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2-13「ゴーレム始動」

「うーん、トーハさんと私で2回踏むとどうなるのでしょうか?もしかして2回矢が出てくるんじゃ……」


「その可能性も考えられるね、2回目がどうなるか分からないしできれば1回で行きたいなあ」


 落ち着いて状況を整理する。

 試練達成の証であるものを手に入れるためには先へ進まないといけない。しかし中心に近付くと重さに反応するのか無数の矢が飛んでくる。

 ………………これしかないか。


「よし!俺が中心まで君を担ぐ、矢が出てきたら盾の魔法を使って! 」


「は、はい! 」


 俺は彼女を担いだ、これなら踏むのも1回で済む。そのまま前に進み中央付近の石に足を乗せた。


 カチッという音とともに辺りから無数の矢が飛んでくる!


「お願い! 」


「はい!『シルド』!!! 」


 彼女が呪文を唱えるとともに周囲がシールドで覆われる。幾ら四方から来る矢でも全方向に盾をはれば問題ない!矢は勢いよく盾に当たるもそこまでだ。矢は盾を貫くことなくポロポロと地面に落ちてゆく。

 やがて1回で投擲する矢が尽きたのか投擲がピタリと止まった。


「ありがとう、前に進むときにもう1度どこかで来るかもしれないから覚悟しておいて」


 俺はお礼を言いつつも彼女に警戒を怠らないように頼む。


「もう1度ですか? 」


「うん、こういう踏むタイプのスイッチの場合は一回押すと凹み離れると再び元の位置に戻る。戻る時にわずかなスイッチの上昇がトリガーとなってもう1連射来る可能性も考えられる。あの死体も死後受けた可能性もあるわけだから」


 少し慎重すぎる気もしたが、用心することに越したことはない。何かあってからでは遅いのだ。


「行くよ! 」


 俺は深く深呼吸をしたあと一歩一歩前に進む。4歩目でカチッという音がしたが………………矢は飛んでこなかった。


「ごめん、どうやら警戒しすぎたみたいだ」


 安堵のため息をしながら彼女に謝罪する。


「いえ、用心するのに越したことはありませんから」


 彼女がフォローをしてくれる。側の崖から落ちたくはないが穴があったら入りたい気分だった。


 それから少し進むと階段が見えた、さらに下があるらしい。階段に油が塗られて滑りやすくなっていないかなどを確認しながら下っていく。



「どうやらまだ先があるみたいだ、今ので試練としては十分な気もするけど」


「王様もそれほど本気ということなのでしょうか? 」


「うーん、冒険者を試すにしても君みたいに全方位に盾を貼れるものがいないパーティーだと突破できるかはわからないし、それもどうかと思うけどな」


「今の時代、こういった罠を突破できる人と一緒ではないと冒険者としてはやっていけないから認められないということでしょうか? 」


「だとしたら、そんな凄い魔法使いと一緒にいる俺は凄いツイてるってことになるのかな? 」


 ちょっと恥ずかしかったが、思っていることを口にしてみた。


「そ、そんな………………私だって盾の呪文以外他に取柄はありませんし、それにトーハさんがいなかったら串刺しになっていたかもしれません! 」


 彼女が応える。俺は「ありがとう」とお礼を言った。


 そんな会話をしながら進んでいくと遂に階段の終わりが見えまたもや左手側に岩の形を模しながらも取ってのついている扉が見える。


「やっぱりまだ何かあるみたいだ、とりあえず深呼吸しよう」


 2人で深呼吸をして勢いよく扉を開いた。


「……………………っ! 」


 部屋を見てまず視界に入ったのが大きな岩と見間違えそうになる身体全体が岩で作られたものだった。


「………………ゴーレム! 」


 俺は脳内から瞬時に敵の特徴と該当するモンスターの名を探し出し口にしていた。奴が暴れまわったのだろう。中はスライムが見つけたときよりも広く高さもあるが所々破壊された跡がある。そして破壊を免れたのか何本かの骨が散らばっていた。


「お休み中………………ということでしょうか? 」


「だといいけど………………」


 敵が本当に眠っていてその隙をみて向こうの通路に行く!………………それができたらどんなに楽なことだろう!テレビとかでもそれを主人公たちは試みるも大抵は失敗してしまう。しかし、死体は白骨化している!何年もの見張りに疲れ眠ってしまったということも………………

 

 そんな淡い期待をしながら入り口に1歩踏み出す。俺が部屋に足を踏み入れたその瞬間だった。


「ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!! 」


 けたたましい雄たけびとともにゴーレムが動き出した。


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