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15-21「踏破VSクローバー」

 御前試合当日、俺達は本拠地である山の洞窟前に集っていた。


「貴方の剣士相手に『強化の魔法』を使用させた後『盾の魔法』で攻撃する作戦、お見事です。私は残念ながら迎えませんがご健闘をお祈りします」


 出発前にヤギリさんが申し訳なさそうに言うもスペード達と情報を共有している俺は素直にその言葉を受け取ることが出来なかった。

 彼はスペードの代わりにクローバーが出ることもクローバーが盾を貫通しうる魔法を使えることも話さず1枚の手紙に記された森入り口近くの草原で御前試合を始めるという条件を飲み込むよう促した。どうやら人間側を勝たせることにしたようだ、もしくは……


「行くぞ! 期待してるぞキング、俺達に勝利を! 」


 考え込んでいると王様が鍵の入った箱を片手に大きな声を上げ出発の合図をするとたちまち全兵士が歩みを始める。それを見て出場者兼それまでの王の護衛役である俺も歩き始めた。



 試合場所には既に人間側の兵士が集まっていた。


「やれやれ、人を待たせるだなんてやはり貴方は王に相応しくないのでは? 」


「何を! 記されていた日が昇りきる時までには間に合ったではないか! それなのに嫌味ったらしい貴様こそ王に相応しくないわ! 」


 王同士各軍の兵士を挟んでのいがみ合っているのを確認しながら俺は前に出る。すると同時にゴブリンシャーマンが王の前に集まった。

 狙撃など万が一の時に『盾の魔法』を使用するためだ。同じく人間軍の王の周りにも魔法使いらしきものが現れ囲む。

 その様子を眺めなら何やらざわつきながらもモンスター達が分けてくれることでできた道を歩きながら試合場所を目指す。そこには既に木々の生い茂る森の入り口をバックにクローバーをが立っていた。


「なっ……剣士じゃない」


 モンスター達の反応から俺もクローバーだというのを知らないのだと気付き驚いて見せるとクローバーが得意気に笑う。


「……宜しく」


 その様子を見て漸く事態が飲み込めたのか王が声を上げるも既に人間側の歓声に飲まれて不可能だった。


「「それでは御前試合開始! 」」


 一歩前に出た司会解説役らしき人間とモンスター1人ずつが大声を上げる。その声とともに試合が始まった。


「おおーっとまずは我らがジャックが動いた」


 開始早々素早くクローバーが真後ろにあった木の上に飛び乗ると姿を消した。俺はそれを見て剣を構える。


「なんとゴブリンキングは矢を剣で弾き返すつもりだ! なんたる無謀! 」


「いや彼ならやってくれるでしょう」


 解説により周囲が息を呑む。確かに何処からともなく来る矢を避けるのは難しい、でも……

 ガサガサと僅かに一本の木の枝が揺れ緑の葉が音を奏でる。これがクローバーからの合図だ、これからフェイクのために移動を交えるも今の場所から構えた剣目掛けて矢が放たれる。


 俺は彼女が狙いやすいように剣を右手で前へ炊き出し刀身を傾ける。すると素早く矢が放たれた。俺は剣を持つ手に力を込める。


 キン!


 程なくして矢が真っ二つになった。


「うおおおおおおおおおおお」


 会場から歓声が上がる。これなら時間が稼げそうだ。


「頼む」


 小さく呟くと僅かにダイヤが立っていたであろう王の横を盗み見て呟いた。

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