を挙げる
「えっ!?なにこれ」
自分の右手を見ると指先第一関節が紫色に変色していたのだ
もちろん倒れる前まではこんなの無かった
「ああ、壊色病よ、それくらいなら治るわ」
そういってクミンは卵くらいのちいさな瓶を俺に渡す
中には真っ白な液体が入っており、クミンは『飲んで』と言う
言われた通り蓋を開け、俺は一口で飲みほした
「まっずう!なんだよこれ!」
「ふふ、良薬は口に苦しってね」
クミンは口角を上げてそう言った、味は水に色々な薬品を入れたような
脳が受け付けないタイプの不味さだ、しかし確かに飲んだら力が湧く感覚がする
彼女によるとこれは『ソウルポーション』といい魂気を回復させるための物らしい
「にしてもよ、これ何が材料なんだ?」
「聞かないほうがいいわよ、絶対後悔する」
「そもそも壊色病ってなんだよ」
「そんな事も知らないのね」
クミンはフッっと笑ってそう言って淡々と解説を始める
壊色病とは体の中の魂気を使い果たすと起こる病気で、症状としては精神的に問題が起きたり
俺みたいに体が変色したり、体の色が壊れるから壊色病という名前が付けられたらしい
よくある魔力切れとは重さが全く違うな、、魔法の調整が必要だ
「そう言えば、明日もクエスト行くわよ」
「お金、足りないのか?」
「当り前じゃない、誰かさんがゴブリンの鼻を黒焦げにしたからね」
「ご、ごめん」
クミンの冷たい視線に晒され俺はまたベットに倒れていじける
明日もクエストか、どんなクエストなのかな、、てかなんだかすごく眠い、、
俺はその後、すぐに寝てしまった
「ん、、ここは?」
真っ黒な空間、俺の居る場所と誰かが居る場所にだけライトが照らされている
あの人は、、
「あんときの婆さん!」
「覚えとるかね?」
俺に魔法を授けてくれた婆さんだ、しかし今は少し恰好が違う
前は普通の服だったが今は真っ白な服に身を包んで変な天秤を持っている
「ここはどこですか?」
「貴様の夢の中じゃ、取引をしに来た」
そういえば契約の条件として俺に色々とやらせるとか言ってたな
何をやらされるのか、命が関わる物じゃないといいな
「お婆さんの依頼ってやつ?をやればいいんですか!」
彼女は少し怒った表情をした、お婆さんって言ったのが不味かったのか?
「あくまでも取引だ、貴様は何を望む」
「うーん、魔法の本が欲しいです」
俺がそういうと婆さんは天秤に何かを乗っけた
しかし釣り合わず別の物を横から取ってまた乗っける、それを繰り返し
4回目でやっと釣り合ったようだ、取引成立って事か?
「分かった、まず依頼を聞け」
「は、はい」
依頼は明日、はずれの廃村の調査というクエストを受けてほしいとのことだ
どこかの家に人が居るからその人を助けて仲間にしてほしいとの事だ
魔法の本は地下室がある家に欲しいのが見つかると言った
にしてもだ、それ俺にとって得でしかないのではないのか
「なあ、依頼って本当にそれでいいのか?」
「ああ、問題ない」
「どうなるんだよ!説明してくれよ」
「説明する必要はない、不満か?」
不満なわけが無い、むしろいい話すぎて騙されているのではないかと心配だ
「取引成立、で問題ないか?」
「あ、ああ」
「分かった、貴様とはいい関係ができそうだ」
そう言ってその老婆はにやりと気味の悪い笑みを浮かべた後
奥へと歩いて消えてしまった
「ぶはっ!」
「カミルス?」
俺は思いっきり起き上がると宿にいて外はもうすでに夕方だった
クミンとレジーネが心配そうな目でこちらを見つめてくる
「婆さんは!」
「婆さん?誰も来てないけど、、」
それはそうか、婆さんは俺の夢に居たと言っていた
にしてもあの気味の悪い老人は何者なんだ
少し考え事をしてるとクミンが困った顔でレジーネを撫でながら言ってくる
「ねえカミルス、あんたが依頼に連れて行かなかったせいで拗ねてるんだけど」
「あ、ごめんレジーネ、どうしても心配で」
レジーネは無言で横を向いてしまった、これはかなり怒っている
しかしこういう時の対処法を俺は知っている
「なあレジーネ、今夜は兄ちゃんが料理作るよ」
「、、本当?」
レジーネは不服そうながらもこちらを期待のまなざしで見てくる
たしかこの宿の1階には共同のキッチンがあったはずだ
俺の前世は結構自炊する派でこの世界でもたまに僕が料理していた
妹の舌と結構合うらしく「お兄ちゃんの料理大好き!」と喜んでくれて
それを母さんが妬んだり教えてほしいとか言ってきたのを思い出す
当時はそれが当たり前だと思っていたな
「本当さ!よし、材料を買いに屋台に行くぞ!」
「うん!」
「へえ、楽しみにしとこうかしら」
そうして3人で外に出る、久しぶりに料理するなあ、頑張ろう2人の為に
最後まで読んで頂きありがとうございます!
もし好評だったら閑話として料理の話も追加したいと思ってます!