1話 転生
今日から小説を書いていきます!拙い文章ですが満足していただけるととてもうれしいです!
指摘等ありましたらコメント欄にお願いします!
お前は伝説になる、期待してるよ
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俺の名前は佐藤優馬 20歳、世間一般では F ラン大学と言われてる
勉強も運動もコミュ力も容姿もダメダメで自分なりに頑張ってたつもりだが
しかし現実は無常かな、第三者から見れば
最下位にならないように頑張ってる哀れな負け犬に映っただろう
俺は何をやってもダメだった
何のスポーツも部活もしてなかったし勉強だって赤点回避できれば御の字だ
彼女もできたことなかった、女の子と話す機会だってそう多い物じゃなかった
いつの間にか学校とバイト以外では家で引きこもり
それでも自分の中では『ニートでは無い』と自分に言い聞かせる生活を送って来た
って、身の上話は十分だろ、自分で言ってて惨めになる...
今は夜遅く、いつもは夕方くらいに大学から解放されるのだが
今日はバイトがあるので夜遅くまで飲食店で立ち仕事をしていた
足の裏と肩が筋肉痛で痛い...もう初めて3ヶ月も経つのに
これだけはいつまでたっても治らない
「はぁ...コンビニ寄ってアイスでも買おう....」
横断歩道に差し掛かった時、それは急に来た
『おい!止まれ!』とか言う前にトラックは俺を跳ね、俺はお星さまになってしまった
白い光に包まれながらどこかへと連れていかれる俺、今までを振り返ったが不思議と後悔は無かった
今まで自殺願望なんて無かった。だが近しい物はあったと思う
所詮自分だって死ぬのが怖かった臆病者だ
「嘘だ、最後に童貞くらいは卒業しとけばよかった、、」
ーーー
~12年後~
俺は転生した、いわゆる異世界転生だ、にわかには信じらないが目の前にあるのは
山奥の辺境、とかではごまかしきれない骨董品が今も現役で使われいる
よくある中世ヨーロッパに転生したのだろう
だが自分の思ってる物とは大違いだ、第一に魔法というのを見たことが無い
普通ならマナとかあって火を出したり風を吹かせたりするだろうが
そんな事は見たことが無い、みんな火打石を使うし、空気入れを使って風を起こす
僕のお父さんは新興宗教の神父で俺にいつもくだらない教義を押し付けてくる
やれ食事の前に長ったらしいお祈りを捧げよとか
その他口うるさい事等々、なんの根拠もないことを言ってくる
お母さんはその協会で掃除したりまあ、雑用をしている
お母さんの方はあまり熱心ではないのか、宗教に縛られず
俺たちのしたい事をさせてそれを見守るというスタイルだ
まさに教育者の鑑!父には見習ってほしい物だ
兄弟は一人、自分より二つ下の妹が居る、名前はレジーネ
ピンク色の髪の毛にまだ垢抜けない顔でとてもかわいい
前世の妹とは大違いだ、もう10歳だと言うのにまだ仲良し兄弟でいられてる
「おにいちゃん!遊びにいこう!」
「ああ、お母さん、遊びに行ってきます!」
「何言ってるの、あんたは勉強しなさい、お父さんの教会を継ぐのよ!」
最近、いや10歳の誕生日を超えて以降、お母さんまでこんな事を言い始める
当然、俺は父の宗教を継ごうなんて思ったことは無いし
こういう話をし始めた時は明からさまに嫌な顔をするようにしてるので
二人にも俺の意思は伝わっていると思う...
「勉強は帰ってからするよ!」
「あんたって子は...って待ちなさい!!」
俺はお母さんの声が聞こえなかったふりをして妹の手を引いて走る
母さん、帰ったらものすごく怒るんだろうな...
俺はそんな煩悩を払って妹と遊ぶことにした
「お兄ちゃん!今日は何して遊ぶの!」
「今日は」...
俺はレジーネと野原で遊ぶ、俺たちは変な宗教の神父って事でほかの友達の輪には
入れてくれなかった、まあ、おれが何とか言いくるめて友達との輪には入れたって
今度は妹が孤立してしまう、だから二人で遊ぶのが一番いいと俺は思ってる
俺とレジーネはその後、遊び疲れたので
カラフルでいろんな花が咲き乱れる花畑で二人揃って寝転がる
季節は春、まだ冷たい風は吹くものの陽気な日差しが俺達を照らす
「ねえお兄ちゃん、お兄ちゃんの夢ってなあに?」
「夢かあ」
『夢』
学校でよくやった題材だ、将来の夢はなんですか?という物だ、まあどれを選んだって社会の歯車な事には変わらないが。そういえば俺、小さい時から夢なんて無かったな。無かったというより分からない
結局何やったって不幸という負のサイクルに居たからなあ
「お兄ちゃんの夢は無いね
こうやって当たり前が永遠に続けば僕はそれでいいよ」
「ふーん、変なの」
「じゃあレジーネはどうなのさ」
「私はね!お姫様になりたいの!」
「ブッ!」
「笑ったな!コラァ~」
妹はそう言ってかわいいパンチを俺に2発入れる
そうだ、夢なんて要らないんだ。こうやって日常があればそれで良いんだ
俺はそばに生えていたアングレカムの花を一本摘んで彼女に渡そうとする
「ねえ、これ綺麗な花じゃない?レジーネにあげる...」
「zzz」
妹は隣で天使見たいな顔をして寝ていた、やはり俺の妹だ、かわいい
ここら辺危険な野生動物もあまり出てこないから絶好な日向ごっこスポットだ
俺も確かに眠いな、妹の寝顔を拝めていたらいつの間に...か...
俺はその場で眠ってしまった
「ねえ、、て!、、ちゃん!」
「んん、、、」
「お兄ちゃんやっと起きた!お母さんに怒られちゃうよ」
「ああそうだな、行こう」
そうやって起こされると辺りは真っ暗、すっかり夜になってしまった
少し寝るつもりがいつの間にか夜になっていたのだ
さすがにこの時間だと不味い、普通に親に怒られるし
そろそろ、魔獣が活動する時間だ早く家に帰らなければ
怒られるかもしれないという恐怖を押し殺して村に急ぐ
辺りは本当に真っ暗で何度かコケそうになった
ここら辺の魔物は弱いはずだけどとても怖いな...
森を超え村が見える丘まで行った時、信じられない光景がそこにはあった
村の家の至る所に火がついており、右から左から沢山の悲鳴と気味の悪い笑い声が聞こえる
家畜を腕一杯抱えながら笑顔を見せるオーク、女の人の髪を引っ張りながらどこかへと連れて行くオーク、逃げる人々に弓矢を撃つオーク、、そこはまさに地獄絵図その物だった
そこに妹が来て丘を登ろうとしていたので俺は手を掴んで妹の目を塞いだ
「お兄ちゃんなにするの!」
「...」
「放してよっ!悲鳴が聞こえるし何があったの!放してっ!」
俺は両親を助けることも考えられず、ただ目の前の光景を瞳の奥に焼き尽くして
腕を妹の目から放して絶句してその場に立ち尽くしてしまった
妹は俺から解放されると俺と同じ景色を見た
「お兄ちゃん!何してるの!お母さんが!早く行かないと死んじゃうよ!」
俺はとんでも無く情けない男だ、この村の惨状を見て助けるでも逃げるでも無く
その場で放心してしまっている
たとえそれが目の前で勇敢にも両親を助けようとしている妹がいる状態でだ
「...なきゃ」
「え?」
「逃げるぞ!!」
俺は妹の手を引いて森の中へ引き返して逃げて行った
俺は両親の庇護を離れて初めて気づいた
この世界で判断ミスの代償は死なのだと