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3020ストーリー~『第二の地球』と戦士の記憶を辿りながら~  作者: ユニィウルフ
〈第一章〉共鳴する過去の灯

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〈間章〉拝啓、研究結果へ 急-2


 私とセナ、そして笑は重要指名手配犯の『當山 秀雄』の行動を阻止するため、ネオ・ポンドポリスにある研究所へと走って向かって行った……。

 道中、クローンの残骸が私達の元へと襲い掛かっていき、私は片手剣で、笑はジェットブーツを使用して攻撃も交えながら研究所へ走っていく。

 ようやく辿り着いた頃には、大量の人らしきものが研究所の前に突っ立っており、その前に秀雄の陰が拍手をしながら私達の前にやって来た!


 「よく来たね……」

 「何これ……こんな沢山のクローン……あんたが産み出したの……?」

 「ああ……私を一人に残して、この世を去ってしまった奴らをベースにね……一人じゃ寂しいと思うから……沢山、仲間を増やしていったよ……」

 (當山さん、相当辛かったんだね……でも、寂しいからってこんな事をするのは……)

 「さぁ……『最高傑作』……いや、私の妹よ……ここがお前の新しい人生だよ……新しい家だよ……さぁ、おいで……」

 「……」


 笑は力のない表情のまま沈黙を続ける……私は、秀雄に彼が言っていた言葉を話す……。


 「……ねぇ、「何のためにここに来た理由を果たす」って自分で言ってたよね……」

 「なぜ急に……? お前には関係ない事だろう?」

 「……これって……恵梨香が望んでいたこと……?」

 「……」

 「彼女はやっとの思いでこの世に蘇らせることが出来たんだ……私と一緒に暮らして、研究の助手になりたいと、恵梨香は願っていた……しかし、彼女の夢はあの大規模な電車脱線事故によりその夢は砕け散ってしまった……私は受け入れられなかった……悔しくてたまらなかった……妹が蘇ったらなんだって代価を払ってやると……私は思ったんだ……」


 秀雄は涙を流しながら足を強く踏み入れていた……確かに、突然の事故発生で被害が出るのはやるせない気持ちでいっぱいだ……しかし、言ってる事は笑達との記憶と、どこか矛盾している感じがするような……笑は少し迷いを見せながらも、秀雄に説得を試みた……。


 「いいえ……私の人生はここじゃない……」

 「何故拒むんだ?」

 「私はこの研究所で生まれて、孤児院で育った後に、フューチャーファイターズに入団した……それは、ただお金を稼ぐだけじゃなくて、目標があるから入団を希望したの……「トキワタリに会いたい」って……今は、新しい目標も出来て、「いつか、トキワタリのように外の世界をあちこち旅したい」ってね……」

 「そんなことしなくても、仮想空間ぐらい作ってやれる! 私の妹も友人二人は……みんな、大規模な電車脱線事故でこの世を去ってしまった……! お前も同じ運命を歩ませる訳にはいかない!!」

 「それなら……私は『最高傑作』という呼び名はもういらない……これじゃあまるで、孤児院みたいな生活をする事になっちゃう……事故や災害は突然にして襲ってくる出来事だし、今でもウイルスが襲ってくるかもしれない……起こりもしない事に怯えてるだけの、なにも出来ない戦士になっちゃうのは嫌なの……! 私も理央さんも……恵梨香さんじゃないし……この人達も、本人じゃないから……」

 「……」

 

 笑は秀雄の考えに対して、首を横に振った……。すると、秀雄は突然、自分の首を手に当てながら苦しみ始める……!


 「うぐっ……うわぁぁぁぁぁああ!!」

 「ど、どうしたの……?」

 「あ、頭が……ウイルス因子が……混ざって……!」


 秀雄の体には禍々しいオーラが纏いながら、徐々に黒くなっていく……秀雄は抗いながら――


 「やめてくれ……!! 破壊行為なんか……望んでなんかない……私は……ただ……みんなと一緒に……いたかった……だけなの……に……」


 秀雄は抗いを続けるが、最終的には大型ウイルスになってしまった……少し悲しいけど、戦うしかない……って、あっ、しまった……!


 「……あっ!!」

 「イリルさん!! セナさん!!」

 「何よこれ!」


 突然、上から起動されていた捕獲装置に私とセナは捕らわれてしまった……! くっ……出られない……! 攻撃しても、ホログラムによって弾き返されてしまう……。

 すると、通った道の方面から、聞き覚えがある声と共に、ナイフがウイルスに目掛けて飛んできた……! あれって……理央……?


 「……!! この数相手じゃ……!」

 「笑! トキワタリ!」

 「理央……? 怪我は大丈夫なの?!」

 「ああ、双剣を持って歩けるぐらいには」

 「理央さん……一緒に戦ってくれるの……?」

 「何せ、こいつは秀雄本人じゃなくて……アタシ達と同じ、クローンだからね……」


 理央は双剣を構えながら、戦闘態勢に入った……! ウイルスは攻撃を仕掛けようとも、腕を強く振り下ろした……! しかし、二人は素早く横に回避した!

 その後に、すぐさまに笑は『Fire』タイプの力をジェットブーツに纏って攻撃を仕掛けた!


 「ストライクホイール!」

 「フン!」


 ウイルスは、笑の攻撃を両手で防ぎながら、振り払うかのように、弾き返した……! 笑みは後ろに飛びながら、もう一回攻撃を仕掛ける……!


 「そこっ!」

 「ぐっ……!」


 ウイルスは笑の攻撃に耐えられなかったのか、少し後ろに退いた……その隙を見た理央は、笑を援護しようと、ウイルスに目掛けてナイフを飛ばす……。


 「フン……!」

 「甘い……! やれ!」


 ウイルスはナイフを弾き飛ばした後に、大勢のクローンが現れ、ウイルスの命令に従い、理央や笑に攻撃を仕掛けた……! 理央はすぐさまに双剣で防いだ……。


 「くっ……」


 クローン達は理央を攻撃しようとした……理央は『Ice』タイプの力を双剣に纏いながら、クローン達をまとめて蹴散らそうとした……!


 「はぁ!!」


 理央は双剣を使って、空中で舞いながら、クローン達を蹴散らしていった……! クローン達は攻撃されて、因子となっていた……。

 笑は強気な姿勢を見せながら、ウイルスに語りかけながら、ブラストをチャージした……!


 「私……トキワタリに憧れて……外の世界に憧れて……フューチャーファイターズに入った……『何のためにここまで来た理由』は見つかった……ここでは立ち止まってはいられない……! やぁ!!」


 笑はブラストを放って、ウイルスに目掛けて勢いよく蹴った……! 続けて、理央もブラストをチャージした……!


 「アタシは自分のやることをやるだけだ……! 散れ!!」


 理央はブラストを放って、ウイルスに目掛けて、氷の斬撃を連続で放っていった! すると、『氷解』反応が起こって、ウイルスは攻撃に耐えきれず、倒れていっていた……。


 「ぐはぁぁぁぁぁ!!」


 ウイルスこと、秀雄のクローンは仰向けになりながら、倒れていた……理央は、秀雄のクローンの元へと向かい――


 「あんた……秀雄を元に造られたクローン、『HIDEN(ヒデン) C-09(シーゼロナイン)』……あんたは秀雄が大災害に巻き込まれた後に突然として誕生した、野生のクローンだね……再会した時から変だと思ったんだよ……」

 「ゴホッ……私の事をとことん調べたようだな……ドクターの運命はあまりにも残酷のまま終わらせていった……」


 ――「いやぁぁぁぁ!! 地震よ~!!」

 ――「この街も……もう終わりじゃ……」

 ――「大きな津波がもうこっちに向かってきている!! うわぁぁぁぁ!!」

 「ドクターは逃亡中に起こった……『エスカロード地方大震災』に巻き込まれてしまい、傍にあった『EMIRION C-01』を安全な場所へ隠していき、この世を去ってしまった……」

 ――「『最高傑作』よ……必ずしも迎えに来るからな……」

 「そう言い残したまま……『最高傑作』から離れていった……」


 「でも、當山さんは『最高傑作』である私達を生み出してくれた……辛い事もあったんだけど、どんな理由であっても、私達はフューチャーファイターズにいるきっかけを、私達自身で作れるようになった……私は後からになって、思い出したんだけど……私達は……當山さんには心から感謝しているの……當山さんは、私達を造ったときにこう言っていた……」


 笑と理央は、息を合わせながら、秀雄のクローン、『HIDEN C-09』に記憶の中の秀雄が言っていたという言葉を話した……。


 「「もし、これで本当に妹が蘇ったら……私よりも自由に正しくも、選べる権利を与えたい……ってね……」」

 「ゴホッゴホッ……我が妹よ……いや……『EMIRION』……って言うべきかな……お前達のこの言葉を聞けて……嬉しい……ドクター……私もそろそろ……限界ですね……」

 

 ――「お兄ちゃん」

 「え、恵梨香……」

 ――「ヒデ~!」「秀雄ー!」

 「名花……悠……まで……」

 ――「考えは……まとまったかい……?」

 「はい……ドクター……ごめん……な……さ……い……必ず……あなたの……元へ……会いに……いき……ま……す……」


 『HIDEN C-09』は知り合いたちの顔を浮かべながら、因子になっていって、消え去っていった……。

 その後、理央は捕獲装置を解除しに研究所へ走って向かい、私は捕獲装置のホログラムが解除された瞬間に、セナの滑空アプリを使って、手すりに捕まり、ふわりとゆっくりと降りて行った……。

 地に足がついた瞬間、理央は私とセナは先に帰るように話した……笑と理央は、研究所の方を見ながら残っていた……。


 「さて……後はこの研究所をどうしたモンかね……笑はどうしたい?」

 「え、えっと……よく分からないな……あの人は重要指名手配犯だったけど、私達を生み出してくれた……理央さんの判断に任せるね……」

 「ああ、わかったよ……」

 「えっと……こんな時に聞くのもアレかもしれないけど……私達……双子で合ってるよね……これから、普通に呼んでいいかな?」

 「今更だね……好きなように呼ぶがいい……よし……決まった」



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