表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/34

第三十四話 折れた決心

話の流れから、今回は短くなりました。

 

 作業場をふらふらと出てから、神様の館の応接間に向かった瑠璃はノックもせずに入ると、三人掛けのソファに横たわった。

スカートの裾が捲れあがり、足に冷たい風を感じるが直す気力はなかった。


(女の人と抱き合ってた)

 

 慶二郎、つまり圭祐に恋人がいるかもしれない、と考えたことは何度もあった。

そのため、今まで命日に瑠璃が地上に降りることはなかった。

慶二郎の見た目が変わっていたとしても、誰かと過ごす姿を見るのは耐えられない、と分かっていたからだ。


 しかし、今日は慶二郎ではなく、「圭祐」が女性と抱き合っていたことに大きなダメージを受けた。


(声は聞こえなかったけど、とても親しそうだった)

 

 大正時代に亡くなった瑠璃にとって『抱擁』の意味はとても大きい。

西洋式のダンスでも、あそこまで密着することはない。


「瑠璃? なんて恰好をしてるの」

 

 会議から帰ってきたのか、正装をしている神様が瑠璃を見るなり、呆れた声を出した。


「今日は瑠璃の命日だろう? 初めて地上に降りて疲れちゃった?」

「……うん、疲れた。ねぇ、神様」


 抑揚のない声で瑠璃が呼ぶと、「なに?」と優しい声が返ってくる。


「私、やっぱり試験受けない」

「どうして?」

 

 心配そうに神様が瑠璃の顔を覗き込んだ。


「やめるの」

 

 ただそう言うだけの瑠璃の頭を、神様は静かに撫で続けた。

お読みくださり、ありがとうございました。


ラストは変わりません。


しかし、途中でかなり改稿および加筆修正しながら進んできたので、辻褄が合うようにラスト直前を練り直し中です。


愛想を尽かさずに、お付き合いいただけましたら幸いです。


どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] あららら。瑠璃ちゃん、抱擁でショック受けちゃったのかーーー。 大正だもんねー。 男女七歳にして席を同じうせず!! [気になる点] 生まれ変わって、ちょいと学びが必要かな笑。 圭祐と菜摘、…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ