戦いを終えて
そして、コロナとの戦いから数日後……。
拠点の中庭にて、私とセナは風にあたっていた……すると、後ろからなじみがある影がやって来た……。
「イリルさんにセナさん! 探したよ!」
「笑……ちょうどあんたに用があった」
私は劉輝から授けられたハンマーと一緒に送られた手紙を笑に渡した。シンプルながらも、丁寧できれいな封筒を……俊の手紙だろうか……?
「笑……これをあんたにって……」
「えっ……?」
背景 笑ちゃんへ
お元気ですか? 穏やかな陽気となり過ごしやすい日々を
お過ごしでしょうか?
あなたはいつも公園で、お花に水やりをしていますね。
僕は笑ちゃんの優しい部分としっかり者な所に憧れていま
した。
戦士の仕事で忙しいのに僕や子供達を助けてくれたり、喧嘩
を止めたりトラブルを解決したりして、カッコイイなと思い
ました!
良かったら……こんな僕とお友達になってくれませんか?
お返事をお待ちしております。 佐々木 俊
追記:おばさんも一緒よ~! 笑、私達の分も含めて世界を廻ってきてね!
あっ、それと今はトキワタリに会えたって? 良かったね!
「……二人は最後まで優しかったって、信じてた……もしあんな事が起こらなかったら……もう一回だけ、会いたかったな……お返事の手紙を書いて、おばさんとシュン君のお墓へ持っていこう……」
「笑……その時は私達も一緒に行きましょう……イリルも会ってきたって言ってたみたいだけど……」
笑は涙を堪えながらも、二人のことを思い浮かべていた……きっと美子と俊の思い出が蘇って来たのかな……。
すると、封筒からもう一枚の手紙が落ちてきた……。
「あれ? もう一枚落ちてある……『リグル』って……?」
「……!」
親愛なる戦士 イリルよ
イリル、お前の力と記憶はこの『第二の地球』の様々な場所に
散らばっておる……。
記憶に関しては主も探していると思うが、力については様々な
形で封印されておる……。もしお前がその力を見つけられたら
主に伝授しよう。
くれぐれも、他のものには渡したり、気安く公開はせぬよう
気をつけてくれ。
それでは、ライルの事もこの世界の事をよろしく頼むぞ。
コードネーム『リグル』
「リグル……」
「あっ、イリルさんにセナさん、笑もこんなところに!」
後ろから、また見覚えのある影がしてきた……今度は駆と美菜、少し遅れてウルも……。
「イリルさん……先ほど駆さんから聞いたのですが……突然ハンマーを持ったまま、笑ちゃんを守ったって言っていましたが……本当でしょうか……?」
「うん……」
「しかも、使ってたTypeの力が今まで『Light』だったのに『Steel』の技を使っていたって聞いたぞ……本来、Typeの力は一人に付き一種類しか使えねぇはずだ……イリルがマジックユーザーだったら話は別だが……」
「いや……私はマジックユーザーじゃない……正真正銘、『Steel』の技だった……ほら……」
私はみんなの目の前で、Typeの力を使った……今まで使っていた『Light』ではなく、全く身に覚えのない『Steel』の力をみんなに披露した……。そして、みんな目を丸く見開いてており、セナは落ち着きが戻ったかのように話した。
「……どうやら、噓じゃないみたいね……」
「うん……どうやら私の『秘めたる力』の一つみたい……今まで使ってた片手剣もその一つだし……」
「イリルはどうやら……記憶だけじゃなくて、力まで失ってるようね……早く何とかしないとだわ!」
セナは気合を入れて、一回転しながら飛んでいった。笑はあの戦いの事の中に疑問に思った事を私に話した……。
「そう言えばイリルさん……コロナが言ってた事なんだけど……」
「『世界を決めるのは誰なのか?』のこと?」
「そうそう! イリルさんのあの質問の答えについてだけど……どういう事? この第二の地球は誰も決められないのかな?」
「いや、笑……あんただよ……あんただけじゃなくてセナに駆や美菜、ウルや李徴……そして、アプルや若葉、楠木に凛星……理央やコマ子、蜥影も……第二の地球生命全員が当てはまる……」
「えっと~? つまり……どういう事だ?」
駆は首を傾げたまま話していた。セナはみんなの前に来て飛んでいて、笑顔で話していた。
「イリルはこう言いたいのよ!」
セナは目をつぶりながら、何かを表現するかのように物語った……。
「みんなは行動したいのに、ついうっかりと端末を見て、一日過ごしちゃった事ってある? それは……誰もが通る道だけど、何もしないと世界は動かない……あるいは悪者によって動かされてしまう……ネットや動画は娯楽にいいんだけど……解決策にはならないの! 寝る前にも考えたって解決にもならないわよ! だから、怖くても一歩踏み出して、やりたい事を行動してみる事が世界を決める事になるのよ! あっ、物理的や強引の手段で世界を決めちゃダメよ! もちろん、犯罪もしちゃダメよ! 哲学的な答えになっちゃうんだけど、世界を決めるのはあなた達自身……「スポーツ大会で世界を熱狂させる」のような感じで、言葉では簡単だけど、行動は難しい……それでも私達は歩み続けるのよ! それが、あなたの世界が誕生するかのようにね……」




