2-6「冒険者になるための試練」
「すみません、すぐに冒険者登録ができないというのはどういう……」
私は思い切って尋ねる。父からも兄からもそんな話は聞いていない!てっきりこの場でできると思っていたのだから理由を尋ねずにはいられなかった。
「というのもな、この何十年と魔王が現れてから毎年18歳以上の志望者を何人も送り出してきた。1人1人に資金などの支援しながら、だ。中には冒険者を偽って支援金だけを受け取り雲隠れした不届き者もいるとのことだがそんなのまだいいわい!ワシは何人もの冒険者を送り出したにも関わらず未だに魔王を倒したという報告は1つとしてない!皆冒険の途中で倒れたのだろう……ワシが殺したようなものだ!このワシが!何人もの冒険者を!何人も!殺したのじゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!! 」
「っ……王様!ご無礼をお許しください! 」
「落ち着いてください! 」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおう! 」
高ぶり立ち上がり自分をポカポカと殴る王を護衛の2人が手を押さえて宥める。
「ハア……ハア……見苦しいところをみせてすまなかったな。ともかくそういうわけだ、ワシはこれ以上みすみす冒険者を死なせにいかせるのは耐えられん!なので試練を課しそれを乗り越えたものしか冒険者と認めんことにした!!!ところでダイヤ、オパールから聞いたのだが其方は攻撃系の魔法が使えないということは本当か? 」
「……はい」
私は正直に答える。
「学校からの成績をみると、攻撃系は最低評価で回復は可、防御は優……か。これでは一人では厳しいかもしれないな、誰か連れのものは? 」
「1人……います」
まさか旅に出れない、このままトータスにとんぼ返りするかもしれないという可能性を突きつけられ冷や汗をかく。
「そうか、ここにいないことをみるとどうやら既に冒険者としての登録は終わっているようだ。ならば大丈夫だろう。もし不安なら酒場で仲間を探すといい」
王様はすっかり安心した様子だったがもう1人は冒険者ではないのです、と私は心の中で答えた。
「さて、話を戻そう。肝心の試練の内容だが……其方にはここから南東の洞窟にある『とあるもの』を取ってきてもらいたい! 」
「『とあるもの』……とは? 」
思わずオウム返しをしてしまう。
「なあに、無事に奥までたどり着ければわかる。それでは、達者でな」
王様が笑顔でそう言った。どうやら話はこれで終わりのようだ。私は深々とお辞儀をして玉座の間を後にした。
『とあるもの』って何だろう……?それ以前に洞窟はどこにあるのだろう……?




