幕間「名探偵の見落とし」●
神視点でのお話です。
船が到着してからしばらくした後、ムラサイから離れた海岸にダーン伯爵は立ち海を眺めていた。
「名探偵の推理ショー、予約をして乗客人数を減らしたにも関わらずそんなものが始まるのは予想外でしたが邪魔者を排除するのに役に立ってくれましたよ。ありがとうございます名探偵さん。そしてあのベアドとかいう魔法使い、金に釣られてまんまと言う通りに動いてくれました。今頃は彼も死んでいる頃でしょうが大賢者の1人を仕留めたとなれば本望でしょう。ククッ」
上機嫌な様子で伯爵は続ける。
「しかし疑われずに港までつけば何とかして脱出させるなんて嘘を本気にしてゴブリンはおろか透明人間なんて言い出した時には部屋に入られ可愛いコウモリたちが見つかりでもしたらどうしようかと思いました……が、元魔法鑑定士自分でも上手く考えたものです。クククッ……おや? 」
ふと、彼は目を見開いた。空に浮かぶ何かに気が付いたようだ。
それは十数匹のコウモリだった。
彼はコウモリを愛おしそうな目で見つめ、近付いてくるコウモリを迎え入れた。そのコウモリたちの口からは血がしたたり落ちていた。
「ご苦労様、あまり美味しくはなかったでしょうに。ククッ」
彼はそう言いながらコウモリの1匹を撫で口角を吊り上げる。
「ですが、もうしばらくすれば貴方方に美味しい血を飲ませてあげますからね。キュキュッ」
興奮したのか彼の立派なスーツがもぞもぞと動く。やがてそこからスーツを突き破り悪魔のような羽が飛び出できた。
「ダイヤ・ガーネット……いずれ貴方にも兄の後を追わせて差し上げますよ。キキキキキッキキキキキキーキキキキキ」
ひとしきり笑うとコウモリと共に伯爵は夜の空へと羽ばたいていった。
これから伯爵の動向のときはこのような書き方でタイトルには●をつけさせていただきます。よろしくお願いします。




