21話 酒場で...
初めて小説を書いていきます!拙い文章ですが満足していただけるととてもうれしいです!
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ペリジアに着いた後、俺はそのままぐっすりと寝てしまった
当たり前だ、闇属性の魔法を使った後は大抵魂気が薄くなる
そのまま一日中寝ようと思った昼間の事だった
「おい!カミルス、行くぞ!寝てる場合じゃねえ」
クラッソスがまだ残冬が残る3月だと言うのに無慈悲にもかけ布団を
俺から剥がす、暖房なんて当然無いのでものすごく寒い風が俺を襲う
「んん...なにすんだよ」
俺は両手をいろんなところへ回して布団を探す
そうしてるとクラッソスが俺の右手を強引に掴んでどこかへと引っ張る
「痛い!痛い!伸びるしちぎれるって!」
「んじゃあ自分で着替えろよ」
そう言われて俺は寝間着から普段着へと着替える
俺はシャツを取った時気づいた、結構臭い、犬の臭いがする
最後に洗濯したのがいつのかも分からないほどには洗濯してない
この季節、外は雪降るし水に手を着けると一瞬で真っ赤になって
触覚が無くなるからな...たださすがにそろそろしないと
俺はその後着替えて寝ぼけ眼をこすりながら外へと出た
屋根の隙間にまだ雪がこびり付いて道の隅にも雪かきで残った
雪が泥と共に積もっており、氷の様にもうすっかり固まっている
でだ、このバカから連れまわす理由を聞こう、魂気切れの人を
連れまわす相当な理由があるはずだ...あってほしい
「でだ、こんな朝からなんの用だよクラッソス」
「賭け事さ、今日は火曜日だから確かサイコロだったような...」
「まさかその為に俺を呼んだのか?」
クラッソスは何言ってんだお前と言うような顔をして頷く
まじかよこいつ、なにが『寝てる場合じゃねえ』だ
まだラミへのプレゼントを考えてるとかなら笑って許せたが
ギャンブルの為に病人を無理やり酒場へ連れているなんてな...
「なんだよ、お前賭け事好きだろ?好きな事すれば魂気戻るぜ!」
「誰が好きと言ったよ...」
「んだよ、冒険者の娯楽と言ったら酒、女、賭け事だろ!」
なんとも分かりやすいクズ連中だ、酒はまだ飲めないし
賭け事だって嫌いだ、前世でも大嫌いだったな
運営者が必ず儲かるシステムで動いてるんだから得するわけ無いだろうに
友達から誘われる事は何回かあったけどよくチキンと言われたものだ
クラッソスが浮かない顔しながらも酒場へと向かう
冒険者ギルドとは違う、少し暗めの道を歩くとその場所へ着く
クラッソスがドアをバーンと勢い良く開けるとギルドとは違う連中がこちらを睨む
スーツ姿の詐欺師、黒尽くしの同じ服を着たマフィア、案外普通の奴もいる
すべて偏見だが全員裏稼業で稼いでそうな悪連中ばっかで全員怖い目をしている
「おい、入るとこ間違えてないか?」
「間違えてねえよ、てか何で俺の後ろに着く?女々しい奴め」
「声でけえよ...」
触らぬ神に祟りなしとは言うがこの人達は目を合わせるだけで
呪い殺してきそうなほど目つきが怖い
どうやらまだ賭け事は始まって無いらしくカウンターで何か飲むことになった
それならせめてもう少し寝させてほしかったものだ
「よーし!今日も呑むぞ!カミルスは何が飲みたい!」
「ウ、ウーロン茶でいいよ」
「はぁ?なんだそれ」
「サビ茶でよろしいですか?」
「んじゃとりあえず俺はビールで」
俺が困っているとバーテンダーが救いの舟を出してくれた、察しがいい
クラッソスは人差し指を立てながらビールを注文する
まだ17歳だと言うのに白昼堂々と未成年飲酒とは大した奴だ
「おい、お前酒飲めるのかよ?」
「ま、まあな、お前は飲めないのか?」
「飲めないってか年齢的に飲めないよ」
「なんだよそれ、水が汚い地域だったらお前の年でもビール飲んでるぜ?」
この国にお酒の年齢制限があるかは分からないが少なくとも俺も飲めるらしい
とは言っても未成年の脳みそにアルコールは完全に毒だ、せめて15までは待とう
彼にやると水が汚い地域では生水を濾して沸騰させても危険な事があるらしく
代わりにアルコールで消毒されたビールを年齢関係なく飲み水として利用する
生水もビールもどっちも体に毒なのか...かわいそうな事だな
バーテンダーからサビ茶を貰ってクラッソスと乾杯して飲む
そして二人、同じタイミングで吐いて口を揃える
「ブーッ...なんだこれ、まっずぅ」
「お、おいクラッソスお前ビール飲めるって...」
「お前こそただのお茶で、苦かくて我慢できなかったのか?子供だなぁ...」
「お前だって苦かくて吐いたんだろ?無理しなくていいのにな」
「あっ...」
クラッソスはしゅんとした顔をしてバーテンダーを呼んでごまかす
図星を突かれたのだろうな、体は強いが口ではすぐこうやって負ける奴だ
結局俺達はジュースを頼んで二人一緒の物を乾杯して飲む
リンゴでもオレンジでもない不思議な味だ
「おいクラッソス、無理してビール飲まなくたってもいいんだぜ?」
「無理って、だって皆あんなおいしそうにゴクゴク飲んでよ...
あんな苦いやつを浴びるように飲むやつもいるんだぜ?意味わからねえ」
「いいか?ビールってのはな、味わうもんじゃねえ...」
「ほーんそれで?」...
クラッソスと他愛のない話をする、見栄を張ってビールを飲むかわいい奴だ
俺からすれば17だっていいガキだもんな、この世界の年齢も換算すれば
自分の子供として居てもおかしくない年齢だ
子供か...前世で恋愛はしてこなかったし、いまだにヒロイン候補は見つからない
この世界でも子孫は残らないだろうな...
「それで、俺が言ってやったわけ!」
「俺がっ!!いってっ...やったんだぜっ」
「...このクラッソスに任せてくれって!」
「このパラッススにっ...」
俺達二人の間に知らないおじさんが割り込んでクラッソスの言葉を真似する
当然、俺たちの知り合いじゃないし、こんなうざい奴知り合いに居てほしくない
クラッソスがおじさんの方を向いて言い放つ
「なあ、俺達の会話を邪魔しないでくれるか?」
「俺達のっ、かいわわっ...」
「いい加減にしろ...!」
クラッソスがおじさんの胸倉を掴んで右の握りこぶしを上げる
辺りは騒然となり皆、クラッソスの方を一斉に向く、注目が集まった
そうすると階段の上から熊が降りてきた、しかしよく見ると奴は人間だ
縦横比が1:1に限りなく近いただのバカデカい筋肉ダルマだったのだ
「ここの酒場では暴力は禁止だ、外でやれ」
「でも、こいつが先に絡んできて...」
「けじめをつけたいのなら...やり方は一つだ」
そういって熊が睨みを効かせてクラッソスを見つめる
服の裾を腕まくりして首の骨をゴキッっと鳴らして威嚇する
酒場は静寂に包まれ視線はクマとクラッソスにくぎ付けだ...
ーーー
「イッキ!イッキ!」
ゴクゴク...
「ぷはーっ...どうだおっさん、怖気づいたか?」
「はっ、そんなわけあるか!大将、もう一回!」
バーテンダーがでかめのビールジョッキを2杯持ってきて2人に渡す
二人は目を合わせて合図を送ると一気にビールを飲み干す
「ぷはーっ、うっ...これは結構来るな...おっさん、降参かい?」
「バカを言え、まだ10杯は行けるわい」
さっき教えた通り、彼はビールを味わう事なく一気に喉を通らせて飲み干す
もう何杯飲んだか分からないがどっちも酒に強い
周りの人も恰好からは想像できなかったが大声上げて二人を煽ってはしゃぐ
「はい、次のビール、どうだ?そろそろ水飲んどくか?」
「うるせえ...」
クラッソスは無理やりビールジョッキを受け取って
不格好にも飲み干し、頬から少しこぼれた汁が下へポタポタと落ちる
おじさんは仁王立ちで腰に手を当ててゆっくり飲む
「うっ、これはダメかもしれ...な.......」
「ゴクゴク...ふっ、なんだいもうおしまいかい?」
そう言い残した後、クラッソスはその場で倒れてしまった
熊がおじさんの手を取って高らかに上げる、俺達の負けだ
勝手にギャンブルに連れまわそうとしてその前に飲み対決で負ける...
なんとも飽きれた奴だ、剣以外では本当にダメダメだ
俺は彼の腕を首の後ろに回して肩を貸して酒場を後にした
これは後から分かったことだがこの酒場には、けじめは飲み対決で
負けたほうが勝った方のビールをおごるという制度がある
後日、クラッソスは袋に詰められたお代を酒場へ持って行きちゃんと払ったそう
あの酒場にはもう二度と行かせないようにしよう...
最後まで読んで頂きありがとうございます!




