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プロローグ




―――どうやら、自分は死んでしまったらしい。







らしい。というのもおかしな言い方だが、しょうがない。


自分に何らかの衝撃が来たのは間違い無いのだが、その時の記憶が全く無いのだ。


気が付けば自分の『意識』とでも言うべきものは周りが全く感知出来ない空間を漂っていた。


視覚、聴覚、嗅覚、触角、ついでに味覚。


これらの器官が全く機能していない・・・様に感じる空間。


出来るのは精々、考える事くらいなのだがそれすらも難しい。


何故か?


考えても見て欲しい、今の自分は『感じる』という事が出来ないのだ。


外部からの情報は0、あるのは自分の持っている記憶のみ。


そんないつ発狂してもいい様な状況で、何故か自分は発狂せず、考える事のみが出来た。





そんな異常な状況がどれほど続いただろうか?


一瞬とも永劫とも言える時間は唐突に終わりを告げた。


『えっ…?うわっ!!』


急に自分の感覚―触角―が戻ったと思ったら、もの凄い勢いで何かに吸い込まれていっているのだ。


『ちょ!?なんだ、なんだ!!

 一体何が起きているって言うんだ!!』


混乱しているうちにどんどんと自分を引き寄せる力は強くなる、しかも視覚までもが復活したのか眩い光が視界を覆い尽くして来た。


そしてここで俺の記憶は一旦途切れる事になる―――…
























・・・


『う・・・・んんっ・・・ん?

 あれ・・・?俺…は・・・?』


混濁していた意識が目覚める。


目覚めたばかりのぼやけた脳みそで自分がどうなったのかを思い出す。


『え~っと?俺は確か・・!!?

 そうだ!確か訳の分からない所で光に包まれたんだ!』


自分が意識を失う前、確かに眩い光を見たはずだ。


それまで自分は死んだと思っていたはずなのだが・・・?


『(今はどうなって・・・

 取りあえず起きるか)』


そう思い、寝ている様な体を起こそうと思って――――違和感。


『・・・あ、あれ?

 体が動かない?てか、俺、今、声出てるか?』


そこまで言って気づく。


自分は起きてから普通に喋っているつもりだったが、その声が耳から聞こえない。


というか『口がある』という感覚すら無い。


『ウソだろオイ!』


更には、手足の感覚はあるもののまったく動かせない、温度を感じない、音は聞こえない(静寂なだけかもしれないが…)、瞼は開かない・・・


『・・・て、ん?瞼?・・・・・・あっ!瞼の感覚はある!!』


つまり眼は見えるのではないか?


そんな希望が胸(感覚は無し)に宿る。


そして全身全霊で瞼を開こうとする!何故か一つしか感じないのは片方が潰れているのだろうか?


そうであれば自分は何かの事件や災害に巻き込まれただけで、実はまだ生きているのかもしれないではないか!


兎にも角にも眼を開いて現状を確認するしかない。


『グッ…!くそ!ひ・ら・けぇ~~~っ!!!!』


何故自分の瞼がこんなにも重いのかが分からない。


まるで錆びてしまった蝶番の様にゆっくりと瞼は開いていく。


『後もう少し・・・

 よしっ!開いた!!』


長い時間をかけやっとの思いで開いた瞳・・・


これで自分の状況が分かるはず・・・





―――しかし、その想いは裏切られる事となる。






『・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?

 どこだよ・・・ここ?』


なんとか瞼を開き、(おそらく)倒れたままの姿勢で自分の目に飛び込んできた風景は予想の斜め上を行くものだった。


なんというか・・・・・・ゴシック調?


いや、違うか?


一番近いイメージは海外のバカでかい教会だろう、天井が数十メートルはあろうかというアレだ。


そんな建物の広大な空間のほぼ真ん中に俺は転がっているらしい。



『いやいや、待て待て・・・本当にどこだよ!?

 万が一誘拐とか墓場だとしてもコレは無いだろう!』



もし、これで周りの装飾などが純白で厳かな雰囲気だったならば自分は「天国に来た!」と思えただろう。


しかし、周りの風景は天国とは程遠い物だった…


薄汚れた壁、ボロボロの石柱、おぞましい異形を象った石造・・・高い所にある窓から見える空には黒雲が広がり雷光が走っている。


これではむしろ・・・



『・・・なんだ、そういう事か…』



そうだ、そう考えてしまえば辻褄が合う。


つまり、ここは『地獄』だと・・・


自分はもう死んだのだと。



『ちくしょう・・・死んだと思ったら地獄か・・・

 だから体も動かないのかな・・・・』



目が片方しか見えないのも潰れてしまっているからかもしれない。


手足が動かないのは千切れているからかもしれない。


自分は今、ゾンビのような存在なのかもしれない…


言いようのない不安ばかりが増えていく。



『はぁ・・・これからどうするかな・・・』



幸いとでも言うべきか、自分の周りに鬼や閻魔様はいない様だ。


ぐるっと部屋を見渡しt・・・・・・って、ん?


『見渡す』?


あれ?


普通に出来るから気づかなかったけど、今俺は倒れてるはずだよな?


しかも見えるのは片目だけ。


なのになんで部屋全体を見渡せるうえに距離までわかるんだ?(片目だと距離感は分かりにくいよな?)


あれ?あれ?


ふと、自分の足の方を見てみた。


自分の足の方を見たのだから、見えるのはどんな状態であろうと自分の下半身のはず・・・なんだが。



















なんだか、見事な装飾のある【刀身】が見えるのはなんでだろう。









               ―――あれぇ?






                             プロローグ END…

ども、作者のNNN(エヌスリーです。

自身初となるオリジナルファンタジーものに挑戦!!・・・するのはいいんですが続くかこれ?www

これからガンガン進む予定なので続きに期待していて欲しいです。


因みに主人公は高校生くらい・・・かな?

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