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夜の来訪者。  作者: now here man
第二章 夏の墓標

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夏の墓標。

「美味しかった。」

少女の言葉に私は微笑む。

「誰かと食べる食卓が、こんなに美味しいなんて…。」

私は言葉を続けることができなかった。


ランプの灯りに照らされた瞳。

ただ黙って、私を見つめていた。


…私は何故か、この少女には全てを知ってもらいたいと思った。

思いつくまま、途切れ途切れに思い出を話す。


少女は、ただ黙って頷いてくれた。


夜も更けた頃。

私は少女へベッドを勧め、ソファに横になる。


目を閉じる。

様々な思い出が浮かんでは消える。

いつのまにか眠りに落ちたようだ。

深く、深く、底のない深い闇の中へ。



むせかえるような緑に囲まれて、少女は立っていた。

新しい墓標の前。

紫色の花を供え、少女は静かに目を閉じる。

「私の名はエリナ。長い旅の途中。」

少女の頬に流れる一雫。

「また、旅を続けるわ。」

柔らかい風が少女の言葉を包み込む。

「さようなら。あなたには奥さんと息子さんがいるものね。」


歩き始めた少女の影を、夏の日差しが地面に映し出していた。

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