6-16「ゴブリンVSリザードマン」
「それでは試合、開始いいいいいいいいい! 」
試合開始のゴングが鳴り響く。念のため俺は2体のリザードマンが俺を倒すまでの共闘を提案したという推測が当たっているのかを試すべくひたすら距離を取る。
「ががががが」
そう笑いながら2体のリザードマンは俺を追い詰めるのを楽しみにしているように追いかけてくるだけで2体で争う気配は全くなかった。
やっぱりこいつらは手を組んでいるのか!
確信した俺はこれまでとは打って変わって一気に距離を詰める。
「ががががが! 」
それを見た左側のリザードマンが待ってましたとばかりに左手で棍棒を振るった。
しかし、事前にその行動を読んでいた俺は推測した間合いギリギリで地面を蹴りバックステップする。
ブン、と目の前を棍棒がすり抜けたことを確認した俺は再び地面を蹴り今度はリザードマンに近づき棍棒を振るった。
ガン!
「ががあああああああああああああああああ」
俺の棍棒が直撃したリザードマンはうめき声を上げ胸を押さえる。
「おい、なんだよあの威力」
「ゴブリンってあんなに強いのか? 」
「さあ、言われてみれば攻撃が当たったところなんてみたことがないかも」
リザードマンを呻かせる予想外の威力に観客がざわついた。しかし、驚いたのは観客だけでなく俺も同じだった。
何だ、あの威力……確かにゴブリンの力は並の人間と比べると大きさの割にはパワーがあるけれど相手がリザードマンとなると鎧のような身体を見てもこれほどのダメージは入らないはずだ。
考えても答えが出ないので勢いよく頭を振る。
この誤算には感謝して今は目の前の敵に集中しろ!
そう言って頬を片手でパンと叩くとリザードマンを見つめた。
「があああああああああああああああああああああああああ」
棍棒で殴られたリザードマンは隣で予想外の力に怯えているであろうか動かないものとは逆に怒りの咆哮をあげると突如俺に襲い掛かってきた。もはや我を忘れた状態だ。勢いよく棍棒を振りかぶり俺目掛けて振り下ろす。
俺はそれを右に避けて躱すと一撃が地面に炸裂し土が抉れた。すかさず俺は左手で土を拾うとリザードマンの目を目掛けて投げる。
ドン!
「がああああああああああああああああああ」
目が見事目標に命中しリザードマンは悲鳴を上げると棍棒を滅茶苦茶に振るった。
ガン!
鋭い音がしてリザードマンの滅茶苦茶に振るった棍棒の一振りが仲間のリザードマンへと直撃する。
「が……あ……」
悲鳴もなく静かにリザードマンは倒れた。
「がが? ががが? 」
棍棒を振るった方のリザードマンは感触から何を攻撃したのか分かったのだろう、突如攻撃を止め予測が外れてほしいとばかりに近くにいるはずの仲間に声をかける。
その隙をみて俺は迷わず駆けだした。気配を感じたリザードマンの右斜め上からのがむしゃらの一撃を左に避けて躱すと先ほどよりも力を込めて腹目掛けて思い切り棍棒を振るった。
ボゴォッ!
「が……」
すさまじい音とともにリザードマンが吹っ飛ばされて壁に叩きつけられる。
「リザードマンAじ、場外……リザードマンBは戦闘不能……なので勝者………………ゴブリン」
しばらくして困惑した様子の司会の声がコロシアムに響いた。




