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先読みスキルを手に入れた俺は、最初ですべてを解決しちゃいます  作者: シュガー
ルナ編

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第七話 面倒ごとの予感

少年がいた。

彼の名前はテオ。歳は10歳。ある村でピーグに攫われた少年だ。

その際、母親も攫われており、テオにただでさえ少ない食事を分けていた。

テオと同じように、他の村から攫われた人もおり、全員がひどい扱いを受けていた。

過酷な環境、食事もまともにとっていない状態が重なったせいか、母親は亡くなった。

少年は絶望した。唯一の肉親である母親を目の前で亡くしてしまったショックは計り知れない。

見張り同士の会話によると、遺体は森に入るまでそのまま残すようだった。

もうどうでもいい、と自暴自棄になっていた時、その人は現れた。

奴隷を連れた馬車は、とある町の離れに停まっていた。

そこを襲撃するものが現れたのだ。

次々と馬車を破壊するその者は、テオの馬車に行きついた。

そして、馬車を壊し檻を破壊した。

テオはその時初めて、その者と相対した。

仮面を被っていた。声は男の声だった。逃げて憲兵のところに行きなさい、そう言っていた。

しかし、テオは動かなかった。何もする気が起きなかった。

せっかく助かるチャンスを前にしても、母親がまだいた。

テオの視線に気づいたのだろう。そちらに視線を向けると、息を呑む気配が伝わった。

一瞬の沈黙の後、仮面の男は言った。

お母さんの分まで生きなきゃいけない、今は辛いだろうけど生きるために立ち上がってほしい。

お母さんの分まで、その言葉はテオの心にわずかばかりの生きる希望を与えた。

ゆっくりとテオは立ち上がる。

仮面の男はそれを見て、揺らめく炎に照らされた出口を指さした。

テオは最初はゆっくり歩きながら、そこから小走りになって外へと駆け出した。



憲兵のところに逃げ込んでから色々なことが起こった。

近くの町の憲兵に助けを求めたところ、先に来ていた奴隷の人たちがいたからかすぐに屯所へ入れられ

すぐさま毛布と暖かい食事を用意してもらえた。

スープを口にした時、涙が出ていた。

隣にはもうお母さんがいない。

それでも、お母さんの分まで生きよう。

僕はそう誓った。

その後のことは流れるように過ぎていった。

奴隷商のピーグは捕まった。

それと同時に、お母さんの遺体も回収してもらえ、丁寧に埋葬してもらえた。

子供の奴隷は他にもいたが、親もまだ生きているようで、憲兵の方で故郷まで返してもらえるようだ。

唯一親がいないのは僕だけのようだ。

憲兵の隊長さんと思しき人が、僕の事情を詳しく聞いてくれた。

もう身寄りがないこと、故郷の方も頼れる人がいないこと。

それを聞いて隊長さんは一時的に僕を預かってくれると言ってくれた。

僕の身を引き取ってくれる人を探し、見つかるまで面倒を見てくれるらしい。

「これからよろしくテオ、私はヴェラだ。あと、1つ手伝ってほしいことがある」

綺麗な赤髪を靡かせてヴェラはそう言った。



今日もいい天気だ。

天気がいいと気分もいい。

俺は店のドアを開け空気の入れ替えを行っていた。

開店までもうすぐだ。

その間、ルナと一緒に清掃をする。

ルナが来てから半月が経った。

最初は、普通にしていても、時折、不安な表情をしていたが

今はそれもなくなり、前よりも明るくなった。

おそらく奴隷商のピーグが捕まった記事を見たからだろう。

今まで彼女を苦しめていた鎖はもうない。

今は看板娘として頑張ってくれている。

嬉しいことに心なしか彼女が来てから売り上げが上がった気がする。

店を開ける。最近は良いことづくめだ。今日もいいことがあるだろう。

ドアの向こうに赤い髪の凛々しい女性がいた。

服には憲兵のマークがある。珍しい…薬の調達だろうか。

女性は俺をみるなり、声高にいった。

「お前がピーグを捕まえた仮面の男か?」

いいことが続かないのは前の世界と変わらないな…

ばれるようなミスをしたかな…と顔を上に向けた。





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