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全能神  作者: 碾貽 恆晟
第一章 学校に隕石が落ちたら……
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第13話 回想 超能力



 小宮ばあちゃんはある超能力を持っている。


 ただ、これ自体は珍しい事ではない。俺だって持ってるし。


 そもそも、全世界で10人中9人は超能力を持っている、と言われている。


 どれもこれも大した事はないような能力の人が多いが、小宮ばあちゃんの超能力はとても使い勝手の良い能力なのだ。


 それは、相手の言葉の真偽を知ることができるという力だ。


 もっとわかりやすく言えば、相手の言葉が事実であるか、それとも嘘を言っているのかを知れる。


 もちろん、曖昧な言葉や、嘘は言っていないのように誤認させるような言葉遣いを使われた場合は意味がないそうだが、それでもその力は素晴らしいの一言に尽きる。


 だからこそ、迂闊なことは言えない。これまで、迂闊な発言で何度痛い目を見てきたことか……数えられないぐらいあったことは覚えている。


「俺はこの力を使うよ」


「……覚悟はできてるんだろうね」


「あぁ」


「それなら、年長者としての忠告、まぁ年寄りの戯言だと思ってもいいけど、言わせてもらうよ」


 神妙な顔つきをして小宮ばあちゃんは話し始めた。


「まず一つ目、その力を無闇矢鱈と使わないほうがいいよ」


 オウランは不思議そうに小宮ばあちゃんを見つめながら聞いている。


 俺も少し気を引き締めて話を聞くことにする。


「二つ目は、その力を揮うのは本当に必要だと思った時は躊躇せず使いな。三つ目は、後悔しないようにその力を使いな」


 一つ目と二つ目の内容が真反対なことのように思えるのだが……。


 ──遊び半分に使うなってのが一つ目で、本当に必要な時にちゃんと使えってのが二つ目ですよね。


 だな。


 ──十分違うじゃないですか。


 ……それも、そうか。


「わかったかい?」


「あぁ、わかった」


「さてと、それじゃあ本題に入るよ」


 これまでのが前振りだったのか?


「今日行くつもりがなかったんだが、聞いた話によると……」


「よると?」


 オウランが話に食いついた。


 オウラン、なんで聞いたんだ……。


「スーパーで夕方からお米が3割引だと言われてね。行ってくれるね?」


 有無を言わせぬ小宮ばあちゃんの迫力にオウランすらたじろぐ。


「はい」


 そして、俺も慣れてはいるが、断ったら何があるかわかったものではないので承諾する。


「うむ、よろしい。それじゃあ、私は仕事に戻るよ」


 そう言って小宮ばあちゃんは家を出て、仕事に向かった。


 残されたオウランと俺は互いに顔を見合わせる。


「随分と濃い人でしたね」


「オウランに比べれば大したことないように思えるけど」


「これでもとても長い間生きてますからね」


「へ〜」


 気の無い返事をすれば。


「もっと驚いてくれてもいいじゃないですか‼︎」


「そもそも、オウランが歳食ってるのは知ってたからそこまで驚きはないし」


「歳食っているってなんですか‼︎ 訂正を求めます‼︎」


「事実だろ」


「オブラートに包んで言ってください‼︎ 女性から嫌われますよ」


「もう取り返しのつかないほど嫌われてるから大丈夫だよ」


「……なにしたんですか」


「なんも」


「へ?」


「嫌われているというより、存在を認知されていないと思うけど」


「大丈夫ですか?」


「大丈夫でしょ。困ることはないし」


「…そうですか」


 話に区切りがついたので、部屋を出て階段を上がる。


 自室の扉を開け、オウランがちゃんとついてきていることを確認してから扉を閉める。


 スーパーにはまだ行かなくてもいいので、予習をしてからにしようと思い、昼ごはんを食べ忘れていたことに気づいた。


 頭をかいて再び階段を降りて、昼ごはんの準備をし、食べた。


 ちなみに昼ごはんはカップラーメンにした。



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