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16‐7「最後の攻撃」♢

「トーハ……さん……? 」


 目の前で倒れた彼を見て何とか体を起こすも空しく魔王が起き上げり彼に近付いていく。


「ふはは、残念だったな。我の作戦は成功した、この転生者か向こうの剣士かどちらかでも封じ込められればいいと考えていたが。上手くいったぞ」


 得意気な魔王を見て何が起きたのか悟った。彼は今、私の時と同じように伝説の武器の試練を受けているのだろう。


「でも、試練だなんて……どうして」


「愚かな、我は強引にこの剣を使っていたのだ。そこに新たな適性を持つ者が現れたら試練を受けることになるだろう。最も、その結果がどうであろうともう起き上がることはないがな」


 魔王はそう言うと彼に掌を翳す。


「……マズい」


「トーハさん」


 彼の前に行こうとするけれど力が入らない。クローバーさんも同じのようで最悪の予想が浮かび上がる。思わず目を閉じてしまいそうになるその時だった。


「やらせるかよおおおおおおおおおおおおおおおお! 」


 スペードさんが声を上げて素早くトーハさんを抱えると戻ってきた。魔王はその様子を見てふんと鼻を鳴らす。


「『シルド』! スペードさん、ありがとうございます」


『盾の魔法』を展開すると私は彼女にお礼を述べる。


「何とか間に合ったみてえだな」


 スペードさんは息を切らしながら言った瞬間、消えかけていた彼女のオーラが消えてしまい彼女の顔が苦痛に歪む。


「『ヒール』! スペードさん、休んでください」


 私はそう口にすると魔王を見つめる。これは私達をみて不敵に笑う。


「それで、これからどうするのだ? 転生者も剣士も弓使いも皆動けないではないか。もう貴様等に打つ手はないだろう。終わりだ、いや冥土の土産に見せてやろう」


 そう言うと魔王の身体はみるみる大きくなった。何ということだろう、魔王は人間のカワを捨ててみるみる大きくなった。大きく鋭い目と口に巨大な角、その姿は前に本で見た悪魔そのものだった。余りの大きさに驚いている間に魔王は掌を翳す。


「『デモンズボール』! 」


 たちまち巨大な球体が私達目掛けて襲い掛かる。けたたましい音とともに魔王の魔法は消え去る。でも、私の盾には僅かにヒビが入っていた。


「ほほう、この攻撃を防ぐとは見事な。ではこれはどうかな。『デモンズペイン』! 」


 先ほどよりも大きな球体が私達を覆う。


 もう、勝ち目はないかもしれない。私は『ワープ』の準備に入る。でもそこでもっと確実な方法があることに気が付いた。

 今、魔王は油断をしている。チャンスは今しかないかもしれない。私は杖を構える。


「ほう、この状況でどうするつもりだ? もう貴様に先ほどのような魔法を撃つような力は残っていないだろう」


 魔王が嘲笑する。その通りだった。でも、1つだけ方法がある。それに魔王も気が付いたようだった。


「まさか貴様、己の命すら燃やし尽くすつもりなのか? 」


 それを聞いたスペードさんとクローバーさんが私に視線を向ける。


「いや、それはないか。そんなことをして万に一つ我を倒せても貴様自身に利益は何一つとしてないのだからな」


 魔王が笑う。そう、魔王は知らないんだ。こういう誰かのために自分が犠牲になるなんてことは最初から頭にないのだろう。それが今大きなチャンスになった。最後にとスペードさん、クローバーさん、そしてトーハさんの顔を見る。


「トーハさん、私。待っていますから」


 上手く笑えていたか分からないけれど晴れやかな気持ちでそう告げると魔王を見据え杖を構える。この一撃に全てを燃やし尽くそう。


「『イクスプロージョン』! 」


 最期の力を振り絞って呪文を唱える。たちまち爆発が起きて魔王の姿が消えた。

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