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全能神  作者: 碾貽 恆晟
第一章 学校に隕石が落ちたら……
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第11話 回想 これで完全無敵?



 そして、数分後、自分に干渉した結果──。


 不死身、崩壊することなき魂(オウランに聞いてみると、今干渉できるのは自分の魂ぐらいであると言われた)、万が一にも自我が失われないように自我干渉不可(オウラン曰く、自分の想定内の範囲までしか適応できないため注意が必要とのこと)。


 だが悲しいかな、『予め自分の肉体を作っておき、自分の魂を死ぬ直前に転写する』というのは今の自分の能力だと無理であるとオウランが言っている。


 なにより、クローンとは言え生物は生物。


 今の俺には生物を創造する力はない。


 変質したエネルギーをこの世界のエネルギーに戻す方法は時間や慣れによって解決していくが、現状は単純な非生物しか創造できないそうだ。


 まぁ、例のよくわからん紙に書いてあったから知ってるんだけどね(そこ、「忘れてたんだろ」とか言うな)。


「これで間違いなく不死身だな」


「まぁ、よほど工夫しなければ殺されないですね」


 どうでもよさそうにオウランは言うのだが、説明書的立ち位置という言葉はどこいった?


 興味なさそうに言わないでくれよ、愛しきオウラン。


「あなたの楽観的思考と、その現実逃避ばっかりする脳に呆れてるんです」


「強く当たってくるオウラン……それも良い」


「確かに、あなたの能力は初見では無敵の防御力を誇るでしょう。けど種が分かれば対策が可能です」


「まだ足りない?」


「いつどんな時でも対応できるように……」


「そうか、ライトノベルファンタジーの定番”思考加速”、”並列思考”を使えば良いのか!」


「……定番ですか?」


「定番でしょ」


 オウランが呆れたような目を向けてくる。


 鳥ってこんな表情豊かにできたの? とびっくりするレベルだ。


「干渉 自分 思考加速、干渉 自分 並列思考」


 これで二つのことを同時に考えられる(はず)。


 やろうと思わないと発動しないみたいだけど。


 もしや、これならオウランに片方の思考は察知されないのでは!?


「察知出来ますよ」


「いやいや、今は使ってないから」


「使っていても同じですけど」


「マジ?」


「マジです」


 おぉ、なんという理不尽。


 愛しきオウランに思考を全て覗かれているなんて……ゾクゾクしちゃうじゃないか。


 その瞬間、オウランがとても冷たい視線を向けてきたは、多分気のせいだろう。


 オウランだって僕のことが好きだろうし。


「どうしたらそんな思考回路になるのですか?」


「何が?」


「あなたのそのお花畑な思考のことですよ!」


「えぇ? そんな、褒められても……なにもでないよ?」


「精神病院にいくことをお勧めします」


「辛辣だね」


「そう思うのでしたら、これを機に心を入れ替えてください」


「それはちょっと……」


 やっぱダメだったかという感じでこちらを見てくるオウラン。


 かっ、可愛い……。


「はぁ〜」


 バタン


 オウランがため息をついた時、玄関の扉が閉じる音がした。


 小宮ばあちゃんが戻ってきたのだろう。


 俺は自室から出て階段を降りる。


「どうしたんだ?」


 小宮ばあちゃんは洗面所で手洗い嗽をしていたのだが、俺の姿を見るとなぜか噎せた。


「ゴホッゴホッ、それはこちらが聞きた、ゴホッ」


「大丈夫か?」


「大丈夫に見えるか?」


「あんま見えないな」


「そうか、それよりなぜ家にいる」


「学校は休校だとよ」


「休校?」


 俺はしょうがないので事情を説明しようとする。


「学校の校舎がとある事情で使えなくなったから休校になったんだよ」


「そのとある事情ってのはなんなんだい?」


「……隕石が落ちたんだって」


「……歳をとるっていうのはいいことばかりじゃないね。で、もう一度言ってくれないかい?」


「隕石が学校の校舎に直撃したから休校になったんだって」


「はぁ、どうやら相当、私もけてきたみたいだね、駿翠しゅんすいが学校に隕石が落ちたなんて言ってるように聞こえるなんて」


「言ってるように聞こえるんじゃなくて、言ったんだよ」


「どうやら、このジゴロの現実逃避の奇行は先祖代々から伝わるものだったのですか……」


 隣でオウランがボソッと失礼なことを言っている。


「さてと、それじゃあ現実逃避を止めて聞くけど、その鳥はなんだい、駿翠しゅんすい


 小宮ばあちゃんがオウランを射抜くような目で見た。



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