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俺の天職はダンジョン管理人らしい  作者: 白井木蓮
第十一章 マナの守り人

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第四百三十三話 一次試験結果発表

 ユウナはなにを隠してるんだろうか。

 騎士に関することは間違いなさそうだが……。

 試験を受けてる騎士は数人じゃなくて数十人とかか?


 そんなモヤモヤした気持ちのまま、一次試験の結果発表の時間になってしまった。


「十四時になりましたので、一次試験の結果を発表いたします」


 エマの言葉にもどこか緊張してる様子が見受けられる。

 受験者のみんなが朝以上に緊張した顔でエマのことを見てきてるからな。


「一次試験の通過者は二百六十五名です。予定してた人数よりも大幅に多くなりましたが、これもみなさんが優秀だからだと思います。では時間もおしてますのでさっそく発表に移りたいと思います」


「「「「……」」」」


「発表は転移によって行わさせていだたきますのでご了承願います。惜しくも不合格となった方には最初の説明会場へと強制転移してもらうことになります。この場に残った方は次の試験へとお進みいただけることになります。今と変わらずここに私がいれば一次試験通過、私ではなくて男性がいれば不合格と思ってください。では今から一分後に転移を発動いたしますので、その場でお待ちください。転移十秒前に一度お声がけします」


「「「「……」」」」


 受験者たちはこの一分間をどう感じるんだろう。

 長いか?

 ドキドキで心臓が飛び出そうか?

 こんな発表方法はやめてくれって思ってる人もいるかもしれない。


「十秒前です」


 みんなが祈るような気持ちでエマを見つめる。

 目を瞑っている人も結構いるな。

 次に目を開けたときに天国か地獄かわかるってわけか……。

 目の前にいるのは天使か悪魔か。


 そして時間が来た。


 受験者たちは目の前の光景を一瞬で理解する。



「よっしゃあぁぁぁ!」


「良かったぁ~~~~」


 通過者は喜びと安心が半々って感じだな。



「「「「……」」」」


 一方、説明会場に強制転移させられた人たちはその現実にショックを受けている。


「みなさま、お疲れ様でございました。今日の経験は絶対に無駄にはなりません」


 セバスさんによる慰めの言葉が始まった。

 みんな呆然としてるから声が届いてないかもしれない。

 こっちはセバスさんに任せよう。



「まずは一次試験通過、おめでとうございます」


「「「「ありがとうございます!」」」」


 見た目からしても天使と悪魔だな。


「ですがまだ一次試験を通過しただけですので気は抜かないようにしてくださいね」


「「「「はい!」」」」


 なんかウチの冒険者みたいに見えてきた……。

 今から落ちる人もいるんだからな?


「次に行われますのが最終試験となります」


「「「「おおっ!?」」」」


 通過人数が多いからまだもう一つくらいあると思ってたかもな。


「試験の内容は、面接です。お一人様約三分~五分といったところでしょうか。なお試験結果は、各自の面接試験が終了後三十分以内に封書でお渡しします。すぐに中に入ってる合否通知書を確認していただき、残念ながら不合格となられました方はその時点で試験は終了となります。パラディン隊と王国騎士隊、どちらか一つにでも合格された方は、本日の試験終了後の夜に行われます合格者説明会にご参加ください。それまでの時間はどこにいらっしゃっても結構ですが、受付から外に出られる場合や、早々と合格を辞退してお帰りになられる場合は一言お声がけしてから出られるようにお願いいたします。」


 受験者たちがざわつき始めた。

 聞きたいことが色々あるんだと思う。


「夜に説明会となるとさすがに時間も時間なので、合格者の方には当ダンジョン宿屋の部屋を一泊無料でご用意させていただきます」


「「「「おおっ!?」」」」


「王国騎士隊にのみ合格の方も対象となります。それと大変心苦しいのですが、不合格となった方は料金を支払われてご宿泊いただける場合でもバイキング会場はご利用できません。その代わりといってはなんですが、半額の50Gでご宿泊していただくことができます」


 混乱を避けるためには致し方ない。

 遠いところから来てる人も多いだろうから宿泊を拒むわけにはいかないし。

 せめて浮いた50Gを使って自動販売魔道具で料理を購入してほしい。


 ただし、一次試験を不合格となった人の宿泊は断ることにしてる。


 まだ夜まではたっぷり時間もあるし、マルセール駅の宿屋案内所を利用してもらえばきっと宿も見つかるだろう。

 それに隣村にも宿屋システムを導入したから、マルセール駅の宿屋案内所からは近隣三つの村にある宿屋の予約だってできる。


 村側から宿屋を探すには、駅の管理室にある相談窓口に来てもらうことになるけどな。

 本来は宿屋協会の仕事だが、村に宿屋案内所はさすがに必要ないだろうし、宿屋協会はそこに人員を割くことはできないらしいからウチの駅員たちが仕方なくやってる感じだ。

 まぁ駅員も増やしたから仕事量的には少し余裕があるみたいだし、宿の部屋を探すのも楽しそうにやってくれてるからいいんだけど。



 おっと、俺がこんなことを考えてるにも話は進んでいるようだ。

 面接試験の話に入ってるってことは俺たちもそろそろ移動しないと。


 お?

 一次試験不合格者が集まってる説明会場ではセバスさんの話が終わり、受験者が部屋から出ていき始めた。

 まだ残っている人は、このあとにある大樹のダンジョンの新規冒険者向け説明会を聞いてくれるってことだな。

 こんな空気の中で説明を担当してもらうシンディにはツラい役回りになるかもしれないが、これも仕事だ。

 宿屋の説明もあるからシンディかリョウカがベストだし。


 新規で冒険者になってくれた人は当日分の宿代が無料になるし、例えウチのダンジョンで修行する気がない人でも説明を聞いてくれたほうがお得なんだけどな。

 もちろん今からの面接に不合格となった人向けにもあとでこの説明会を数回やる予定だ。

 説明を聞かずに50G払って宿泊しようとしてくれる人にも当然説明はする。

 でもわざわざ冒険者カードを作ってまでは宿泊したくない人もいるだろう。


「お兄、行くよ?」


「ん? あぁ」


「大丈夫? ちゃんと不合格にできる? 流されちゃダメだよ?」


「たぶんな。ララのほうこそ恨まれるような面接の仕方はするなよ?」


「そんなのわかんないもん。だから自然体でいくしかないね」


「まぁな。それよりこの人たち、もう普通に座らせてあげてもいいんじゃないか?」


「私はなにも言ってないもん。さ、行こっか」


 部屋の後ろの壁沿いにはシャルル、ジェラードさん、騎士隊長、そして残りの騎士たちが全員横に並んで正座している。

 凄い光景だ。


 さっきシャルルが審査室に戻ってきて、ララが全てを知ってしまったことをユウナから聞かされると、急に正座で座り出した。

 そしてほかの面々も戻ってきて、シャルルが正座してることとララの様子を見て、みんな勝手に正座をし出した。

 リアムさんとダイアナさんはさっきまでの席に普通に座っている。

 さすがにこの二人は堂々としてなきゃいけない立場なんだろう。


 でもいったいなにを隠してるんだ?

 気になって仕方ないが、ララも俺に言わないということはそこまでたいしたことじゃないんだろう。

 まぁさすがにこれ以上内部情報を探るようなことはしてこないと思うし。


 カスミ丸も受付のどこかで正座してるはず。

 カスミ丸だけはララから相当お叱りを受けてたからな。


「ララはしばらく戻ってきませんからもう普通に席に座ってくれていいですよ」


「いや……せめてララちゃんが面接を開始するまではこのままで……」


 ジェラードさんは真面目なんだよな。


「ロイス……あとで絶対話すから……」


 なんで今じゃなくてあとなんだよ……。


「お兄ちゃん、早く行かないと」


「そうだな。じゃあバーゼルさん、行きましょうか」


「あぁ。楽しみだね」


 こちら側の面接試験官は俺、マリン、バーゼルさん、それと騎士の方一名。

 約九十人の面接か。

 時間にしてだいたい四~五時間。

 先は長そうだ……。


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