謎の影-2
私達は『レイトミライフェスティバル3020』の会場にやって来るも、突然姿を現した謎の影により、モニュメントの場所に行くのに時間がかかってしまう……現在、セナに頼んで拠点へと連絡を繋ぎ合わせてみると――
「浩司……本当か? 昨日の遺跡で、だいぶ戦闘が起きたようだが……」
「ああもう! どひつこいで! 昨日から飯ん時や風呂ん時、ましてやトイレ中でも、よくわからん影の事聞いてきおって!! 何もして来へんかったって言ってるやないか……! それよりも、凶暴な宇宙人のようなウイルスの対策の方が大事やないんか?!」
「ああ、イリルか……昨日は遺跡の調査の件について、感謝する」
「羅城……? 何だか騒がしいけど、どうしたの?」
羅城は横に傾げながら、そちらの状況を見せる……浩司は追いかけてくる祐郎から遠ざかりながら、資料であるファイルを片手に抱えながら、早歩きで動き回っていた……羅城は少しため息交じりもこう話す……。
「ご覧の通り、隊長がやや落ち着きのない光景が見られている……この様な光景が見えるのは、恐らく過去に関する事についてだと断言できる……」
羅城は祐郎の過去に関係ある事だと、少し考える顔をしながら話していた……ラッキーは、画面に向かって飛びながら羅城に祐郎の事について質問する……。
「機械じじいの過去ってどんなんだよ? つーか、どっから来たんだ?」
「隊長の事に関してこんな噂を耳にした事がある……隊長は過去には信頼できる相棒がいたのだ……その者は双剣が繋ぎ合わさっているかのような特徴の槍のような武器を扱う……名前までは聞いてないが……16種の中でも当てはまらなかった上に法人に認められなかったため、その者は止む追えず双剣を使っていた……。何処から来たのかは……詳しくは聞かされていない……「始まりから戦闘型生命機械人だった」と言うような感じで流される事が多い……恐らく、黒歴史であると推定されるから、詳しくは聞いていない……」
「あっ……ひょっとして、イリルに背後から襲ってきた謎の影は遺跡の時にも使っていたわ……! しかも、ウイルスが彼のことをコードネームで呼ばれてたわよ! 『ネウラ』って……」
羅城は『ネウラ』と言う言葉を聞いて、目を見開いたような感じで聞いていた……。
「『ネウラ』……? 待て、今すぐオペレーターに調べさせる!」
「……羅城……?! 例のウイルスは、『ネウラ』の名を呼んでいたのか……!」
すると、私達の会話を耳にしたのか、祐郎がすぐさまに駆けつけるかのように、羅城の端末へと入ってきたのだ……。
「やはり浩司、今すぐリトを呼んで共に――」
「……みかん……! いつもんやつ!」
「ええよ~! 爺さんにいつもの買ってきたで~!」
浩司は口に拳を当てて、喉を震えさせた後、お菓子の箱を両手に持っていたみかんがやって来て、祐郎に見せながら、箱を開いた……。
「うっ……『見花屋』の小倉あずきの今川焼き……しかも10個入りな上に焼き立て……浩司がよくやるコントロール術とは言え……」
「今伝えた事、本当に全部や! これ以上聞くと、回転焼きはお預けするで! 大体、爺さんは例の相棒はんに執着し過ぎやで!」
浩司は視線を尖らせながら、相棒の事を気にしてばかりの祐郎をなだめた……祐郎は普段の冷静さを取り戻し――
「……すまなかった……つい、相棒の手掛かりになってしまうと……冷静さを忘れてしまうのだ……はぁ……あやつが『ダークウェブ』に行ってからもう30年経つと我は分かっている事なのだが……」
「そか……遺跡の調査をする時に気にしとくわ……ほれ、これ……」
「感謝する……少し冷静になる時だ……茶でも入れて堪能しよう……」
「こちらも、何かわかった事があったらもう一度連絡する。それと追加の案件だが、ウイルスらしき反応が会場へ向かってきている……防衛の体制を取れ……では、失礼する……」
セナに映し出している画面は、羅城との通信を終わらせ、通話先の画面へとなった……セナはすぐさまに少し高く上昇して、力強い表情で話した……。
「またウイルスが攻めてきているみたいね……! 早くみんなに――」
――従業員に報告致します、只今会場にウイルスが接近中です。一旦作業を中断し、各ブースへと避難してください。
「こんな事も想定してたから、お兄ちゃんに今すぐ伝えてって、頼んでおいたわよ~! さぁ、早くモニュメントの場所へ――」
「この時だ……」
「……!」
会場内のアナウンスの放送の後、従業員がそれぞれのブースに入っていった後、周囲に見えるブースが、光出すシールドを展開して、防御体制を構えた……私達も急いで、モニュメントがある場所へ行こうとすると、再び地面から謎の影が現れて、少年の姿が……!
私は思わず、攻撃を仕掛けてくるかと思い、後ろに退いた……。ラッキーは強い声で少年に声を掛ける。
「誰だてめぇは!!」
「オレ……はウイルスの世界、『ダークウェブ』から来た……名を『タットン』……」
「俺様達を敵に回すなんて、いい度胸だな!!」
「敵……? オレはお前達をここに引き離す為にやって来た……」
「ここって……レイト地方に……?」
ウイルスの世界、『ダークウェブ』からやって来た少年、『タットン』は私達に武器を構えることはなく落ち着いたような表情で話していた……。
「ここは……『トキワタリ』が……重罪を……犯した場所だ……」
「うん、知ってる……レイト部隊の隊長に明かさないように言われている……」
「でも、重罪っていったい何をしたのかしら……」
「詳しく……ここにある……」
タットンは小走りにとあるブースの方へと向かって行った……こっちの方向って、今直されているモニュメントが置いてある場所だ……あちらに敵対心がないとは言え、相手の策だとも十分あり得る為、私達は警戒を緩まずとも後を追いかけていった……!
すると、向かって行き辿り着いた場所は、開催式で見た大きく雑な仕上がりのモニュメントだ……現在は少しづつも修正されている……下にいる人々の顔が綺麗に思えてきた……もう修復されたのかな……。
それよりも、タットンはどうしてこの辺りに用事があるんだろう……セナはモニュメントの場所に用があるかと考え、タットンに質問をした……。
「ここって……今直しているって言うモニュメントの場所じゃない……! こんな所に秘密なんかあるのかしら?」
「ある……」
「待って! この部屋……まだ未完成じゃん! 勝手に入っちゃって大丈夫なの……?!」
雷美はまだできていないパピリオンらしき建物を見て、向かおうとしたタットンを必死で止めようとする……しかし、雷美やセナとラッキーの言葉を耳に入れる事もなくただ前に走っていた……。
追いかけるがまま、辿り着いた先には豪華そうな縁取りに大きな写真らしき物が入っており、謎の人物が写ってあった……タットンはその絵の傍にある、堀文字の板を指を指した……。
「見ろ……」
トキワタリと十大禁令マジックの『リバーライズ』
『十大禁令マジック』の一つ、『リバーライズ』を使用した事により、とある地方の人々が犠牲になってしまいました。この『リバーライズ』は何でも復元するマジックであり、手元にあるものならエネルギーやそれに対する材料のみ使用しますが、建物や村などといった大きな物は、他の建物や村を引き換えにしないといけません。この代償が、最悪の場合、『第二の地球』どころか宇宙でさえも滅ぼしかねない為、『魔法技術法人』の代表者が、『十大禁令マジック』として、認められるようになりました。
犠牲になった地方は、かなり小さいが上にあまり知られていない『レテス地方』と呼ばれる小さき列島でした。後にトキワタリとなるマジックユーザーは、滅ぼされた故郷を復元させる為、長き年月をかけ渡り研究を続けました。すると手元にあった壊れた機械を、鉱石を片手に差し出しながら、『リバーライズ』と唱えました。すると、みるみるうちに直っていくのではありませんか。材料を差し出せば、故郷が蘇るかも知れないと考え、自分がいる島の地に立ち、『リバーライズ』と唱えました。
すると、故郷が蘇るどころが、辺りが植物も生えずに魚や家畜もおろか、住人や建物も何もかもなくなってしまいました。しかし、それでも肝心な故郷である場所は復元出来ませんでした。未だに諦めることのないトキワタリは、当初のレイト地方を標的をして、タイムマシンを使い、『初代レイトミライフェスティバル』の時代に時渡りをしました。しかし、その直後に時空警察が駆け付けて、『過去改ざん法』違反他、複数の違反行為とみなし、そのトキワタリは死刑判決を下りました……。
「……だから、トキワタリの身分を隠せって言われるわけか……」
「しっかしよぉ……そいつの故郷がどこなのか書いてねぇぜ? その、トキワタリは悪い奴は分かるが、動機が悲願なのか残忍なのかわからねぇから賛否両論になっちまうかもしれねぇじゃん!」
確かに、この人物が明かされている情報はマジックユーザーとトキワタリの身分のみで、それ以外の事は詳しく明かされておらず、人物や故郷の名前ですらなかった……この人物は何のために故郷を蘇らせたのか……その上で故郷に強い執着心があるのか……『第二の故郷』と言う選択肢がなかったのかな……故郷の一つは『レテス地方』じゃダメな理由でもあったのだろうか……。
そんなことを考えていたら、セナからピピっと着信音が鳴ってきた……すると、慌ただしい感じで話していた……。
「こちら、オペレーターの『フォア』! ウイルスが現在位置に接近中!」
「やはり、ここから……か……」
「博覧会……ココヲ侵攻スレバ……後ハ、楽ニナリソウだ……!」
タットンは背後からやって来た禍々しいホールに対して、じっくりと見つめていた……ホールにはバグズ・ヒューマルの他、変わった人型のウイルスまで穴から出てきた……。
「おい、謎の影! あいつらはお前の仲間じゃねぇのかよ! さっさと追い返したら、言う事を聞いてやるぜ!」
ラッキーはタットンに仲間かと聞くと、首を横に降っていた……しかも、何だかウイルスに対して目を尖らせているような……。
「ゲッ……! 貴様ハ……『ネウラ』! 何故、地上ニ?!」
「手出し……無用……」
私達は戦闘体制に入ろうとするが、タットンに止められてしまう……タットンは片手を差し伸べ、例の双剣のような棒状の武器が、稲妻を走りながら出てきたのだった……。




