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7-4「王宮到着」♤

王宮前にきたスペード視点でのお話です。

 大通りを歩くこと数十分、果てに見えたスライムがてっぺんにいるような小さな王宮が近付くにつれ徐々に大きくなっていき、遂に目的地の宮殿へとたどりついた。


「おっし、到着だな! 」


 オレは景気よく声を張り上げてダイヤに声をかけるも彼女は浮かない顔をしていた。


「どうした? 」


 尋ねると人差し指を重ね合わせもじもじとしながら彼女が口を開く。


「あの、これからどうしましょうか? 」


 彼女の言葉を待っていたとばかりに銀色の鎧に兜と武装した守衛らしき兵士が一斉にこちらに鋭い視線を向ける。


 なるほど、それは…………考えていなかった。


 怪しいものではないと示すために両手を挙げながら考えが及ばなかった自分を呪った。


「すみません、てっきりスペードさんに何か考えがあるのかと」


 念のため王宮から距離を取った通りまで戻るとダイヤが謝罪をする。


「いや、オレこそ考えなしで悪かったよ。ダイヤは何か考えはないのか? 」


 声を潜めて彼女に尋ねる。


「そうですね、透明になっても暗殺を警戒して魔法管理官の方がいらっしゃるでしょうから不可能そうですし……そもそもそれは不法侵入で」


「ニンビギの時は冒険者になるってことで会えたには会えたが、それでも予約を取らなければならなかったからなあ」


 完全に手詰まりだ、頭を掻く。このままじゃディールに迷惑をかけただけでオーブの収穫はゼロだ。


「いや、待てよ……」


 案が1つ浮かんで思わず掌をポンと叩く。


「もう、ありのままの状況を伝えようぜ! 」


 こういう時は正面突破あるのみだ! ダメだったら潔く帰ろう!


 オレはそんな晴れやかな気持ちでダイヤに告げる。すると彼女は数秒沈黙して何かを考えた様子の後に顔を上げる。


「そうですね、オーブの件はご存じの方には貴重なお話ですがそうでない方からするとオーブと聞いても意味が通じないかもしれませんから」


「んじゃ、決まりだな! 」


 オレはそう言うと再び王宮へと歩いていった。


「オレ達はオーブを探してんだ! 」


 王宮にたどり着き二人いる守衛の背が高い方にそう伝えると守衛は「はあ」と肩をすくませた。


「どうやらオーブのことは知らないようだな、帰ろうぜ」


 オレがそういって踵を返して帰ろうとした時だった。


「失礼を承知でお願いします。どうかオーブのことを王様にお尋ねください」


 ダイヤが守衛に近づき縋るように言う。すると彼は心を動かされたのかもう一人の守衛に何やら囁くとダイヤに視線を戻す。


「それじゃあ、今から尋ねてきますので少々お待ちを」


 そういうと門を通り駆け足で王宮の中へと入っていった。


 待つこと数分


「オーブですと! ? 」


「は、はい! 」


 そんなこの世のものとは思えない悲鳴が聞こえたかと思うとともに扉が開き先ほどの兵士と小太りの40代ほどの黒いスーツに身を包んだ男が慌てて走ってくる。


「失礼しました……ハア……あなた方、伝説のオーブを……ハア……お探しで! ? 」


 息を整える暇も惜しいとばかりに男が尋ねる。


「は、はい! 」


 ダイヤが元気よく答えると男は身体を再び王宮の方へと向けた。


「失礼しました、王様がお待ちです。どうぞこちらへ! 」


 まさかこんなにうまくいくとは……


 呆気に取られていると同じことを考えていたであろう、目を丸くしているダイヤと目が合った。

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