7.「結果発表ぉぉぉぉぉ!」
「・・・」
賑やかな声に目を覚ます。
ここは・・・
ギルドか・・・。
どうやら戻ってはこれたらしい。
「首が痛い・・・」
あいつ、思いっきり叩きやがって。
首がねじ切れるかと思ったぞ。
首をさすっていると、
受付のお姉さんがこちらに気づいた。
「お疲れ様でーす。
検査結果をお伝えしますので
こちらへどうぞー」
適性検査って・・・
抱きしめられて突き飛ばして
告白してビンタされて・・・
あれで何がわかるんだ?
お姉さんは何か書類に目を通し、
しきりに頷いている。
何だ?それに結果が書いてあるのか?
「光の加護を受けたようですね。
他の属性の数値も平均より高いですし
知力も問題ありません。
素早さの高さも魅力的ですが、
筋力が平均よりやや低いのと
体力が非常に低い点を踏まえると
近接戦闘の職には向きませんね。
では、魔道士で登録しておきます!」
あ、本当に選ばせてもらえないんだ。
でも、魔法か・・・!
テンション上がってきたな!
「それにしても、
光の加護とは珍しいですね・・・」
「はい?」
「イスカ様は滅多に
お姿をみせてくれないんです。
少なくとも私がここで働いでいた
10年間は一度も・・・」
イスカ様・・・
さっきのビンタ女神かな?
「何はともあれ、すごいですよ!
きっといいことありますよ!」
お姉さんは、いい笑顔で言ってくれた。
いいこと、か。
冒険の始まりとしては幸先が良さそうだ。
少しは期待していいのかな?
「それでは本日より
アマノ・サブロー様を
登録いたします。
アマノ様、
明日からよろしくお願いしますね!」
「は・・・・・・・・・え?」
今、この人・・・何て言った・・・?
『明日』から・・・?
ゆっくりと後ろの窓を見ると、
日はすっかり落ちていた。
どうやら俺は結構長い時間
気を失っていたらしい。
きっといいことありますよ、か・・・
夜。お金なし。
異世界初日、
女神様の加護により、
野宿が確定した。