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〈一章アウトロ〉共鳴する歌姫の未来-5

 

 天才子役と呼ばれている、『大鈴 ラルド』の両親が、いきなりと凶変した原因が危険物質である『ガンボウノシキミ』だとわかり、メイキョウテレビに犯人がいると知り、危機が迫っていると知った私達……。

 私達はすぐさま、テレポーターに走って向かい、アクセスをした後に、メイキョウテレビへと一瞬で飛んで行った……メイキョウテレビに先に向かわせたと言う笑と合流した……。


 「あっ、みんな! 来てくれたんだね!」

 「笑、そっちの状況は?」

 「スタッフみんなは元々、番組撮影の予定だったから、心配いらないよ! ラルド君と両親さんは私についてきてください!」

 「わかりました……!」


 笑はラルド達をどこかへ案内すると言い、ラルドの両親はまだ落ち着かない様子で、笑の話を受け入れる。笑は一人足りない事に気づいていた……。


 「そう言えば、理央がいないみたいだけど……」

 「理央は、他に調べたいことがあるって言って、私達とは別行動なの……」

 「そうなんだ……私はちょっと、監督さんに頼まれて、メモを渡されたの……ラルド君達が到着したら、案内するようにって……」

 「あっ、ここって……あっそうだ……! 監督達がどこへ行ったか知ってる?! イリルさん、アンタも来て!」


 私とセナは、アプルに連れられて、階段を上ったり廊下を通ったりしながら、無地の扉の前へと辿り着いた……。アプルはドアノブを握って押した先には、長い机と椅子がいくつかあり、ホワイトボードの替わりに使われる電子ボードが置いてある部屋だった……。


 「ここが、監督達の打ち合わせした場所かしら……?」

 「そうみたい……綺麗に使われているみたいだけど……」


 一見、使った後に見える会議室に対して、セナは何だか目を見開いていた……。


 「あっ……! さっきセットした『ミライセンサー』が反応しているわ! あのロッカーを指してるみたい!」


 セナは会議室の角に置いてあるロッカーに指を指していた……私は用心深く目を尖らせながら、ロッカーの扉をゆっくりと開けた……すると、何かが床に落ちていた音がしたような気がして、少しずつ下を向いた……。

 えっ……? 宅配便の服……? 衣装にしてはぐしゃぐしゃになってる……胸ポケットに入っているのは……八角……いや……まさか……『ガンボウノシキミ』……?


 「ちょっと、良くないな……部外者がロッカー勝手に見るなんて……」

 「だ……誰……?」


 私達は、ロッカーの中を調べている最中に、後ろから低いトーンで堂々としている声を耳にした……私はすぐさま後ろを振り向くと、スタッフらしき人物がドア付近に入ってきた……。


 「カメラマンさん……? 他の人達と一緒じゃなかったのですか……?」

 「忘れ物を取りに来ただけだけど? それにしても、アプルさん……部外者を連れてきてまでメイキョウテレビへとやってくるなんて……ちょっと大胆過ぎると思うよ?」

 「二人は優秀な戦士なの! 最近、メイキョウテレビ内で起こった事件について監督さんが依頼してきたの! アタシも手伝っていいって言われたから――」

 「戯言はいい! さっさとそこをどけ!!」


 アプルの私達を讃える声が打ち消されるかのように、カメラマンは足を大きく広げながら、叫んだ……! セナはカメラマンの叫びに何か違和感を覚えた……。


 「そこをどけ……? ひょっとして……あなたがラルドの両親に何かしたのね?」

 「ちょっと『差し入れ』をね……悪く思わないでくれよ? 八角とシキミと間違えやすいんだから……」


 カメラマンはすぐさまに落ち着きを取り戻して、視線を逸らしながら話していた……アプルは眉をひそめながら、カメラマンに質問をする……。


 「アンタ……最近、太ったり瘦せたりしてたけど……ダイエットなんかじゃなくて、本当は『差し入れ』の為に配達員に装って、『ガンボウノシキミ』を大鈴さんに送り付けたんでしょ! 元々、あれはダークウェブとかいう場所でしか生えないのに……いったいどこで……」

 「……ウイルスとの取引で……俺はどうしても、芸能界に入りたかったんだ……でも、裏では監督や音響、ましてや役者に怒鳴られてばっかりで、メンタルがズタボロになった……俺のことを邪険にしてくるあのゴミを叩き潰す為にこれを手に入れた……! まず、手始めに天才子役のラルド君をどうにかして破滅させようと思って、監督や責任者の信頼を下げて、俺の評価を上げようと思ったのにさ……お前がフューチャーファイターズとかいうふざけた団体に協力を求めたから、台無しになっちまった!」


 カメラマンはアプルに指を指しながら、こわばった表情で話していた……セナはアプルの前に立ちながら、カメラマンに向かって、反論する……。


 「聞いたところ、監督達は、あなたに期待しているから、注意しているしているだけでしょう? それに、メイキョウテレビだって、随分と前からフューチャーファイターズと協力関係になってたって、オペレーターが言ってたわ……どっからどう見ても、あなたが悪いんでしょ! よりによってまだ、小学生のラルドに目を付けるなんて……良くないわよ!」

 「本当はあの監督と君のマネージャーにも押し付ける予定だったけど……バレてしまっては仕方ない……お前達も共犯者になってしまえ!!」

 「……!?」


 カメラマンは隠し持っていた『ガンボウノシキミ』をアプルに向かって、拳を突き出すかのように口に入れようかとしていた……! すると、天井から馴染みがある声が聞こえてきた……!


 「ツイストフリップ!!」


 馴染みのある声と共に、カメラマンは『ガンボウノシキミ』を床に落としながら、尻餅をついていた……そして、私達の前に見覚えのある陰で、アサシンのような姿が私達の前に立ち、カメラマンに向かってこの言葉を言い放った……。

 

 「悪いけど、あんたの思い通りにはさせないから……少し前に笑とアタシが、証拠写真をこっそりと撮った上、次のターゲットであろう監督や関係がある奴全員に事前に知らせておいたんだ。もししなかったとしても、監督は八角嫌いで、他人からもらったものに抵抗がある奴が多かったからどっちにしろ無駄だ」

 「よくも邪魔してくれたな……! ……でも残念ながら、俺にはその証拠には手元にない……仮に、俺を通報したとしてもお前を犯人に仕立てあげられるぞ」


 カメラマンは自信満々にしながら、この場から離れようとしていた……カメラマンは逃げようとした瞬間に、後ろから警官の声が――


 「いいえ、よく聞こえてたわよ。よく汚い真似をタレントに押し付けようとしたわね」

 「な……なんでだ……!?」


 警察官は顔色を変えないまま部屋に入ると、カメラマンは目を見開いたまま、アプルの方を見ていた……アプルは、ウインクをしながらも、マジックユニットを取り出していた……。


 「アタシのマジックユニット……『スマートフォン』を基にしてマネージャーが作ったから……ライブ配信も出来るのよ……! 今もついさっきも、絶賛配信中よ!」


 アプルがネオチューブのライブ配信に、コメントが次々と流れてきた……!

 

 子供の人生を奪うなんて許さない

 人の子を支配する為に両親を毒親にさせたクソカメラマンだ

 通報しといた

 

 カメラマンはネオチューブに映っていた事が今更知ったのか、力が入らずに床に膝が着きながら、頭を垂れ下がっていた……。


 「そ……そんな……」

 「メイキョウテレビのカメラマン、貴方は毒物及び劇物取締法違反と児童虐待の疑いで逮捕するわ……どうやら貴方、前科があるようね……なら、再逮捕って事でいいかしら……」

 「……5年前、俺は芸能事務所でスカウトマンをしていたが、クビになっちまった……原因は、ラルド君と同い年位の女の子を無理矢理、女優に育てようと押し付けたからだってな……ある日、その子がやってこない日が続いていたから、その子の母親が俺の目の前に立ってきて――」

 ――「娘は不眠不休が毎日続いてて、疲労で寝込んでいます……その上で娘は俳優を目指していた訳ではなく、『アレちゃん』のようなネオチューバーになりたかったそうなんです……母親である私に言わせて下さい……もう辞めますってあの子が言っています……」

 「お母様……あの子は才能があるんです……! 今回のドラマが大ヒットすれば、大女優になれますよ! あなたも嬉しいことでしょう! ネオチューバーはバズらないと稼げないのに、あの子にはもったいない!」

 「そこが負担だっておっしゃっています……! 私は娘が苦しんでいる所を見るのなんて嬉しくもありません!! あの子はアレちゃんの自由で裏表がない所に憧れているみたいなんです! だから……あの子に好きなことをさせてください……お願いします……!!」

 「ああ、そうですか! ならば、今日付けで解雇いたします! あの子みたいな才能がある子をまた、探せばいいんですよ! 最悪、AIタレントでも!」

 「――って、感情的になって母親に文句を言ったら、俺のことを通報しやがって、捕まるわ事務所クビにされるわでもううんざりだ! 俺は将来、芸能界で社長になろうかと思ってたのに!」


 カメラマンは悔しがる表情でアプルを睨み続けるが、アプルは、カメラマンに向かって、本気な表情ではきはきした言葉で語っていた……。


 「芸能界を舐めないでね! 「突然目が覚めたら、社長になってた」って言うことなんて一切ないの! 芸能界は誰かがステージに立った途端に、注目する人もいれば憎んでくる人もいる……アタシは小さい頃、人間関係にトラブルが続いて、辛いと感じたこともあった……でも……誰かが好きだって言ってくれた人がいたから……『歌が好き』って言ってくれた人がいてくれたら、アタシはこの道を歩み続けた……ずっと、温もりがある言葉と一緒に歩いてきたから『メイキョウ地方の歌姫』と名を知られるようになったの……」


 ――「若いうちからやりたい事を何でもやりなさい……例えば、あなたの好きな『歌うこと』……とかね……」

 ――「例え自分の持ち場が地味でも活かせる場面が必ずある……だから、自分の特技や好きなことを大事にしてね……」

 「……アプル……」


 何だか、心の中でアプルの歌声が聴こえるような感じがした……苦難があっても、この言葉を大切にしてきたんだっなと思い、私はリラックスした表情で目を輝かせた……。

 その後、カメラマンは警察官に手錠をかけられて、抵抗する事なく去っていった……。


 「……怠け者の俺には、合わない道だったな……」

 「警視庁の『美空(みそら) アイス』……いつもすまないね……」

 「いいえ……これも警視庁の役目よ」


 警視庁の『美空 アイス』と呼ばれる女性は、私達に挨拶をした後、カメラマンと共にメイキョウテレビを後にした……。


 「さて……笑の方は上手くいってるといいんだが……」


 ――その一方で……。

 笑はラルドとラルドの両親を連れて、監督がメモを残した場所へと歩いて行った……扉の前に立つと、ドアノブを押すと、ガラス越しに、マイクセットや機材が沢山置いてある部屋に辿り着いた……。


 「確か、この部屋のはず……」

 「ここって……スタジオ……? って事は……」


 スタジオと思われる部屋に入ると、ラルドにとって馴染みがある姿が目に映ったのだ……。


 「ああ、そうだよ……! ラルド君……いきなりで申し訳ないが……今日から君は思いっ切り、歌って欲しいんだ!」

 「ほ、ホントに?!」


 スタジオにこっそりと移動していた監督が、ラルドに歌って欲しいとお願いをする……ラルドは目を輝かせながら、笑顔を絶やさずに首を縦に振った……。



 ――そして、翌日……昼下がりのメイキョウ地方にて……私とセナは、部屋で荷物をまとめるケースを片手で引っ張った……そう、もうすぐ次の旅先のレイト地方へと向かう日がやって来るからだ……。

 ケースを横に倒した所、笑からメッセージがやって来た……なになに……? 「ロビーにお客さんがいるよ~! 二人に会いたがっているから、早く来てね!」か……私とセナは、一旦ロビーへと向かった……。

 すると、巷で大人気のタレントの二人の姿が目に映ったのだ。


 【芸能】俳優の『大鈴 ラルド』、歌手デビューを果たす!


 「歌手デビュー、おめでとう! ラルド!」

 「ありがとう……! でも、ここまで来れたのは……みんなのおかげでもあるんだ……」


 ラルドは私達に目を輝かせながら、笑顔で話していた……。


 「アプルさんは、自分の特技や好きなことを大事だって言ってくれたし、戦士さんたちは好きなことが出来る環境を作ってくれたり……その上でパパもママ元に戻してくれたり……みんなには感謝してるんだ……『人との繋がり』があるから今のボク、『天才子役兼小学生歌手』の『大鈴 ラルド』と言う呼び名が出来たと思うんだ……!」

 「ラルド……」


 『人との繋がり』か……そう思えば、私もこの旅路で様々な人と出会っていたな……フューチャーファイターズのみならず、ミライ大学や天皇の血を継ぐ者、そして……タレント……みんなに出会ってから、私も心強く感じていた……。

 もし、あの時タイムマシンの中に眠っていて、誰にも発見されなかったら……ウイルスが先に発見されてしまったら……良くない事が起こっていただろう……私は、少し微笑みながら考えていた……。

 考えていたら、セナから着信音が聞こえていた……凛星から……?


 「あら? 通信が来たわ? ちょっと失礼するわ」

 「イリルさんにセナさん、聞こえる? レイト地方の件について、日にちについて問い合わせたから、連絡したわ。この日にやって来るように問い合わせたけど、大丈夫かしら?」

 「うん、大丈夫だよ」


 どうやら、レイト地方行きの列車の手配を済ませたようだ……アプルは先ほどの通信を聞くと、驚いた表情で、凛星を見ていた……。


 「こ……国立家のお嬢様?! アンタ、知り合いだったの?」

 「このお姿は……アプル・ディーパ?! あの有名の?!」

 「まぁ、色々とね……」


 互いに、驚きを隠せないまま、軽く自己紹介をしていた……その横目で、ラルドは――


 「え~?! そんな遠くに行っちゃうのかよ~まだ、お礼しきれてないってママが言ってたのに~!」

 「ラルド君、確かに私も、イリルさんとセナさんが行っちゃうのはすごく寂しいけど……彼女達だって、沢山やる事があるの……この『第二の地球』を駆け回る事とか……!」

 「駆け回る……お姉さんって……トキワタリだったの?!」

 「知ってたのか」

 「だって……学校で話題になってたんだよ……! 今では歴史の勉強になってたくらいだもん!」


 ラルドは学校の授業について少し語った……この時代では、トキワタリが歴史上になっているんだ……笑はトキワタリの絵本を読んでいたって言っていたけど……ここまでとは……凛星は再び、話題をレイト地方に戻しながら、私達に注意を呼びかけた……。


 「あっ、そうそう……レイト地方付近で、『宇宙人』という種族の生命の目撃情報が確認されたわ……詳しくはまだわかっていないけど、少なくとも人類に敵意がない星の宇宙人だってことがわかったの……もし、出会っても正しく接して頂戴」


 『宇宙人』……? この『第二の地球』以外の星のどこかからここへ来たってことか……アプルは何か思い出したような感じで――


 「……ひょっとして、『『第二の地球』系大九惑星』のこと?! アタシが出ている情報番組でやってた……?」

 「ええ、可能性としては……」

 「その星って……どういうのかしら……? 」

 「あっ、セナさん……詳しい内容はこの本に書かれてるの! イリルさんに渡しておくから、旅の間に読んでおいてね!」


 笑は私に星の事について書かれている、厚い本を両手で取り出して、私に渡してきた……。


 「ありがとう……お、重い……」

 「今伝えられる事は以上よ。それじゃあ失礼するわ!」


 凛星は頭を下げた後、通信を切った……すると、笑が私の手を軽く握って、こう話した……。


 「実は……みんなと話したんだけど……イリルさん達が無事に次の旅に行けるように、送迎会を開いたの……だから、食堂に来て……!」

 「う、うん……! ありがとう……」


 私は笑に引っ張られながらも、送迎会をやるという、食堂へと向かって行った……賑やかで和気あいあいとした会場で楽しく、送迎会に参加して……私がレイト地方や他の地方に行くことに、みんな応援の目をしていた……レイト地方ではどんな記憶が待っているんだろう……。

 「十人十色があるように、人生の道も様々」この言葉を大事にして、将来や目標について考えるのもいいかもね。


ここまで読んでくれて、本当にありがとうございます!

レイト地方ではどんな記憶が待っているのか、はたまた『宇宙人』は敵か味方か?

お楽しみに!

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