2-26「ペーパーテスト」♢
私は今洞窟内でのペーパーテストを受けている。
冒険者の試験第一試験が洞窟内でペーパーテスト───冗談だろうと最後まで信じたくはなかったがどうやら夢ではないみたいだ。
洞窟内の広間には幾つもの机と1人の試験官らしき兵士の人がいて紙と羽根ペンを渡され荷物を机の下に置き着席するよう促された。
私は指示に従い着席をしてテストを受ける。制限時間は特に無いようだ。
何か釈然としないけど頑張ろう。
気持ちを切り替えて名前を記入し設問に目を通す。そこには以下のように記されていた。
第1問 この国スウサの首都を答えよ。
問題も何か普通!!!ううう………………想像していたのと全然違う。恐らくサービス問題だろう。
私は躊躇わずに解答欄に【ニンビギ】と記入した。
第2問 スウサの国王の名は
スウサの国王の名前………………確かオース王だ!
解答欄に【オース王】と記入する。
第3問 オース君はリンゴを3つ購入した後何となくでブドウを3つ購入しました。全部で幾つのフルーツを買ったでしょうか。
あれ………………王様の名前オースじゃなかったかな!?王様が君付けで設問に登場!?
王様が設問に登場するというインパクトに奪われ第2問の解答に自信が持てなくなり解答を書き換えようとする自分を制し第3問の解答欄に【6つ】と記入した。
第4問 パンはパンでも食べられないパンは?
またもやサービス問題だ。答えはフライパン!───いや、カビたパンも食べられない!!床に落ちたパンとかも食べたくない!!!単純にみえて色々な回答が予想できる問題だ。
正解はどれだろう?記入欄は1つしかないから1つしか書けない!!そこにとある発想が生まれた。カビたパンも床に落ちたパンもやりたくはないが一応噛んで飲み込むことはできる!しかしフライパンは噛んでも噛み切れず飲み込むことも出来ない!
───答えはフライパンだ!!!
私は【フライパン】と記入した。一番ポピュラーな回答としても安全だと思う。ここからは職業志望別の選択問題のようだ、魔法使いの設問を確認する。
第5問 冒険者の資格を現すバッジに刻まれている生き物は?
またまたサービス問題!?冒険者バッジ───金色に輝くバッジにはこの世界の守り神と言われているペガサスが刻まれている。ならどうして魔王を野放しにしているのかと問いただしたいところだがやはり言い伝えの生き物ということだろうか?
私は解答欄に【ペガサス】と記入した。
ここからは職業志望別の選択問題のようだ、魔法使いの設問を確認する。
第6問(魔法使い志望者解答)今では会得するのに厳選な審査が必要となる魔術を3つ答えよ。
いきなり専門的な問題に変わった!?
問題の急な難易度の変化に驚きながらも記憶を頼りに答えを探す。
答えは『透明になる魔術』、『眠らせる魔術』、『小さくする魔術』だ!理由は───詳しくは知らないけど本来モンスターや冒険用に使う魔術なのに人に対して使用すると悪用する者が増えたから、と先生は言っていた。
私は解答欄に【透明になる魔術、眠らせる魔術、小さくする魔術】と記入した。
第7問(魔法使い志望者向け)最強の攻撃呪文を答えよ。
答えは簡単だ!炎、氷、電撃に風と4つの属性攻撃が存在してそのどれも強化するとすさまじい威力を発揮するがそれすらも凌駕する最強の攻撃魔術───爆発魔法だ!
爆発魔法、『イクスプロージョン』は言葉にするのも恐ろしいほど強力故に放つのも至難の業で私の学校でも放てるのは先生1人しかいなかったそうだ。その先生が放つのを側で1度見せてもらったことはあるけど威力を最小限に抑えて他の先生方が総動員で『シルド』を貼る中空に放っても『シルド』が揺れてひび割れるほどだった。
あれを使うことができれば魔王を相手にするには心強いのだが、私は使えるのか分からない。理論は聞いていたものの実技となると初めての実技での出来事がトラウマとなり見学をせざるを得なかったからだ。
難解な呪文とあり私のクラスではあの優等生のサマンサでさえも放つことはできなかったようだ。
このままではいけない───
そう心に強く刻みつけながら回答欄に【イクスプロージョン】と記入した。
「終わりました」
他に試験を受けている人がいないので声をかける、すると兵士の試験官らしき人がこちらにきてテストを渡すよう手を差し出したので手渡す。
「採点のため少々そちらでお待ちください」
彼はそう言って再び席に就き羽根ペンで採点を始めた。ピッピッと音がしてもしかして間違えていたのだろうかと不安になる。やがて羽根ペンが止まった。兵士は立ち上がりこちらをみて口を開く。
「おめでとうございます、ペーパー試験は無事通過となります。次は実技試験を行います」
「実技試験? 」
「はい、奥の部屋で行います」
再び男の人についていく。
やっぱりあった実技試験、恐らくこれが本番なのだろうが一体何が行われるのだろう?
私はギュッと杖を持つ手に力を込めた。
「こちらです」
案内された部屋は小さな部屋だった。私の部屋と同じくらいの大きさでここで実技となると逃げ場はほとんどない。でも何かがおかしい、辺りを見渡して違和感の正体に気付いた。
この部屋───私たち以外の人がいない!一体試験の相手は何処に───
「あの、私の試験の相手の方は? 」
試験官の人に問う。
「それなら心配ありません。私が貴方の対戦相手です。私を倒したら合格となります」
そう言って試験官の兵士は木刀を構えた。
「それでは実技試験、開始!!! 」
洞窟内に大きな兵士の声が響いた。




