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文太と真堂丸   作者: だかずお
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続 それぞれの闘い




文太と真堂丸



~ 続 それぞれの闘い ~


ザーッ ザーッ

雨は依然勢いよく降り続いている


城の中

「一体何が起こってると言うんだ?」殿は唖然としていた。

音は確かに聞こえる、刀のぶつかり合う音

しかし、速すぎて姿がとらえられないのだ。


「納言よ、光真組の一番隊長とはこれほどまで強かったのか、もしかしたら、暗妙坊主に勝てるんじゃ?」

納言は闘いを、ただじっと見つめていた。


「お前、やるじゃないか 驚いたぜ」

暗妙坊主は刀を舐め、再び構え直す。


誠も刀を構え

再び激しい攻防が始まった

キィン キィン キィン キィン

誠の身体が一瞬後ろに下がった様に見えた瞬間

すぐに凄まじい速度の突きと化した

刀で防いだ、暗妙坊主の身体は吹き飛び壁を破り廊下の奥に吹き飛んで行った。


ドゴオオオーン


「やったか?」と納言


「あれくらいじゃ、奴は死にません 御二方 下がって」


暗妙坊主はすぐさま立ち上がり

「いてぇな、こいつはきいたぜ」

顔にはおびただしい血管が浮き上がっている。


烏天狗の子供達とやり合う、清正達は苦戦の最中にいた。

二対二になったものの、清正の傷はかなりの重傷 目に映る景色はぼやけ始めていた。

このまま、俺が倒れたら平門は一人になり確実に二人の天狗にやられる、天狗の息の合は絶妙。

せめて、一人ずつにして闘えばまだ勝機があるやも。

清正の即断だった。

「平門、別々に闘うぞ」


「正気か? その傷で間違いなく死ぬぞ」


「このままでもな」

清正は平門に目を合わせ言った。


「すぐに片付け、そちらに向かう、それまで耐えてくれ」

天狗達に勢いよく向かい出す平門


キィン

「僕ら二人の間に飛び入るとは、どんな作戦だい?」


「背中が、がら空きだよ」


キィン

「お前は俺が相手だ」


「あー僕達をばらばらに戦わせたいわけね、その傷で得策とは言えないよね」


「うおぉぉぉぉーっ」清正は天狗に力いっぱい踏み込んだ。


ガキィン

「死に損ないが、まだこんな力があるのか」

刀を交わらすうちに平門にはある確信が生まれていた。

一対一なら己に分がある。

なるべくはやく決着をつけ、すぐさま清正のほうに向かう。

だがその時だった。


ドサッ

「あらららららら」

その背後から聴こえる言葉に平門の全身の血の気がひいた。

そしてすぐ様後ろを振り返った。


「お仲間勝手に倒れちゃったよ」


「清正ーっ」


「だめだよね、戦いの最中余所見なんて」

ズバッ

平門の血が辺りにまい地面に倒れ込んだ。


「僕らの勝利だ、光真組敗れたり」


ヒョオオオー


二人は向かいあったまま動かない。

真堂丸と烏天狗は互いに刀を向け静止している。

なんだよ、この緊迫感 しんべえの身体はガクガク震え、真堂丸が負け、烏天狗が自分のところに来るのを想像し恐ろしくなった。

たったのむ、勝ってくれ。


「一つ聞こう、何故我々と戦う?」


「成行きだ」


「はははは、イかれてるな、白い刃と恐れられる十もの化け物達を本気で相手にするつもりか?それに、兵士の数も増えてく一方。誰にも大帝国の今の流れは止められん、何もかも遅すぎたんだよ真堂丸君」


「だが、最後の機会を君にもうけてやる、どうだ我々と手を組まないか?」


ヒョオオオー


「怖気づいたか?」


「なんだと?」


「俺と刀を向きあわせ怖くなったか?」


「はははは、図にのるなよ小僧が」


それは、目の前で起こった事

確かに立っていたはずの二人の姿は消え、しんべえにはまったく何が起こったのか分からなかった。

気づいたら二人の姿がまた元の位置に?

いや何か先程と違う、なんだ?

あっ、先程と立っている位置が逆さまだ。


「????」


静かな雨音だけが耳に残る


森の中

全力で走る文太

向こうに辿り着いたとして、果たしてなにか僕にできる事はあるのだろうか?

何か?

ザーッ ザーッ 雨は激しく降り続く


キィン キィン キン キン

城の中、誠と暗妙坊主の闘いは続いている。

相手は想像以上に強い

暗妙坊主の腕と足には浅いものの三つ程の刀傷が刻まれていた。


「お前やるじゃねえか」

しかし、誠の身体にはその倍の刀傷が刻まれていた。

ハァハァ


次の瞬間

キィン

刀がぶつかり合った刹那

視界に見えてた暗妙坊主の姿をとらえそこねた。


「ちっ」

次の瞬間に不気味な笑みを浮かべた暗妙坊主の姿が視界に入った

「良い闘いだったぜ、切り捨て御免」


ズバッ

とっさに刀で防いだが、部屋に誠の血しぶきが飛びちる

「誠ーーっ」

納言が叫ぶ

「ひいいいいぃぃっ」

殿は腰を抜かした。


「さてと、ようやくあんたの命を頂戴出来るな」


「じゃあな、死ね」


キィン

「ったく、まだ生きてやがるのか」


刀を止めたのは誠

「私が生きてるうちは姫の命をやるわけにはいかん」


「さて、じゃあ次は首を飛ばさなきゃな」


「あばよ」


「誠逃げろー」


ドゴオォォン

後ろに吹っ飛んだのは暗妙坊主


「お前は一体?」


「ずっと隙を見計らっていた」

それは一之助であった。


「さて、一緒に力を合わせてやるでごんす」


「それは心強い、誰だか分からんが恩にきる」


「てめぇはさっきの野郎」

暗妙坊主は怒りに満ちあふれ身体中から血管が浮きあがっている

目は左右違う所を向きイッていた。


ザーッ

城の外、烏天狗の子達は

「もう暗妙坊主が納言を殺しちゃったかな?」


「僕らもすぐ行こう、パパに納言の首を持っていって喜んでもらおうよ」


「ああそうだね」

消えゆく意識の中

その言葉が死の淵から呼び戻した。


我が姫


自身の命よりも大切な姫


ビクッ

立ち上がる人影に気づき

「まだ、生きてたのかしぶとい奴だ」


立ち上がったのは平門

「うおおおおっ」


「おいっ、挟み込むぞ」


「おうっ」


「じゃあ、本当にサヨナラ」


平門は刀を振りかざした

「何だと?」

平門の目の前にいた天狗の子は

背後から平門に斬りかかった自身の兄弟が突然崩れ落ち倒れる様を見て驚いた。

その隙をみて

「戦いの最中油断はいけないな、そして…さすが清正」と小さく囁き刀を振り下ろす。

ズバッ

平門の後ろにいた烏天狗の子を斬ったのは清正だった。


「悪いな、姫は我々が守る」

烏天狗の子達はもう二度と永遠に動く事はなかった。

「はやく、城に」と言った清正と平門も意識を失いその場に倒れ込んだ。


ザーッ

真堂丸と烏天狗のところでは。

「おや?おかしいね 真っ二つに斬れると思ったがそれだけか」

烏天狗は笑った。


真堂丸の右肩からは血が滲み出ている

だが突然

「貴様儂を愚弄してるのか?」

真堂丸の意外な行動を見た烏天狗は声を荒げた。

しんべえも驚いた

どういうつもりだ、あの野郎刀をしまって、烏天狗に背を向け森に歩きだしやがった。

「待て、貴様」

その時だった、烏天狗から大量の青い血が吹き出した。

「何だと儂は斬られていたのか?まったく分からなかった」

ブシュッ ブシュウウウヴ

血が吹き出し烏天狗は倒れた。

「行くぞ、しんべえ」

「あっ、ああ」

すっすげえ、まじにすげぇあの烏天狗を本当に打ち倒しやがった。

こっ、これがよぉ こいつがよぉ 真堂丸 つっ強え。

「貴様何故殺さん」

その声は烏天狗だった。


「ひぃぃいっ、まだ生きてる」


「お前はもう刀を持てん」


「笑わせる、噂にきいた真堂丸より 随分と甘い」


「ヌルいな」


「一山を殺した時」

烏天狗はそう言い、ゆっくりと立ち上がる

「儂は他の幹部に会ったのだ、世の中には本当の化け物がいるもんだ、この儂が震えるくらいのな フハハ 地獄を見よ そして絶望を知るがいい 我々と戦うということはそういう事だ」

烏天狗は自身の刀の刃が地面の上になるよう突き刺し

「大帝国万歳」

そのまま自分の身体をその刀に突き刺す様 後ろに倒れた

「フハハハハハハ」


「ひいいいいいいっ」

刀が身体を貫通した後も暫く烏天狗の不気味な笑い声はこだました。


「行くぞ」と真堂丸


「こっちだー」

その時大勢の烏天狗の城の兵達の声


「急げしんべえ」


「だめだっ、腰が抜けて立てねえんだよ」


すぐに大勢の兵が来た

「うっ、嘘だろあの烏天狗様が死んでる」


「こっ、こいつらだ逃がすな」

何としても急いで城に戻りたかったが真堂丸は再び刀を抜いた。


ザーッ ザーッ


「何とか、みなさん無事でありますように」

文太は森を全力で走り納言の町に辿りついた。

先程までの町とは違い不気味な空気で包まれている。

「急ごう城へ、嫌な予感がする」

暗妙坊主の暴れる城へ文太は向かっていた。


ザーッ ザーッ ザーッ



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