4-15「ゴブリンの捜査」
ダイヤの魔法によりキーホルダーより一回り位小さくなってスペードの掌にプーテちゃんこと俺達の世界のセロハンテープにより張り付いた俺は彼女と共にそのまま部屋を出る。
セロハンテープは初めてのはずなのに切った端と端をくっつけて両面テープを作るダイヤの応用力には驚かされる。
「きゃっ! 」
「大丈夫かい嬢ちゃん」
丁度犯行が起きた現場を通った時にダイヤが転んだ。それを見てガタイの良い日に焼けた船員が心配そうに駆け寄る、勿論これは意図的なものだ。隙をみてスペードは自分の身体を死角に廊下で張っている船員にも見えないようにテープ毎俺を砕かれた扉の隙間から部屋の中へと放り込んだ。
投げられた俺は死体の近くの絨毯に着地する。力を振り絞りテープから身体を剥がす。
「うまくいった」俺はそう思いながら起き上がり室内を覗きながら歩いていく2人を見送った。犯行現場だけあって室内に小麦粉は撒かれていない。ダイヤの話によると伯爵が見ただけで透明人間はいないと判断されたようだ。
船員がこちらを振り向かないのをいいことに捜査を始める。まず乾いた血だまりの中にある木片を1つ取った、そして裏を見ると木片は血で濡れていなかった。
つまり、扉が壊されたのは犯行の後ということになるのか……
次に凶器を確認する。凶器はガラスの置物で被害者の側に無造作に転がされていた。ゴブリンがこじ開けたという鉄製の通風孔は証拠としてしまってあるらしい。
よし、この状況なら上手くいけば犯人を追い詰めることが出来るぞ!
俺は悪戯をしようとする子供のように意地悪く笑った。




