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3020ストーリー~『第二の地球』と戦士の記憶を辿りながら~  作者: ユニィウルフ
〈第一章〉共鳴する過去の灯

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それぞれの想い


 ニュートラルシティにて……ネリネや優二達が防衛している地域で、ラルクが『Aqua』のTypeタンクを設置しており、設置が終わったと報告を受けた。

 そして、優二は長杖を両手で構えたまま、浮かび上がった。そして、優二の足元に氷の紋章が刻まれた魔法陣を地面に浮かび上がらせ、ブラストをチャージしていた……。


 「調和せよ! 白銀に染める吹雪を!」

 (何故だろう……いつもより身体が軽く感じるな……杖を持っているからか?)


 優二はブラストをチャージしている間、目をつぶって子供の頃の記憶を薄っすらと思い出してた……。


 (僕は暑い季節が苦手で、寒い季節を丁度いいと思い込んでいた……しかし、それが原因でみんなから差別されたり、仲間はずれにされたりしていた……そんな中で、師匠は僕にこう言った。「お前には『氷の身体』と呼ばれる特質を持っておる、寒さを丁度いいと思うのは想定内のことだ、かと言って面倒な事ばかりではない……氷の身体は、『Ice』タイプの力に高い適性を兼ねそろえている……例え地味でも少なからずとも自分の長所を大事にしろ」って……。それに、差別化の事を話したら「みんなお前の事を知らないだけだ。知ってもらえばそんなこと言われなくなくなる……まるで、「障害者だからと除け者にする」と似たようなものだ……俺にはわかる……親戚も発達障害を抱えて、みんなに差別された時期があったから……」って……言ってたな……)


 この事を考えている間にブラストのチャージが完了し、杖を大群のウイルスの方へと向けた……!


 「凍れ!! 氷河期かのように!!」


 優二はブラストを使って、Typeタンクを起爆しながらも大群のウイルスを吹雪に巻き込んだ。すると、『氷結』反応が起こり、ウイルスの大群はカチコチに凍っていた。

 

 「おお! 待ってたぜ~!!」

 「っしゃオラ~! 一気に片付けるぞ!!」


 大群のウイルスが凍っていて、身動きが取れない間にネリネと大河、ラルクは一気に大群に攻撃を仕掛けた。


 「ディフェンスダウン弾を食らえ!」

 「そぉ~れっ!!」


 ラルクは敵にディフェンスダウン弾を付けて、弱点を突きやすくして、その後ネリネが『Wind』タイプの力を使い、まとめて蹴散らした。すると、『クラスター』反応が起こり、氷結が解かれないままどんどんウイルスが因子と化としていく。

 そして、大河はブラストを使おうと地面に向かって、パンチを当てた!


 「この一撃で!!」


 大河は『Earth』タイプの力を使って、凍ったウイルス達に地震を起こして攻撃した。すると、『氷砕き』反応が起こり、氷が解かれたウイルス達は、次々と因子と化していった……。


 「やるなぁ!! 大河に優二! ついでにネリネ!」

 「おまけみたいに言うなよ!」



 ――その一方で……。

 シャドウ・コロナに導く道なりに向かったイリル達だが、突然、大型ウイルスのバグト・タラチュラがイリル達の背後に姿を現した。

 それを引き留めようとウルは、バグト・タラチュラに挑んだ。大剣を脚に向かって振り下したがすぐさま、頑丈な脚により弾き返されてしまった。


 「硬てぇな……案の定、こいつは強くなってるな……」

 「ブガァァァ!!」


 バグト・タラチュラは脚を踏み入れ、ウルに向かって攻撃を仕掛けた! しかし、ウルは攻撃を軽々と回避していった。


 「随分と荒い再会だな……! お前とは二度と会いたくなかったんだがな!」


 避けた後、『Thunder』タイプの力を手に蓄えて、爪を引っ搔くように攻撃した。


 「震えろ!!」


 ウルは脚に向かって、連続で引っ搔いた。しかし、バグト・タラチュラも何もせずに食らいっぱなしにいるわけなく、ウルに向かって糸を吐き、ウルは腕の動きを封じ込まれてしまう。


 「あっ! しまった……!」


 バグト・タラチュラは糸で縛ったウルに向かって、すぐさま口元の牙で攻撃して、ウルを投げ飛ばした……。


 「うぐっ! 少しはやるな!」


 ウルはすぐさま、腕を縛られた糸をほどいていた……ほどいた頃には、バグト・タラチュラが接近して、脚で踏みつぶそうとした……!

 

 「……!?」

 「どおりゃぁぁぁぁぁ!!」


 急に茂みから現れた、極道の男がバグト・タラチュラの脚に力一杯、大剣を振り下ろす! すると、バグト・タラチュラは体制を崩して、地に身体を着きながらダウンした……。


 急に茂みから現れた、極道の男がバグト・タラチュラの脚に力一杯、大剣を振り下ろす! すると、バグト・タラチュラは体制を崩して、地に身体を着きながらダウンした……。


 「北郎先生、まだ早いですよ! 合図まで待てって……」

 「いつまでおじさんを待たせるんだよ!! あれほど助っ人呼んだって言っといて、結局一人で退治しようとしてんじゃねぇか!」

 「うっ……すみません……こいつは因縁があった――」

 「『マネーイズタイム社』の責任者だろ? 俺もこいつに借りがある」

 「えっ……?」

 「昔の話になるがなぁ……俺の妹がこいつんとこで働いてた頃だな……」


 ――「あんときはまだ一人でアパートで暮らしてたから、客人は滅多に来ねぇ。そんな時、インターホンがなってドア開けたら、妹がやってきて……「しばらく泊めてほしい」と俺に頼んできた……なんでかって、理由を聞いたら――」

 「ウチ……もう働きたくない……あの責任者は、社員を平気でこき使うんだよ……! サビ残も平気でしてくるし、一日の労働時間が20時間強いられて……それも毎日……! 休みますって言ったら、あっさりと却下されたり、クビにするや退職金はないって脅して来たり、もう耐えられなくなって来た!」

 「やれやれ……兄ちゃんは退職代行サービスじゃねぇんだがな……わかったよ……冷蔵庫に作り置きしてたおかずを温めてくるから、リビングで休んでろよ」

 「ありがとう、兄ちゃん……」

 (『マネーイズタイム社』……労働基準法って言葉を知らんのか……! 噂にすりゃぁ、社員をAIアシストロボットかのように使う、利益しか目が行かねぇ連中が山のようにいて、耐えられなくなり、自殺した社員が次々と後を絶たないって聞いた……! 俺の妹だけは、絶対に守って見せるぜ……!)

 ――「そんな感じで、俺の妹を隠れさせるような感じで泊めさせたんだけどよ……奴に妹の場所がばれちまって……」

 「……お前、呼んでもいねぇのにお出迎えか? しかも何なんだ? この人型ウイルスは……お前たちはウイルスと敵対したんじゃなかったのか?」

 「確かに数日までそうだったのですが……あるお方が我々にメリットがある上にデメリットがない、最適の取引を成立したので。そして、あなたの妹がそちらにいらっしゃると情報を受けて、無断欠勤と判断され、強制労働に迎えに来ました」

 「確か……妹はお前宛てに退職届を送ったはずだ! 妹はもうお前とは赤の他人だ! そもそもの所、労働基準法を知らんのか!! お前んとこの社員は沢山の人数が自殺してんだぞ!」

 「ほう……初耳ですね……どうして働かせて自ら命を絶つなんて……我々には一切の責任を負うことは出来ません……それでは、妹さんを連れていきます」

 「させねぇ!!」


 「……結局、妹は連れていかれてしまい……妹は命を落としちまった……俺は守れなかった事を後悔しながらも、復讐も兼ねて何かすることはないのか考えたんだ……」

 「……それで、医者を目指すことになったんですか……? しかし……あんなハイエナだらけの海賊版街に設立しなくても良かったんですが……?」

 「ああ、でもそこにするように依頼してきたのは、市長からなんだ……それで――」

 「ブガァァァ!!」

 「また動いてきた! 続きはこれが終わったら聞かせてやる!」

 「そのようですね……俺は弱点を狙うので、北郎さんは正面をお願いします! そして、理央! お前は背後から頼む!」

 「……わかったよ……」


 木の上から見張ってた、白髪の女戦士が、『Ice』タイプの力を使って、バグト・タラチュラに向かってナイフを投げた。


 「そこっ!」

 「うらぁぁぁ!!」


 理央が投げたナイフをバグト・タラチュラの壊れかけた脚に命中し、ウルはTypeの力を使って、引っ搔いた。すると、『超伝導』反応が起こり、バグト・タラチュラの耐久性が削られていく。弱点である頭部に向かってブラストを使おうとした……。すると、北郎がニヤリと笑いながら、ウルを褒めた。


 「良い連携だと思うぜ! 狼!」

 「ああ、俺はあの時と俺とは違う……!」


 ウルはブラストをチャージが終わったら、全力で大剣を振り下ろす!


 「(いかずち)に飲まれろ!!」

 「ブガァァァァ!!」


 大きな雷がバグト・タラチュラに連続で命中し、トドメを刺した! バグト・タラチュラは悲しそうな顔で因子となりながら鳴き声らしからぬ音がしたのだ……。


 「北郎さん……「マネーイズタイム社」の未来は……どうなり……ますか……」

 「フン、お前が心配するのはそれか? あの会社はあの後、改心してホワイトな企業になってるぜ! 安心してさっさと去れ!」


 北郎はバグト・タラチュラに背を向けながら、冷たい目つきで話していた……。



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