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第21話 初任務その2 出立


 今日は、任務開始日だ。拠点の更衣室で、任務へ備える。まだ、誰も来ていないような時間でいつも感じる人の気配はなく、自分の動きから発せられる音だけが聞こえる。

 初の任務故の緊張か、焦燥か、何にせよ自分のリズムを崩す何かがあることを自覚する。いつより、ほんの少し、浮ついて、いらない事に思考のリソースを割いているのが分かる。そんな自身の状態に嘲笑してしまう。


「こんな調子でどうするんだか」


 装備の点検、装着を終え、更衣室を出る。その足で事前に送られてきた任務の詳細情報に記載されていた場所へ向かう。

 目を通した情報の任務概要をもう一度頭の中で振り返る。帝国西部に存在するヴァルドを目指し、5つの街を経由し、各街に潜伏している仲間へ伝令と、情報の回収を行うが主目的となる。

 移動は、キャラバンを装って馬車で街道を通り移動を行う。任務中、能力者であることに気付かれることを避けるため、能力隠匿薬の服用を行い、緊急時には、装備の1つとして支給されている銃火器による応戦をすることになっている。こんなところか。

 壁を抜け、外へと出る。冬を思わせる冷たい風が肌を撫で、表面の体温を奪っていく。壁を抜けたすぐ目の前に俺を除いた3人が馬車の前に集まっていた。音無は腕時計を見てすぐ、俺ら3人へと視線を向ける。


「時間だな。任務を開始だ。出る前に隠匿薬を飲むぞ。必ず飲む時は、4人同時に飲むように徹底するから覚えておいてくれ」


 全員が装備のポーチの中から袋に納められた薬を1粒取り出す。


「全員飲め」


 取り出していた薬を一気に口へと入れ、飲み込む。特段味がするわけでもなく、無味無臭だ。まあ、アホみたいに苦くて飲めないよりかはましだろうな。


「よし、全員乗り込め。移動を開始する」


 馬車の荷台に3人で乗り込む。中は、様々な商品と呼べる物で埋まっており、座る場所を探すのが大変だった。

 馬車が動き始め、拠点の門を出ていく。初めてくぐった門とはやはり違う。というか、周りの景色からして本拠地とは違っていた。まあ、転移したとは言ってたけど。こっちの方が山が近くて圧迫感を感じるな。

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