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2話 現実

初めて小説を書いていきます!拙い文章ですが満足していただけるととてもうれしいです!


指摘等ありましたらコメント欄にお願いします!

俺は妹の手を取って必死に森を走った

前世じゃマラソンなんて大嫌いだったが今の状況でそんなことは言ってられない

立ち止まったらもうその場で死確定だ、立ち止まれない

そんな中妹の手をがっちり固定した手から何かが離れる


「ぎゃっ!痛ったい...」


俺その場で立ち止まってふと妹の方を見る、暗くてよく見えないが

けがは無さそうだ、俺たちは道から離れて草むらへと入る


「ごめんなレジーネ」

「ごめんねじゃないよ...お母さんとお父さんが...」

「ごめん、わかってくれ...レジ...」


俺は彼女の言葉を遮って抱きしめる顔を交差させて

目に涙を浮かべ、情けなく妹の目の前で号泣した

仲の良かった村の皆がひどい目に会った事

自分が何もできず逃げてしまった事

ああ...親父ともっと仲良くしとけばよかったな...


「俺は弱くて、無力で..最低な奴で........」


妹も泣きじゃくる俺を見て失望したのか察してくれたのか何も言ってはこなかった

その時、俺は昔親父から言われたことを思い出した


お父さんが近くの街に出掛けるため2週間くらい家を空けたことがあったのだが

その時な『いいか?、父さんが居ない時、お母さんと妹をお前が守るんだ。』

と言われたことがあった。よくある言葉だと思って真には受けなかったが

今の俺からしたらその言葉が頭の中でずっと児玉して離れなかった


「俺ははっ...!父さんとの約束はすべて、破ってきたけっ!...

せめてお前だけはっ!兄ちゃんが守るから!!...」


ーーー


翌日、自分たちの村に引き返した。あの丘に立った時、そこには燃え切って

黒ずんだ柱しか残らなかった家や、まだボヤが残ってる家もある

この様子じゃ人どころか動物も残って無いだろうな


妹をその場で残し「見てはいけない」と言った後、俺は村へと向かった

家か人か、焼けた臭いが俺の鼻へ襲いにかかってくる

やはり人も動物も見えない、盗賊もどこかへ行ってしまったようだ


「母さん~!父さん~!」


俺は声が枯れる勢いで叫んだ。が返事は帰ってこない

俺は自宅へ向かおうと思い大通りに出た、道のど真ん中に一つの看板が立っている

俺は何かの情報が得られるかもしれないと思い、走ってそこまで行って看板を見た


‘‘☆レジウム サソジョウ☆‘‘


ふざけた落書きが書かれていた、俺はその看板をけ破り

まだボヤが残っていた家へ放り込む、見なければよかったな

字が汚いし、誤字もしている、盗賊団だから字すらまともに書けないのかよ


俺は看板の事を忘れて外れの道へ向かう

そのまま離れにある自宅へ行ったら奇跡的に家は燃えてなかった

俺は思わず中に入り大声で呼んだ


「母さん!父さん!」


そう言ってドアを開けた時、そこには椅子に座り食卓を囲って

食べかけのパンを持った母さんと父さんがぐったりと倒れていた

わかってはいた、あれだけ叫んだって誰も反応しないのだ

死んでいたことは分かっていたつもりだ

だがいざ目の前に状況を置かれると、来るものがあった


「冗談だよね?嘘だって...返事...」


俺はそう言って二人の首元に手を置く、信じたくなかったのだ

当然返事も無いし冷たい、ふと父さんの首へ目をやると

いつもつけていたペンダントが見えた、フリウス家の紋章だ


父はもともと貴族の生まれだった

しかし新興宗教にハマってからは貴族としての業務を放棄して

田舎で司祭なんかをやっていたというわけだ

何かの役に立つかもしれない、これは貰っていこう


そう思ってペンダントを取って俺の首に掛けた

父さんが何を思ってつけていたのかは分からない

だがまだ家の事を想っていたのかもな...その想いを俺が引き継ぐと決心した


「父さん、僕は約束を破る悪い子でした

 しかし最後の約束は守ります。妹は必ず俺が守ります」


最初二人を見た時俺は泣きそうになっていた、悲しみもあれば

後悔だってある、最後まで父親とは分かり合えず仲の悪いまま

最悪な別れをしてしまったしな


しかし二人に会って心は変わった

というより変わらされた、いつまでメソメソしてたって状況は好転しない

決断を鈍らせれば俺たちのか弱い体はすぐに飢えと病気に犯される

もう座ってるだけでご飯が貰えるわけではないのだ


俺はお父さんに決心を告げると不思議と優しく微笑みかけていた気がした

俺はその後一礼して妹を守ると強く決心した


その後、家をいろいろと探した、

やはり服や本といった貴重なものは盗まれてるな...

街に出て売って金にしようと思ったが、ガラクタしかなさそうだ


俺は台所の戸棚を開けた

瓶詰めや保存肉といったものもほとんど盗まれていた。


「ちっ、きゅうりのピクルスかよ」


まあえり好みする余裕はない、俺はわずかな食料を鞄に詰め戻ろうとした

その時ふと思い出した、お父さんの声だ


「台所の下に隠し物入れがある、絶対に開けてはならない」


と言われていた。俺は何があるのだろうと思い隠し扉を開け中を見る

埃っぽい空間の中には一つの木箱があり

木箱を開けると一枚の紙と一本の小さな杖があった


『汝が危機的な状況の時、この杖を折りなさい

 さすれば汝の助けになるでしょう』


なんとも狂信者だった父が持っていそうなものだ

まあ持ち物のかさばる物ではない、これも持っていこう

俺はシャベルを手に取り二人を埋めて埋葬してから家を後にした


そして妹のいる丘に向かった時、彼女は丘の上に立っていた


「レジーネ!見てはいけな、、」

「なに...これ...お母さんとお父さんは無事だったの?」


俺の言葉を遮って絶望にまみれた顔で俺に言ってきた

俺はやるせない気持ちになりながら首を横に振った

そうすると彼女はぽろぽろと涙を流しやがてその場で崩れ号泣してしまった


俺は妹を慰めるように後ろから抱きしめふと村を見た

焼け落ちて全滅してしまった村、そしてフラッシュバックする

オークによる村の虐殺...略奪、快楽殺人の数々の悪行...

俺はその時決心した


「俺がっ!俺が絶対に殺してやる!絶対だ!」


俺が声を振り絞って出した言葉を聞いた妹は泣き止み

少し安心した顔をしていた

最後まで読んで頂きありがとうございます!

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