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第16話

 読んでいただきありがとうございます。ものすごく久しぶりに投稿しました語部歯車です。

学校のテストやら、自宅のシナリオを書いていたり、メキシコで配達してたり、獣狩りしてたりで書いていませんでした。今月からまた、復帰して書いていきたいと思います。

 音無(おとなし)から投げられた疑問に回答を持ちえないのか。はたまた、話したくないのか。天瀬は顔を伏せ口を閉ざす。投げられた疑問に天瀬は、自身を見下ろす男を憎たらしそうに睨みつける。しかし、睨まれた男はどこ吹く風といったような態度を見せる。


「……はぁ。本当にダメそうだなぁ。もういいか。最後に俺からのアドバイスだ。選ばねぇ奴は、その時が来ても何もできずに死ぬ」


 無造作に放たれた一撃と、止めを刺さんとする音無への突きが放たれたのは、ほぼ同時。ならばこそ、その決着は偶然の介在する余地もなく決着する。無慈悲に、そして必然的に、音無の剣は天瀬の胴を通過する。対して、天瀬の放った槍は、音無の手によって掴まれ胸に当たる直前で停止していた。もって決着はついた。

 決着と同時、シュミュレーション室全体に華城の声が響く。


「天瀬 秤事、脱落。脱落者は、決められたポイントまで端末を見て移動してください。以上です」


 天瀬の持つ端末が光り、床に落ちていく。それを見届け、森の方へと音無は、足を進める。


 ――――


 

 天瀬がやられたのか。勝機ほぼ無くなったな。まあ、何とかなるだろ。


 足を引きずり何とか森の中を進む。痛みで意識が左右に揺さぶられながら目の前からやってきた男と目が合あった。互いに足を止める。


「よう、さっきぶりだな。随分と満身創痍じゃねぇの。どうした?そこらで転んだか」


「まあ、そんなところです。そちらこそ、天瀬とやってお疲れなんじゃないですか。ここは1回サボってみては?」


「いや、準備運動には、物足りないぐらいだ」


 でしょうね。天瀬(あいつ)を倒した後でも汗をかいた痕すらない。少しは、疲労していてくれてもいいんじゃないですかね?


「それに、サボったら団長に何させられるか考えたくもない。流石に自分の身を案じる程度の頭はある」


 刀を構える。関節は軋み、全身は火だるまになったかのような痛みが包む。さっきよりも重く感じるそれを目の前?いる男へと向ける。

 弾く、俺の目じゃ捉えられないほどの速度で接近し、振るわれた剣を。能力をフル稼働させ捉える。次の動きを、位置を見逃せば、それだけで終わりの攻撃を寸のところで捌く。


 チッ!分かり切っていたことだが、防戦一方だな。何とか捌けてるけど、このままだとジリ貧もいいところだ。誘導するにも、このままだと俺が先に削り負ける。やっぱ、刀だけじゃ無理か。


 全身の回路を総動員させ、その過程を成す。


 ”構築開始。 工程省略。素材決定。設計完了――相対座標(アンカー)設定完了。生成開始、完了”


 必要とする工程を短縮し、省略する。全身が一層熱を帯びるのを認識する。捌いていた剣を受け止め、一瞬の硬直を作る。


「グッ!」


 受け止めた衝撃で片腕に鈍い痛みが襲う。作り出した瞬きの間の硬直、口の中にあるさっき作り出したものを音無に向け飛ばす。音無の意識は、俺から宙に舞うアンプルへ向けられた。

 

 似てるだろ、花木(あいつ)のアンプルに。


 音無は、アンプルを避けるように大きく後ろに下がる。すぐに、俺の胸ポケットに入っている最後のアンプルを取り出し、割って投げる。


「そっちは偽物だよ」


 アンプルが眩く発光し、音無の視界を奪う。すぐに音無へ背を向け、森の中を走る。


「……いい判断だ。だが、どうする?俺から逃げられるほどの体力なんてねぇだろ」


 ああ、底が見えてるとも。それに能力を使わなくてもわかる。背後から迫る気配(恐怖)、そこにいるだけで体力が削られるような感覚。数か月ぶりだな。まあ、そんなこと、今は関係ない。たかが10数mの後退。無意味に逃げたと思うのは結構!作るのにかなり無理をしたんだ。ぜひ、そうして食らってけ!!


 能力で音無の位置を把握し、用意していた罠を発動させる。100に近い数の音の直後、音無へ全方位から数百の矢が掃射される。自身すら巻き込んだ矢の雨。能力で矢の軌道を把握している俺以外に避けるなんてできるはずがない。


「誰が避けるかよ。せっかく俺のために準備してくれたんだ。真心込めて叩き潰してやるよ!!」


 矢の雨の中心に足を止め、剣を振るう。音無の間合いに入ったものから叩き落とされ、地面に突き刺さっていく。


 マジか。本格的に人間か疑いたくなってきたな。それはそうと、逝くなら今だな。


 最後の1本へ意識が向いた瞬間に合わせ音無の背へ化け物を相手した時を超えた速度をもって音無へと迫る。俺の間合いに入る直前、眼前に迫る矢を首を曲げ避けたが、頬を掠めて血が流れる。

 

 マジかコイツ。俺が背後から来てたのを分かって、わざわざ剣の軌道を曲げて矢を掴んで投げてきやがった!いや、来るの分かっていて叩き落とすフェイク入れたのか?今は、そんなことはどうでもいい。集中しろ!!


 振り返り様に斬るための踏み込みへ、刀を合わせる。その斬撃を音無は足を上げ躱し、剣を振り下ろす。横に跳び、虚空に手を伸ばす。手に何かが引っ掛かり軌道を変え、音無の背後へ移動した。攻撃が交差して反動で後ろへと吹っ飛んだが、空中を蹴り、もう一度近づき、斬りつける。

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