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3020ストーリー~『第二の地球』と戦士の記憶を辿りながら~  作者: ユニィウルフ
〈序章〉始まりのニュートラルシティ

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Act.2-1 トラブルだけは起こさないように

 メイキョウ地方ニュートラル区、時刻は午前5時過ぎ、今朝の情報番組、『ニュースフューチャリングス』が始まる時間だ。


 「「「おはようございます」」」

 「時刻は午前5時になりました、今朝の情報番組『フューチャリングス』の時間です」


 ニュースキャスター達が一斉に頭を45度下げた。


 「まずは速報です」


 〈速報〉紛失していたタイムマシンが発見される


 「先週から紛失をしていた、タイムマシンのプロトタイプ10001号が、今日の午前2時30分、ネオ・ポンドポリスのサンストーン・ロードで発見されました。警察の調べによりますと、「空から何かが落ちてきた」と110番通報を受け、警察が駆け付けた所、タイムマシンが既に不時着していたということが判明いたしました。この事故による怪我人は発表されていません。なお、シートに人の痕跡があり、トキワタリがいるとみて、警察は調査を進めています」

 


 おはよう、駆だ、昨日はバグト・タラチュラの襲撃があって、研修の時間は長引いちゃったけど、マジック使いの美菜と大剣使いの先輩、ウルの協力もあって、バグト・タラチュラの撃破に無事に成功し、オレはファイターズに入団出来た。


 あっ、ファイターズの拠点を詳しく説明すると、いつでも任務に備えられるように兵団寮性になっているんだ。オレは士官学校の頃から全寮制だったから結構慣れてるから心配は全然ないんだぜ。

 あ……あの後、オレと李徴さんで寮の場所を確認した後、そのまま部屋の案内の話になったんだけど……。


 「忠告だが、一部屋につき、二人となっている、くれぐれもトラブルは起こさないように」

 「はい!」


 オレはドアの鍵となる端末の隊員証のアプリで、部屋の扉を開ける。


 (知ってる奴なら、穏やかに過ごせそうだけど……)


 そんなことを考えてから、部屋に入って挨拶をした、すると……。


 「こんばんは!」

 「ん……?!」

 「あっ……!」


 扉を開けてたら、ウルが机に向かって端末を操作していた。ええっと……部屋間違えたのかな……。


 「ああ……ウル、養母から聞いたことであろうことだが……今日から君と駆はこの部屋で過ごすことになる。よろしく頼むだろうか……」


 ウルはこっちに顔を合わせないまま、返事を返した。


 「は、はい……」

 「ウル……やっぱりあの事件が起こって以来、少し難しいようだな…心配するな。もし、負担だったら養母に連絡しても構わないのだぞ」

 「い、いえ、一緒に暮らすくらいなら……」

 「そうか……それでは私はそろそろ行く、駆はもし分からないことがあれば、私かウルに聞いてくれ、では、失礼する」


 そう言いながら、見剣さんは部屋を後にした。


 「え、えっと……ウル先輩……?」

 「おい、お前……」

 ま、まずい……機嫌を損ねたかも……! ウルとは今までで関わったことないタイプの人だからなぁ……。少し離れようとした所、ウルはこう言った。


 「いくら初対面だからって、硬すぎるだろ……もう少し楽にした方がいいと思うぞ」

 「そ、そうかな……」


 もう少し楽にかぁ……それじゃあ、いつも通り過ごすかのような感じで――


 「これからよろしく頼むぜ! ウル!」

 「楽過ぎだろーーー?!」

 「ええ?! 言ってる事と真逆じゃん! さじ加減にすればいいのか⁈」


 ウルは「しまった!」と心の声を言った感じで口を右手で抑えていた。その後、落ち着いた感じで、オレに問いかけてきた。


 「というかお前、年上の人でも呼び捨てにしてんのか?」

 「う、うん……まぁ、同年代前後だけど……。まさか、オレよりもっと――」

 「そんなに上じゃねぇが、俺は21歳だ。俺もお前と同じぐらいの時に入団した」

 「なるほど! じゃあ、これからもよろしくお願いします!」

 「お、おう……」


 とりあえず、自己紹介は無事に済ませて、普通に風呂や歯磨き粉を済ませて普通にパジャマに着替えてベッドへと向かった。

 ……しかし、この後が大変だった……。


 オレはテレビでニュースを見ていたら、トキワタリがメイキョウ地方のネオ・ポンドポリスに現れたって速報が入ってきた! オレはつい、二度見をしてしまい、口を開いた。


 「と、トキワタリだと?! すげぇ!」

 「駆! まだ5時なのに何してんだ!!」

 「え? 5時は普通みんな起きる時間じゃないのか?」


 心配事なのは、オレの寝泊まりする部屋にウルとは全く時間が合わなかったことなんだよ……。ウルは早寝早起きの習慣のオレとは逆で、いつも夜更かしかつ遅起きで、夜行性な奴でいつも暗闇を好むのかと思う……。



 「こ……これ終わったらさぁ……朝一で訓練しようかと思った所なんだ!」


 オレは一旦テレビを消して、ウルになんとか許してもらえるように説得した。でも、ウルは――


 「そう言われてもまだ真っ暗じゃねえか……第一、俺だって好きでルームメイトになったわけじゃないんだぞ。寮母や李徴さんによろしくって言われただけだ。なんでも自分のペースだけに人を振り回さないで、少しはこっちの立場になってくれ!」


 ……と言われて結局ダメだった。でも、まだオレはもう目を覚まして、二度寝は性に合わない。仕方ない、さっさと別のところでニュースの続きを見ることにした。


 「あぁそうか! そんじゃ、別の所を探してみんな目覚める時間待つから! それまで君はたっぷり寝ていけ!」

 「養母に怒られるからそれはもっとダメだ! ……ってもういねぇし……!」


 オレは他の待機できる場所を求めて拠点ないを歩き回っていた。


 (ふんっ! どうせオレが早すぎるからみんな迷惑してんだろ! そんなら最初からウルが一人部屋の要求を養母に申し込めばいいのに!)


 そう思ってオレは廊下をひたすらに歩き続けていた……。よくよく考えてみたら、この時間は食堂は準備中だし、トレーニングルームや訓練所はまだ空いてなんかない、空いているのは拠点内にあるコンビニと休憩スペース、オペレーター専用の部屋の通信室のみだ。


 さらに、この時間帯のニュートラルシティはヤクザや変人、ましてや凶暴な生物が沢山出回っているので、かなり行動範囲が限られてる。オレは仕方なく、コンビニで何かを飲み物を買った後に休憩スペースに行くことにした。向かってる最中にファイターズが全員誰でも使える、共用のクラフトマシンに誰かいた。


 「ふう……暇つぶしに作ったポーションの完成だ……」


 クラフトマシンにいた白衣をきた女性は恐らく機山きやま ももさんのはずだ、技術部隊の一人で、その中でもすごく変わり者だとレイさんから聞いたことがある。

 桃さんがこっちに気づいたか、オレの所へ近づいて来た。


 「あれ? 早起きの新人くんなんて珍しいねぇ……君も悪夢にうなされて目が覚めたかい?」

 「い……いいえ……元から早起きなものなので……」


 桃さんはどこぞのマッドサイエンティストらしき面でオレに話している……。暇つぶしにクラフトマシンで何かを作っていたみたいだし……。


 「な……何をしていたんでしょう?」

 「ああ、今、『絶対眠れる安眠ポーション』を自分用に作ってたのさ!」

 (うぅ……酷い色だ! 毒素材を使ったかのようなわけわからない色してるし、瓶の蓋から変な煙が貫通して出ているな……。聞くんじゃなかったな……)

 「あ、そうだ、どうせ暇なら、私の実験台になるかい? 早速だけど、このポーション試してみるだけさ、注意点は必ず悪夢に――」

 「遠慮します!!」


 オレは急いで背後を向いてこの場合を逃げるように去った。


 それに、安眠って言う割には必ず悪夢になるってことは全く安眠じゃないのが矛盾な所、そして、酷い色のポーションを飲むってこととがまず耐えられない。オレは使うとろくなことにならないだろうと考えた。


 「おや、それは残念、じゃあまた会おう~」


 桃さんと別れて、休憩スペースへ到着すると、先に到着していた人がいた。


 「……ったくもう! 美菜の奴! あたしが珍しく早起きだって言うのに寝ろ寝ろうるさいんだよ! まったく!」


 どうやらあの同い年位で、茶髪で運動系らしき女の子がオレと考えてたことそっくりなことをぶつぶつ言っていた…。するとその子と目が合ってしまった。


 「ん? 誰か発見! ねぇそこの男子、あんたも珍しく早起きしていてうろちょろしてんの?」

 「オレの場合は常に早起きだけど、まあしばらくここにいるって感じだな。所で君は珍しく早起きって……普段は遅起きなの?」

 「ピンポーン! 実はあたし遅起きなんだ~!」

 「別に自慢することじゃないだろ……」


 そう言えばさっき美菜のことをどうたら言っていたけど、この子は美菜のルームメイトだろうか……。そのことを聞いてみた。


 「ねぇ、君って美菜の———」

 「あ、あたし腹減った~せっかくだし、一緒に食堂行かない?」

 「え? まだこの時間空いてないぞ?」

 「あたしがなんとなくの時間でいいの! さぁ、早く行こう! 地球メロンパンが売り切れるぞー!」

 「あっ! 待てー!」


 あの女の子はマイペースすぎる! オレの視界が遠くなりそうなほど速足で食堂に向かった。でもあの子を追わないと馬鹿にされちゃうし道に迷ってしまう! オレはそう思いながら急いで食堂の方に向かって行った。

 そして、何とかあの女の子に追いついた! というかこの時間帯、人がきっと出てくるはずだ!


 「急に走んなよ! それに廊下は走ったら怪我するだろ! 他の人にぶつかったらどうするのさ!」

 「あんたは学校の先生かよ! それに自分だって走ってるくせに人のこと言えねぇだろ!」

 「君が走んなかったらこんな事忠告しない!」

 「余計なお世話だっつーの!!」


 あの女の子と競争かつ言い争いになっていた頃、廊下にウルとすれ違った。


 「?!」


 オレは思わずペースダウンした。


 「どうした、お腹空きすぎて体力なくなったのー?」

 「ち、ちげーし!」


 オレは誤魔化して再び走り出した。

 ……一方でウルは考え事をしていたみたいでこちらには気づいていないみたいだ。


 (はぁ、駆の奴……俺が言い過ぎたとはいえ、どこ行きやがった……)


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