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3020ストーリー~『第二の地球』と戦士の記憶を辿りながら~  作者: ユニィウルフ
〈第一章〉共鳴する過去の灯

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〈間章〉拝啓、研究結果へ 破-2


 ――その一方で……。

 重要指名手配犯の『當山 秀雄』が建てた研究所にて、私達は秀雄が操作している大きな戦闘ロボットに立ち向かっていた。

 戦闘ロボットは腕を突き出して、私達に襲い掛かってくる……笑は、回避や受け流しを繰り返しながら―― 


 「當山さん! もう、あなたと戦いたくないよ!」

 「あれ程、私の所有地に侵入して……なに開き直っているのでしょう?」


 私は、息を切らしながらハンマーを両手で握って、戦闘ロボの攻撃をTypeバリアを張りながら防いでいた。


 「あのロボット……強い……」


 北郎は、私よりも前線に来て、飛びながら大剣を振り下ろしながら、ロボットに攻撃をした。


 「大人しく縄につけ!!」

 「無駄だ」


 北郎はTypeバリアを張りながら、大きな衝撃を防ごうとしたが、衝動が大きすぎて後ろに下がってしまった……。


 「ぐっ! 少しはやるみてぇだな……」

 「ふん、この程度か……お前達はここで終わりだ」


 秀雄はロボットのボタンを押して、大砲を繰り出してエネルギーを蓄えていた……!

 すると、後ろからやって来た声と共に、炎を纏っていたヨーヨーがロボットに向かっていき、命中すると見覚えがある陰が戦闘ロボットを踏みつけながら攻撃した……! ロボットはチャージが中断される程に怯んでいった……。


 「そうはさせないっ! そりゃあ!!」

 「ぐっ、誰だ……!!」

 「あら? 駆……? 何でここに……?! ひょっとして、ウル達も?!」

 「皆さん、大丈夫ですか……?」


 私達の目の前に、駆が勢いを付けて助太刀にやって来た……! その後に、後ろから美菜とウル、ネリネもやって来て、急いでこちらに向かっていた……!


 「セナ、今朝偶然にも、笑を見かけた。その上で何故ここへと向かうか分かったから」

 「エミ~! ちょっと耳貸してくれない?」

 「ネリネさん……! 耳を貸してって?」


 ネリネは笑の左耳にこっそりと、何かの情報を耳に話していた……。


 「実はね……ゴニョゴニョ……」

 「うん、わかった!」

 「何をしようとしているんですか? まさかとは思うけど、『最高傑作』の一つを連れ去ろうとしてるんですか?」

 「『最高傑作』? オレ達は理央を連れ戻しに来ただけだよ?」

 「駆……おそらく、『最高傑作』は理央の事を指してると思う……」

 「ええ?!」


 駆は一体どういう事か良く分からないまま、話を聞いていた……ロボットは駆にもパンチを繰り出そうとしたが、ネリネがロボットの背後から攻撃を仕掛けた……!


 「そりゃあ!」


 ネリネは『Wind』タイプの力を片手剣に蓄えながら剣を突き出した! すると、『Fire』タイプとの『クラスター』反応が起こり、ロボットは矢無負えず緊急停止をされた!


 「今だ、美菜! あの門の装置にマジックを!」

 「おまかせを!」

 

 美菜は、鉄の門に向かって長杖を向けて、『Aqua』タイプのマジックを放った!


 「ヴァーダー!」


 すると、あの機械は水がダメなのか、ショートが起こって電撃をバチバチと起こした後、鉄の門を開いた……。その後に、笑は研究所の中へと走りながら向かって行った……。


 (よし……今だ……!)


 ――笑は、理央が捕らわれている部屋を確認して、装置から理央を両手で抱えながら救出した……。理央は力を抜いていたまま倒れそうになった所、笑が支えていた……。


 「理央さん! しっかりして!」

 「……」


 ――笑は理央を抱えたまま、研究所を急いで脱出した……。


 「はぁぁぁぁ!!」


 ウルは大剣を振り下ろしながら、戦闘ロボットの急所を狙いながら、Typeの力を手に纏って爪で引っ搔いた! すると、ロボットは電撃を走りながら倒れていき、爆発寸前の状態になるほど動けなくなった……。


 「うわぁぁぁぁぁ」

 「理央はいるな……引き上げるぞ!」


 私達はウルの指示で、一斉に来た道に沿って、急いで脱出するように行った……。

 逃げ出して行った後、北郎は研究所へと残り、涙を流していた秀雄の目の前に近寄った。


 「くっ……想定の範囲内だとわかってても……なんだ……この悔しい気持ちは……」

 「それは、おめぇさん……寂しいからじゃねぇのか?」

 「さ……寂しい……? この私が……?」

 「俺だってわかるぞ……大事な存在を守れなかった痛み……この痛みを抱えながらも生きてきた……それだけでも十分立派な事じゃねぇか……ただ、歩む道が外れてなきゃもっと良かったんだがな……」

 「……最初は外れた道を歩みたくなかったのだ……しかし、試行錯誤を繰り返すうちに逃亡を強いられる羽目になってしまった……こうなったのはあの大事故が起こったせいで……」

 「ああ、辛いとも……」


 ――そして、北郎が研究所を去った後に薄暗い部屋でただ一人、秀雄は机の上に伏せながら昔のことを思い出していた……。


 「……」

 (こうなったのは全てあの大事故のせいだ……いったい誰に怒りの矛先を向ければいいんだ……)


 ――20年前……秀雄がまだ研究員チームに入団が決まった頃……彼の妹の「當山(とうやま) 恵梨香(えりか)」と友人の「名花(めいか)」と「(ゆう)」と共に、入社祝いをしている頃……――


 「お兄ちゃん、おめでとう!!」「ヒデ~! おめでと~!!」「秀雄、おめでとう!!」

 「みんな、ありがとう!!」


 グラスが鳴り合わせる音とガヤガヤと賑わっている話し声を耳にしながら、秀雄はグラスを片手に持っていた……。ジョッキを片手に持っていた名花は、満面の笑みで話していた。


 「それにしても悠、いい店知ってるね~」

 「ははっ、前に来た時に玉子焼きが美味くて、また来ちゃったんだ~」

 「君の玉子焼き好きは相変わらずだな……」

 「お兄ちゃん、プレゼントがあるよ! 名花さんと悠さんと選んだんだけど……」

 「スカーフ……? この柄って、恵梨香が持っている柄の色違いのヤツだよね……」

 「そうなの! お兄ちゃんにも似合うかなって思って……時間を費やして、選んだんだ! だって……現在、雄一の家族だもん……」

 「お前が研究員チームに行くから、ちょっと寂しくなるかもしれないが、こうしてまた四人で、近いうちに集まれたらなっと思ってさ!」

 「ありがとう……恵梨香! 大切にするよ!」

 

 この時はまだ、大事故とは無関係な賑わいと活気で溢れていた。三人とはよく、休日を見つけては遊んだり、飲み会に誘ったりと、日々変わらない生活を送っていた……。

 

 しかし、あれから一ヶ月後……、秀雄は研究員チームのエンジニアとして仕事している最中の時、テレビからあの声が流れていた……。


 「速報です――レイト地方、ヒマワリ市内で、レイト線の電車が脱線事故が発生しました」


 秀雄達がよく使っている電車が突然、スピードの出し過ぎが原因で、脱線事故が発生してしまう……すると、何だか見覚えがあるスカーフが秀雄の目にとどまる……。

 すぐさま、上司に報告をして、事故現場へと走って行った……! 着いた頃には、倒れていた乗客の数々が遺体となって運ばれていった……。


 「恵梨香!! 名花!! 悠!! 恵梨香ぁぁぁぁぁぁ!!」


 大声で唸り声で呼んでも、返事は一切返ってこない……ただ返ってくるのは、瓦礫まみれの風景と倒れていた電車の傍に鳴り響いた涙混じりの声だけだった……。


 このことをきっかけに、秀雄はレイト地方からメイキョウ地方へと移動して、研究所を建設した……しかし、研究の途中で『禁断の研究』に手を染めてしまう……その結果、歩みだした運命は希望では無くて絶望だったのだ……ただ蘇らせたかった命が、なんも心もない化け物までも産み出してしまう悲劇にまで陥ってしまい、最終的には重要指名手配犯の『當山 秀雄』と化としてしまった……。


 「うわぁぁぁぁぁ!! なんだこいつら!!」

 「ママ~!! 怖いよ~!!」

 「おい、バケモン!! ネオ・ポンドポリスを壊しといて、どうするつもりなんだ! 一体、俺たちに何の恨みがあるんだよ!!」


 望んでいなかった血に染まった光景が、秀雄の目に焼き付けていた……そして、秀雄は静かにひっそりとこう口にしたのだった……。


 「……必ずしも、あの子達を連れて帰ります……待っててください……()()()()……」


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