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虹竜学園の劣等生  作者: 麗羅
能力覚醒編
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1.私の日常

今日は高一の一学期の始業式。とはいえ、幼稚園から大学まであるうちの学園においては、授業がいつも通りに行われているのだが、正直言って憂鬱である。

なぜなら、さっきうちのクラスの担任である鶴岡先生に、このままでは志望の仕事に就くどころか、退学になるよと言われたからだ。


まず、ここ、虹竜学園について話そう。

虹竜学園は、世界人口の四割を超能力者が占めるこの世界で有数の名門超能力者養成学園だ。つまり、ここを出ると将来安泰なので、入学の段階でシビアな競争が起きる。更に、学力より能力重視のため、能力の強弱が全てを決める正に弱肉強食の世界なのである。

私がこの学園に入るのを決心したのは、ESP、超能力者に対して結成された超能力者による警察になりたいからだ。うちは就職率高いからね。

その志望は単純なもので、"漆黒の帳"というS級犯罪団体に両親を殺されたからである。何故、うちの両親が殺されたか分からないけど(想像はついているけど)、当時10歳だったから知らされなかったか、箝口令が敷かれたか………あれ、どっちも?

ちなみに私の能力は、テレパスとテレポートのデュオ・キャスト。あと、予知夢もかなり見るから、ある意味プレコグもある訳だ。

この通り、サポート系の能力ばかり持ってる私には、ESPに入る資格がないって言われてから、やる気が失せて今に至る。これでも、剣術と弓道が得意だから武闘派なんだけどな………。


学園では、テレパスのモノ・キャストとして過ごしてるから余計に落ちこぼれなのだけど。知らず知らずに溜め息が漏れ、隣の席の黒羽 哲夜が自習プリントからこちらに目を移す。

「どうしました?」

『ん〜?いや、鶴岡先生に退学になるよって言われてさ。どうしようと思って』

「あかりさんはモノ・キャストでしたもんね」

『ぶっちゃけ、青葉なんて学力的には雲泥の差があるし』

そう言うと、テッちゃんは苦笑した。

能力至上主義の弊害だろ、青葉って。それは、黄田にも言えるけど。あいつらしっかり勉強するべき、バカじゃ敵わないこともあるでしょ。

「でも、あかりん。半月後の試験は実技試験だよ?あかりんにはキツいだろ」

そういいつつ振り向いた降谷 充は心配そうに私を見る。

『うん。正直テッちゃんと組みたいけど…ムリ、だよね………』

そもそも、テッちゃんたちは能力別でAクラス。

対して私は落ちこぼれのDクラスだし。チラリとテッちゃんを見ると小さく溜め息を吐いていた。失礼な。

「マジバのバニラシェイクで手を打ちましょう」

『いいの!?』

「君がいなくなると僕を見つけてくれる人が減りますし」

テッちゃんはテレポートと影操(えいそう)のデュオ・キャストだもんね。

その為かは知らないけど影薄いからクラスでプリントは回ってこなかったりしてるし。(けど、授業中に寝ててもバレないのは羨ましい)

ま、口ではちょっと失礼な言い方だけど、耳が少し赤いから照れてるみたい。

「じゃ、オレらは四人で組わけるよ」

『みっちゃん。ごめんね?』

「いいよ。オレもあかりんいなくなると寂しいし」

「三人にすみませんと伝えてください」「オッケー」

話が纏まったところでチャイムが鳴る。

この自習が終われば、能力別の午後授業だ。能力至上主義の弊害は、ここでも出ていて私達Dクラスの体育館は一番外れにあるから急いでいかなくては。と、みっちゃんが慌てだした。どうしたのさww

「ヤバッ、プリント終わってない!!」

私は、笑いながら自分のプリントをみっちゃんに渡す。みっちゃんは驚いたように私を見た。

『そんなみっちゃんに貸したげるよ。なんか、テッちゃん取っちゃったし。出しといてくれればいいから』

「ありがと、あかりん。あかりんって頭はいいのに、成績悪いって損だよな」

私もそう思う。

さて、そろそろ行かないと間に合わないや。テレポート使えない(学校に言ってないから)し、急がなきゃ。

『じや、また明日』「またな」「また明日」

私は教室から駆け出した。

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