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3020ストーリー~『第二の地球』と戦士の記憶を辿りながら~  作者: ユニィウルフ
〈第一章〉共鳴する過去の灯

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〈間章〉拝啓、研究結果へ 序


 ――なんだろう……この記憶……。

 私にとってなんも関係ないはずなのに……何故か蘇ってくる……。

 目の前には、ガラスが貼っており水の中にいるみたいだった……そして、白衣を着た博士らしき男性が、ガラス越しで私をじっと見つめながら、独り言を呟いていたの……。


 「……これで完了だ……でも……」


 男性は、疲れ果てた顔でため息をついていたの……何度も見てきたけど……辛いことでもあったのかな……。


 「みんな、妹の――と知られたら……知り合いに、妹の死が知られてしまったら……そして、『禁断の研究』の事について知られてしまったら……でも……あの時は私が庇うべきだったな……。研究員……私の幼い頃の夢だ……エーテルやType因子……化学物質や技術を調べ、より良い社会に貢献できたらなと思っていた……しかし、その願いは叶えたけど……心が枯れ果てたままだ……。今の望みは……また4人で飲みに行きたかったな……」


 システム――のインストールが完了しました。

 システム――のセキュリティスキャン完了、結果:正常 起動します。


 「もし、これで本当に妹が蘇ったら……私よりも自由に――」



 ――メイキョウ地方、ニュートラルシティの日が出てきそうなニュートラルシティにて、俺はベッドの上に仰向けになっていた……。

 明かりが点いていない寮の部屋にて、突然、カラフルな光によって目を覚まされた……。


 (……眩しいな……)

 「……いい話だ……」


 何なのかとソファの方を覗いたら、ルームメイトである駆が、ヘッドフォンを耳にしながら、また朝っぱらからテレビを観ていたんだ! 以前、駆とそれが原因で部屋を飛び出してしまった時がある……俺の言い過ぎも良くなかったがな……でも、俺の都合を考えるって約束したのに、結局はあいつのペースに振り回す羽目になるのか?! すぐさまベッドから降りて、駆の頭に付けていたヘッドフォンをすぐさま片手で外してまだ外は暗いって説明した!


 「……?」

 「駆……! また暗い場所でテレビを観やがって……何時だと思ってんだ! 目が悪くなるぞ!」

 「あっ! ごめん……ウル……最近バタバタしてて観ようと思ったアニメを一気見しようかとしてて……」

 「サブスクだろ……? それ……それよりもお前、俺と遊びに行きたいって聞かねぇから、誘いに乗ってやったのに結局は俺を振り回してぇだけじゃねぇのか! 何度も言うが早く寝ろ!」

 「ごめん……! これ観終わってから――」


 俺は説得しても、まだ遠回しに抵抗している……矢無負えねぇ……こうなったら奥の手しかねぇな……。


 「……俺の尻尾を触らせてやってもいいって言ってもか?」

 「えっ……君の尻尾って確かにふわふわかつモフモフだけど……ベッドの上ってなると……」

 「……いっつも俺のベッドに無許可で入ってる割にはなに開き直ってんだ」

 「あっ……ごめん……やっぱりもうちょっと寝るよ……でも、実は……何か抱き枕とかフワフワしたものがないと眠れないんだ……だから、もう一回君のベッドで寝かせて!」

 「お前が寝てくれればそれでいいんだ……」


 やれやれ、やっと寝てくれたか……。しかし、駆はやたらと俺の尻尾に触るのを好む傾向があるな……ここら最近になって、俺の尻尾を抱き枕代わりにして……この時期に抱かれると暑いっつーのに……まぁ、テレビの光で起こされるよりかはマシかもしれねぇな。

 俺は元々一人っ子で、後輩どころか、年下の者の扱い方には全く慣れていなかった。うっかりきつく当たったりすると泣かれたり恐怖対象にされたり、優しくしすぎると尊敬されるが、ワガママになったり利用されたりするからその調整がかなり難しい。俺は噓が大嫌いな事もあり、こんなに難しく感じるかもな……さて、それよりももう少しだけ寝るか……。

 そして、日が昇り始めた時……って、もうこんな時間か! 寝過ごした! 急いで、駆も起こして出かける準備を焦りながらもした……! 朝飯は……惣菜パンを持たせながら、俺たちは急いで駅の方へと向かって行った……!


 そして、ネオ・ポンドポリス駅前にて――

 沢山の通行人が横断歩道を歩いたり、空飛ぶ車が次々と渋滞を繰り返しながらも飛んでいたりしている背景で、駅の改札をくぐったら、後輩のラルクと優二がなんかの話をしながら立っていた……。そして、駆がすぐさま、二人の方に向かって走って行った……。


 「ラルクに優二! お待たせ!」

 「おせぇぞ、駆にウル! 予定よりも30分遅れてるぞ!」

 「ラルク……噓はやめよう……実際は予定よりも5分遅れ程度だから!」

 「それにしても、駆が遅刻なんて珍しいよな~学生の頃のお前は無遅刻無欠席の皆勤賞だったのに、一体何があったのか?」

 「これは俺の責任だ……」

 「ひょっとして、駆はウルを抱き枕代わりに二度寝とかしてんじゃねぇの~? こいつはよく近所のイッヌ(いぬ)ヌコ(ねこ)に好かれてたし、遊んでは寄り添って昼寝をよくしていたからな~!」

 「ラルク……昔の話はまた今度にしよう……今日は休む事に注ごうぜ!」

 「よぉ~し、遊ぶぜ!! サンストーン・シティを遊びつくしてやる!」


 駆とラルクは、少しスキップしながらも、明るい表情をしながら横断歩道を歩いていき、その後に俺と優二も早歩きをしながら追いかけていった。


 「ん……?」


 向かっている最中に、遠くに見覚えがある陰がうっすらと見えたような……? 俺はおもわず足を止めて、遠くを覗き込んだ……。


 (あれは……笑……? 一人で何やってんだ? 今日あいつは、イリルやセナ、美菜と一緒にどっか行くはずだったよな……)

 「ウル~?! 何で止まってんだ? 早くしてくれ! 「3020カードゲーム」の新パック、転売ヤーに買われちまう! 急げ~!!」

 「お、おう……」


 ラルクは慌ただしく、急かすように俺を呼びかけた……仕方ねえ……早く駆達と足並みをそろえながらサンストーン・シティへと向かった……笑の事は、後で李徴さんとレイに連絡をするか……。



 ――一方その頃……。


 「……確か、この辺りに行ったはず……」


 ウル達がネオ・ポンドポリスにたどり着く前の時、笑は不自然なほど沈黙しながら、辺りを見渡していた。アニメや漫画の文化が豊富で大人から子供でも楽しめる、このネオ・ポンドポリスに、やたらと不自然に荒れ果てており、ガレキやガラスの破片が散らばっている場所があった……。

 笑は、荒れ果てた道を歩いて恐る恐る歩いて行くと、数日前に部屋に残された、ルームメイトからの手紙の事と、その内容を思い出していた……。


 笑へ


 この手紙を読んでるってことは、

 あんたはもう起きてるってことでいいだろう。

 これからアタシは重要任務に出かける。

 寂しくなるかもしれないけど、

 しばらくここへと帰らない。

 悪いけど、探すのはナシだからね。

 くれぐれも他の奴には言うなよ。


 理央 


 「……この手紙を置かれてから、一週間経つけど、理央さんは帰ってくる気配がない……」


 そう考えていたら突然、人のような生命体が笑の前に姿を現した……! 生命体はメタリックな身体をしながらもヌルヌルと動いていき、笑に攻撃を仕掛けようとしていた……。


 「ぎゅるるる……!!」

 「!? な、何あれ……! ウイルスでも原生生物でもないみたいだけど……」


 笑はすぐさまジェットブーツを装備して、Typeの力を使って右足で蹴り上げた……! 生命体は攻撃を受けて、すぐさま道外れの方へと逃げ出してしまった……。

 先ほどの生命体の別個体が、縄を片手に掴んで誰かを引きずりながら、鉄の扉へと入っていった……。


 「り、理央さん?!」


 笑は理央に向かって大きな声で呼んだ。しかし、聞こえなかったのか返事が一切ないまま引きずられていった……。すると、謎の生命体の声が笑の背後から聞こえてきた……!

 

 「あっ!!」

 「どぉりゃぁぁぁぁぁ!!」


 笑は不意を突かれて、攻撃を仕掛けようとも出来ずに生命体に襲われそうになる……! 突然、大剣を振り落とされた音がして、笑は目を開けた……。すると、消滅していく生命体と共に、大剣を片手に担いでいた男性が笑の目の前に立っていた……。


 「おいおい、お嬢ちゃん一人でこんな所で宝探しゲームなんて、愚か者にも程があると思うぜ?」

 「だ、誰……?! って……あ、あなたは確か……理央さんが言ってた……えっと……お医者さん……?」

 「北郎だ! 俺のことは『海素 北郎』って呼べ!」

 「いいえ、宝探しにきたんじゃないんです……理央さんがこの辺りで謎の人物に引きずられて、機械の門に入っていったみたいなんです……」

 「あの、冷血漢な女アサシンの事か? 確かにあいつとちょっと取引したことがあるぜ……ここはかつて、重要指名手配犯が残した研究所みたいなもんだ。そいつは科学者だが、禁じられた研究をしたことで罪を犯したらしくてよぉ……現在も逃亡中なんだが、どういうわけか今朝、あいつがこの辺りに再び姿を現したって情報が飛び交ったもんでね……ここはおじさんに任せて、さっさと立ち去りな! おめぇさん一人で気軽に寄り道できるような場所じゃねぇんだ!」

 「いいえ、私は理央さんが危険に晒されてる状況を見て、見て見ぬふりをするわけには行かないんです……お願いします! 私も連れてってください!」


 笑は全力で北郎に調査に協力するよう、申し出た……しかし、北郎は頭をかきながら目をそらしていた……。


 「そうせがまれてもおじさん困るんだがな……コロナとの戦いで一時共闘したあの狼といい、俺を補欠として扱いやがって……まぁ、『主役(ヒーロー)』って立場にもなれねぇがな」


 北郎は笑の方に目線を向けたら、何かが足りないような感じがした……。


 「そう言やぁ、おめぇさんの憧れのトキワタリは一緒じゃねぇのか?」

 「イリルさんですか? 今日みんなとお出かけする約束が入ってて……私は、今朝早くに理央さんの手がかりを掴んだ後、みんなと合流しようかなって……」

 「ったく……おめぇさんは甘いな! この指名手配犯の研究所を舐めたら、お陀仏(だぶつ)になるぞ!!」

 「すみません……」

 「せめて、今すぐにあのトキワタリをここに呼び出せ! そしたら考えてもやらなくはねぇぜ? そっちの方がリスクが少ねぇだろ?」

 (本当はイリルさん達に休ませたかったから、巻き込みたくなかったんだけど……)


 笑は、イリル達に対して、とてつもなく申し訳なく思いながらもメッセージを入れていった……。シャドウ・コロナとの戦いを終えてからしばらく経ち、ゆっくりとした休日を過ごした後に、レイト地方へ旅をするイリル達に対して突然の願いを、どんな表情をするのかを……笑はイリルにメッセージを送信した……。


 ――一方その頃……。

 イリルとセナは、美菜と共にネオ・ポンドポリスに到着していて、お菓子の材料を買った後にネリネ達と待ち合わせしているという、ネオ・ポンドデパートへと向かおうとしていた……すると、セナからピコって音がした……。


 「あれっ? 笑から……?」

 「イリルさん……? どうしましたか?」

 「……!」


 イリルは険しい顔で、笑からのメッセージを読んでいた……メッセージには、笑が先ほどに身の回りで起こった事と、自分の映し出された知らない記憶についても書かれていた……。


 「笑……今日は姿を見なかったと思ったら、そんなことが起こったのね……しかも、理央が一週間も帰ってきてないなんて!」

 「ネリネ達との合流はどうしましょうか……」

 「私とセナはちょっと行ってくる。美菜はネリネ達と一緒に合流して、なるべく理央の事は伏せてね……理央は……大騒ぎになることが好きじゃないと思うから……」

 「は、はい……わかりました……それでは、また待ち合わせの場所へ落ち合いましょう!」


 イリルは真剣な表情をしながら、笑の元へと走って行った……。美菜は、すぐさまネリネに連絡して、急いでネオ・ポンドデパートへと向かって行った……。



 ――一方その頃……。

 薄暗い部屋にて、理央は両腕を縛られながら、謎の装置に捕らえられていた……。


 (ゴホッゴホッ……ここは……ああ、アタシは確か、あいつの戦略に引っかかって……)


 理央の目の前に、白衣を着た謎の男が傲慢な態度で歩いてきて、理央の元へと立っていた……。


 「やっと見つけたぞ……」

 「随分と手荒なご招待だね……あんたはあの事件以来どこに行ってたんだ?」

 「この世の万物を研究しに行って、全地方の果てや『第二の地球』の丸ごとだ……」

 「要するに逃亡してたって事でいいのか。それで、何で今日になって急に帰って来たんだ? 指名手配されてんのにも関わらずに、普通吞気に帰宅できるか? アタシがあんたの立場だったら迷わず、その選択はタブーだよ……」

 「確かに私だって迷ったよ……でも、私の『最高傑作』がこの地方に再び姿を現した時……」

 「『最高傑作』ねぇ……あんたには程遠い言葉だな」

 「口の効き方には気をつけた方がいいぞ? 君は知らないうちに外の者から悪い影響を受けてるみたいだな……少し教育し直さないといけないね……」

 「手荒なご招待をしたあんたが何言ってんだ? そんなことより、まずは研究所の周りにいたアレをどうにかした方が最優先課題だと思う、放っておくとあんたの尻尾が出ちゃうかもよ」


 大きなモニター画面に、監視カメラで映された映像に対して、男はため息をついていた……。


 「おっと、私はちょっとお客様を対処してくるからね……招かれていないお客様をさっさと追っ払ってくるおもてなしをね……」

 (……!! あれ程探すなって手紙に書き残したのに……!)


 男は鉄のドアをくぐって行き、理央の知り合いの戦士達の元へと向かって行った……。



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